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2冊の本を読みました。
どちらも面白い本ですが、とくに「不自然な収穫」はおすすめです。
「世界の先住民族」 ジュリアン・バージャー著 (明石書店)
「不自然な収穫」 インゲボルグ・ボーエンズ著(光文社)
たまたまほぼ同時に読んでいたというだけでしたのに、私は、‘先住民族の教え’と‘バイオテクノロジー’の間の・・・その皮肉なつながりに気づいてしまいました。
木も草も虫も動物も人も・・・みんなつながる・・・ 〜“先住民族の教え”〜
すべての生命は、山も川も空も・・・そして動物、植物、虫、小さな細菌、そしてそして人間もお互いに不可分につながっている。
母なる大地は、すべての生命の源。
それは生命を育み、養い、教えさとす創造主からのおくりもの。
木、草、虫、動物は、私たちの肉体であり、それらを傷つけることは、自らを傷つけること・・・・大地につながるすべてのものは、同じ有機体の一部でしかない・・・もちろん人間も。
遺伝子組み換え技術の出発点
遺伝子は、デオキシリボ核酸(DNA)の断片。
すべての生物の形態や機能は、この遺伝子によってコントロールされている。
DNA分子は二重の長〜〜〜い鎖構造で、この鎖にそって、たくさんの塩基が存在する。
DNAとは、長い真珠のネックレスのようなもので、真珠の一つ一つが遺伝子に相当し、必要に応じて特定の位置に配置されている。
DNA鎖に存在する4種類の塩基は、すべての生物で同じ。(!!)
ちがうのはその配列。
木、草、虫、細菌、大型動物、小動物、人間・・・・すべての生き物のその生命の根幹は、とどのつまり同じということ!
これぞ遺伝子組み換えテクノロジーの出発点だ!
「不自然な収穫」より、とくに印象に残った箇所を紹介します。
『科学それ自体は、善でも悪でもない。
大切なのは、いかに利用するか。
遺伝子組み換え技術に関しては、開発企業の株主が受ける利益以外の有用性は、わずかなもので、公共の利益に反する当座の利益のために、大企業に与する悪い科学。
4種類の塩基の配列の仕方によって、ダンゴムシになったり、ライオンになったり、バラの花になったり、バクテリアになったり、ヒトになったり・・・・etc.
つまり、「どの生物でも遺伝的な基礎構造は同じである」という事実が、バイオテクノロジーの科学者の興味をひいた。
遺伝子を切断し、はり合わせ、挿入することにより、どんな生物の組み合わせでもつくることが可能。
魚、クモ、ウイルスのDNAが、やさいのDNAに導入されることなど、自然界では起こりえない。
たしかに何世紀も前から人間は、植物を栽培し、動物を飼育し、交配し、雑種をつくってきた。
しかし、従来の品種改良は、生物種の間に存在する自然の境界によって、制限されていた。
ロバとウマを交雑すれば、ラバが生まれるが、ウマとイヌの間では交雑は成立しない。
交雑は同じ品種内か、近縁種の間でしかできない。』
地球上のありとあらゆる生き物の命の根源に関わるものが、たった4種類の塩基だとは・・・・。
この事実は、“虫も動物も木も草もみんな同じ命”という先住民族の教えに、妙につながるのです。
科学の最先端(?)と昔々の太古の教えがだぶって重なるのは、何という皮肉でしょう。
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