全体表示

[ リスト ]



 今回は、日本・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・ロシアの各大都市圏の環状高速道路比較を掲載します。

 大都市圏の人口は、2010年にウェンデル・コックスらが公表したDemographiaの調査結果を使用します。
 この調査での大都市圏の定義は、400人/k岼幣紊凌邑密度を有する、建物が連続する都市的地域です。
 (※市区町村などの行政区画上の人口とは無関係であることに注意)


 以下、地図上の赤線が環状高速道路、青線が放射状高速道路と枝線高速道路を示します。
 (※地図中の高速道路には、正式な高速道路(自動車道)と、それに近い構造の準高速道路等を含みます)

 なお、各大都市圏の比較を行いやすくするため、マップ縮尺は同一比率にしてあります。


‘本の首都圏(東京大都市圏)
イメージ 1

 日本の首都圏(東京大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第1位の大都市圏。(約3,520万人)
 2010年の面積規模では、ニューヨークに次いで世界第2位の大都市圏。(8,677㎢)

 東京大都市圏については、前回の記事でも掲載したので、詳細説明は省きますが、世界的にみて、環状高速道路(地図の赤線)の整備が非常に遅れています。

 また、他国では見られないほど極端に、都心部へ自動車を流入させる高速道路配置になっており、都心部に近づくほど高速道路網の密度が高くなる都心一点集中型の都市圏構造です。

 世界最大の人口規模なのに、世界水準と比べて各高速道路の車線数が非常に少ないのも特徴的です。



▲ぅリスの首都圏(ロンドン大都市圏)
イメージ 2

 イギリスの首都圏(ロンドン大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第29位の大都市圏。(約858万人)

 ロンドン大都市圏の環状高速道路は、日本の首都圏における「圏央道」に相当する「広域環状高速道路(M25号)」が全通していますが、都市圏内の環状高速道路は、一部が高速道路になっているものの、大半が一般道路です。(日本で言えば、東京の環七通りに近い)

 ロンドン大都市圏の交通政策は、往復6〜10車線もある「広域環状高速道路(M25号)」でロンドン通過車両を迂回させ、都市圏内に通過車両を流入させない方針が基本となっています。特に都心部への流入規制は厳しく、都心部へ流入するクルマには「ロードプライシング」という課金制度が課せられます。
 
 日本でも一時期、東京都心部でロードプライシングを試みようとしましたが、通過車両を迂回させる肝心の環状高速道路が完成していないため、実施は見送られました。
 
 ちなみに、イギリスの道路制度は、他国とは異なる独特のもので、日本の高速道路に相当する、「モーターウェイ(Motorway)」は、比較的少なく、立体交差ではあるが沿道が一部開放されている「準高速道路(Dual carriageway)」が、かなりの延長距離を占めています。高速道路・準高速道路とも一部の長大橋・トンネルなどを除いて、原則無料です。

 なお、イギリスの高速道路・準高速道路の法定速度は時速110km(70マイル)で、世界的水準(時速120〜130km)と比較すると、やや低めです。
 (...制限速度を守っているかどうかは日本と同様、別の話になりますが(^^;)



フランスの首都圏(パリ大都市圏)
イメージ 3

 フランスの首都圏(パリ大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第24位の大都市圏。(約1,020万人)
 (※世界第26位の日本の中京圏(名古屋大都市圏、約1,013万人)に近い人口規模)

 パリ大都市圏の環状高速道路の特徴は、ヨーロッパにしては珍しく、大都市圏の中心市街地近くまで高速道路が非常に整備されている点です。(流石に日本のように都心部までは高速道路は乗り入れていませんが)

 環状高速道路は、内側から順に3本のリング(地図の赤線)で構成され、内側と中間側は既に完成。
 一番外側の広域環状高速道路は、現在も残り区間の建設が続いています。

 各環状高速道路は、日本の環状高速道路に比べ車線数が多く、概ね、往復6〜10車線あります。

 日本人が一般にイメージするパリは、地図中の一番内側のリング(ペリフェリック)内のみで、実際のパリ大都市圏は非常に広大です。

 ちなみに、フランスの高速道路は、日本の全国的高速道路に相当する「オートルート (Autoroute)」と、都市高速道路に分かれています。オートルートは原則有料、都市高速道路は原則無料です。

