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――新崎原発の事故から10年後、除染しても除染しても線量の減ら
ない関東平野に、世界中の放射性廃棄物を貯蔵する施設が設置された。
施設と言いながらも、コスト削減のために建屋は設けられず、野ざらし
で、コンクリートキャストがいくつもいくつも並んでいるだけ・・・・
首都高の高架下には、続々とキャスクが並べられていく。
ちょうどそれは、新崎原発の事故によって急性放射性障害やその後の
甲状腺がんなどで亡くなった者たちの墓標のようでもあった。
一応、名目的には最終処分場ではなく、最終処分するまでの間の中間
貯蔵施設ということにはなっているが、世界の原子力発電所の放射性
廃棄物の最終処分場を、事実上、一手に引き受けている・・・・
そんな三流国として生きていくしか、日本に道は残されていなかったのだ。
日本国内の残りの原発も、引き続き次の事故を目指して稼働していた。
日村は経済産業事務次官を経て、近畿電力の代表取締役副社長に天下って
いた。小島は関東電力の会長に収まっていた。
赤沢は加部のあとを継いで総理を務め、その後、政界を引退していた。
守下は出世コースから大きく外れ、定年間際のスタッフ職として、原子力
発電の検査官を務めていた。
家が朽ち果ててもシロアリは生き残る。
日本が放射能汚染にまみれても、電力マネーに群がる政治家や官僚は生き
残る・・・・。2度の原発事故を起こしても原発推進は止まらない。
それが「電力モンスター・システム」の復元力だった。
☆ ☆ ☆ ☆
上記は、「東京ブラックアウト」(若杉冽 講談社)の最後の一節です。
福島原発事故のあと、日本は懲りもせず再び過酷事故を起こしてしまう設定に
なっています。この本を読んで何よりゾッとしたのは、ここに描かれていること
は、けっしてフィクションではないということです!
いま再稼働にひた走る日本では、近未来、東京ブラックアウトがほぼ確実に現実
のものとなります。その“時"が、少し早いか遅いかの違いです。
地震列島上に、現在9基が稼働中です。九州4基、関西4基、四国1基。
3月15日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めた
住民たちの仮処分申し立てが却下されました。
ヒロシマ・ナガサキ〜ビキニ水爆実験〜フクシマ〜〜
何度も何度も被曝を繰り返しつづける国は、世界の中で、唯一日本だけ・・・。
やっぱり日本は、スゴイ国なのか?!
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