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中島岳志氏はある報道番組にコメンテーターとして出演する際、
「踏み込んで安倍批判をやらないでほしい」
「『アベノミクス』という言葉ではなく、『現在の経済』と言い換えら
れないか」などと、打ち合わせの際に番組側から言われたという。
事前のコメントを確認してまで安倍政権に気を使うとは。
マスメディア内に蔓延する“忖度する空気”により、みな窒息しそう。
自主規制放送というか、自縄自縛(じじょうじばく)放送。
メディアの自殺行為。
以下、週刊金曜日 2015.3.6(1030号)より転載。
《緊急対談》 階猛(民主党議員)×中島岳志
中島 最近は、政権、とくに官邸が民放などにおいてもやたらと口出しや
抗議をするようにもなりました。(昨年12月の)選挙前はとくに
顕著で、昨年の衆院解散前、TBSの報道番組「NEWS23」に対して、
安倍さんが「厳しい意見を意図的に選んでいる」と、非常にみっと
もない口出しをしたりもしていました。
階 選挙前に公平中立、公正な報道をするようにと書かれた「萩生田文書」
というものが、各テレビ局に送られたりもしましたね。
中島 それによって現場が萎縮して、自主規制に入っている。昨年末の衆院
選挙前に、ある報道番組にコメンテーターとして出たのですが、打ち
合わせの際に番組側から、「踏み込んで安倍批判をやらないでほしい」
と言われました。さらに事前のコメント確認の際には、僕が「アベノ
ミクス」という言葉を使うと、「『現在の経済』と言い換えられませ
んか」とも言われました。忖度する空気は蔓延しているんだと思いま
したね。
中島 戦前に、特定秘密保護法に似た軍機保護法という法律がありました。
この法のもと、私の勤め先の北海道大学で、「宮澤・レーン事件」が
起きた。旅行に行って帰ってきた宮澤という北大の学生が、根室に
大きな基地があるとの話をレーンという英語の先生夫妻にするんです。
こんなことは根室の人はみな知っている。ところが、開戦の日の
1941年12月8日に突然、2人は逮捕された。でも周りは逮捕の
理由がわからない。それは最近になり文書が発見されるまで「秘密」
にされた。
そうすると周りはどうなるかというと、政府が禁止していないところ
まで自分を抑制するようになる。これは国民をローコストで、一番
管理しやすい方法です。つまり人の心の中、内面の方に権力のまなざし
を植え付けるという方法。これが、安倍さんや籾井さんがやっている
典型的な手法ですので、この根深い構造自体を僕たちは批判していかな
ければならない。
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