 なお、フランスの高速道路の法定速度は時速130kmで、ほぼ世界的水準(時速120〜130km)です。
 ただし、都市内高速道路は、速度標識でそれより低めに設定されています。
 (...基本的にラテンな国なので、実際にはイギリス以上に飛ばしますが(^^;)



ぅ疋ぅ弔亮鹽垠(ベルリン大都市圏)
イメージ 4

 ドイツの首都圏(ベルリン大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第85位の大都市圏。(約370万人)
 
 ベルリン大都市圏の環状道路は、「広域環状高速道路(A10号)」が主軸になっており、中心市街地の環状道路の一部が高速道路になっています。

 ベルリンは、ロンドンやパリに比べると人口規模が小さいことと、冷戦時代には、ベルリンが位置していた旧東ドイツは、あまりアウトバーンの建設が進まなかったこともあり、ベルリン周辺の高速道路網は、あまり充実していません。

 日本人がイメージする速度無制限のアウトバーンが縦横無尽に通っている様は、旧西ドイツ側になります。
 なので、ドイツの大都市圏の環状高速道路の比較例は、旧西ドイツ側のルール地方を後ほど掲載します。

 ちなみに、ドイツの高速道路は、「アウトバーン(Autobahn)」として有名ですが、日本語に訳すと、「自動車道」の意味になります。

 なお、ドイツの高速道路の法定速度は、ご存知の通り「速度無制限」ですが、実際には約50%の区間が時速130km以下に規制されています。
 (...実際に現地に行くと、ドイツ人は本当に実直で、制限速度を非常に良く守ります)



ゥ疋ぅ弔離襦璽訝亙大都市圏
イメージ 5

 ルール地方大都市圏は、2010年の人口規模で世界第38位の大都市圏。(約729万人)
 日本でも、ルール工業地帯として知られるドイツ経済の心臓部にあたる地域です。

 大都市圏の名称が、地方名になっているのは、この地域が中規模都市の連合体であるためです。
 (人口規模が大きいのはエッセン・デュッセルドルフなどですが、都市圏の中核とは言い難い)

 上記のような理由で、中規模都市を個々に包み込むような形で高速道路が配置されているため、環状高速道路というより、「網状高速道路」となっています。

 地図左下の孤立した環状高速道路は、「ケルン」を包むアウトバーン・リング。
 ケルンは、旧西ドイツの首都だった「ボン」と共に、大都市圏を形成しています。

 ケルン大都市圏は、2010年の人口規模で世界第194位の大都市圏。(約205万人)
 統計によっては、前述のルール地方大都市圏に組み込まれることもあり、その場合の圏域人口は、計934万人となり、EU最大の「パリ大都市圏」に迫る人口規模になります。

 地図の縮尺は、,療豕大都市圏と全く同じですが、大都市圏としての中核都市が曖昧なので、日本の大都市圏とは全く異なる都市圏構造となっています。



Εぅ織螢△亮鹽垠(ローマ大都市圏)
イメージ 6

 イタリアの首都圏(ローマ大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第128位の大都市圏。(約272万人)

 ローマ大都市圏の環状高速道路は、広域環状高速道路が完成しており、ローマ中心市街地付近の環状道路の一部が高速道路となっています。

 「世界の道はローマに通ず」と言うことわざがありますが、現代のローマは、パリやロンドンに比べて圧倒的に都市圏規模が小さく、ローマに通ずる高速道路網もあまり充実していません。
 (イタリア人の方々には、失礼で申し訳ないですが(汗))

 ただ、ローマ大都市圏を取り囲む「広域環状高速道路(A90)」は、概ね、往復6車線が確保されており、一部は往復10車線の区間もあります。

 ちなみに、イタリアの高速道路は、日本の全国的高速道路に相当する「アウトストラーダ(Autostrada)」と、イギリスに似た準高速道路「スーパーストラーダ(Superstrada)」に分かれています。
 アウトストラーダは原則有料、スーパーストラーダは原則無料です。

 余談ですが、無料のスーパーストラーダは、国策として産業基盤が弱いイタリア南部に集中しています。

 日本の東北地方の高速道路無料化は、東日本大震災の復興が主目的ですが、このイタリア南部のスーパーストラーダの事例は、多いに参考になるのではないかと思います。

 なお、イタリアの高速道路の法定速度は時速130kmで、ほぼ世界的水準(時速120〜130km)です。
 (...ラテンの本場だけに、現地へ行くと、「制限速度って何?」という感じですが(苦笑))



Д蹈轡△亮鹽垠(モスクワ大都市圏)
イメージ 7

 ロシアの首都圏(モスクワ大都市圏)は、2010年の人口規模で世界第17位の大都市圏。(約1,368万人)

 モスクワ大都市圏の環状高速道路は、内側から順に2本のリング(地図の赤線)で構成され、全て開通済。

 私はロシアを車で走ったことがないので、交通状況や国民性の違いによる運転スタイルの特徴などは、よく分からないのですが、地図を見る限りでは、典型的な都心一点集中型の都市圏構造であり、広大なロシアの土地の特性から、放射状の高速道路が全方向に向けて、直線的に伸びています。
 ロシアに関しては英語情報が少なく、ロシア語が読めないので(苦笑)、情報収集は困難を極めました。
 
 環状高速道路の車線数は、Gogleアースで見た限りでは、概ね、往復8〜10車線。一部は往復12車線の区間もありました。都心部付近の環状道路に至っては、一般道路ではあるものの往復16〜18車線の区間もかなり存在していました。

 流石にこれだけ巨大な環状高速道路を建設できるのは、他ではアメリカと中国くらいだと思います。

 ...日本の大都市圏の環状高速道路は、往復4〜6車線程度なので、比較にもならないと言った感じです。

 ちなみに、ロシアの高速道路の法定速度は、時速110kmだそうで、世界的水準(時速120〜130km)と比較すると、やや低めです。低めに抑えている理由は、道路の維持補修にあまり予算をかけられず、路面状態があまり良くないためだそうです。



 以上で、「世界の都市圏の環状高速道路比較・その1」の記事を終わりにしたいと思います。

 ...長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。m(_ _)m

 ...[世界の大都市圏の環状高速道路比較・その2]へ続く。


この記事に

閉じる コメント(4)

顔アイコン

すごいですね〜〜!

うずまきなんか10年かかっても覚えられないってか、
理解できないこと…イマジネ〜ションは膨らみますが…
日本の高速道路3車線あたりでもうアウト!
イタリアの130キロが普通で、しかも10以上の車線なんかを考えると、未来予想図です(怖笑)
世界の大都市圏の高速道路を使っての推理小説なんか、面白そうですね。。。ポチ☆彡

2011/6/26(日) 午後 11:31 [ あ〜ちゃん ] 返信する

顔アイコン

>うずまきめがねさんへ
私は欧米やニュージーランドをレンタカーで実走したので、各国の都市圏道路には、こだわりがあります(^^;。
ヨーロッパだと高速道路の制限速度が120〜130km/hの国が多いですが、日本でも片道3車線の高速道路だと、120km/hくらいで走っている車も珍しくないので、実態はそう変わらない気がします。

日本も現在、車の流れの実情に合わせた速度規制の見直し(自動車用道路は速度アップ、生活道路は速度ダウン)が行われている最中ですので、数年後には欧米と、あまり変わらない制限速度になりそうです。
(高速道路は、新名神高速と新東名高速が120km/h制限になりそうです)

ポチ、ありがとうございます。

2011/6/27(月) 午前 9:13 Festiva 返信する

顔アイコン

北京の環状道路は6環路までありますね。現在第7を建設中ですね。

2011/10/10(月) 午前 11:01 [ kitanokatu ] 返信する

顔アイコン

>kitanokatuさんへ
北京の環状道路整備は、凄まじい勢いですね。
あれだけの勢いで整備しているのは、日米欧の都市環状道の整備事例を、よく研究しているからなのでしょうね。

2011/10/10(月) 午後 5:09 Festiva 返信する

コメント投稿

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

名前パスワードブログ
絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
投稿

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事