はんのき日記 PART2

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裁判員&死刑制度

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11月21日の天木直人氏のブログに、問題だらけにもかかわらず、裁判員制度の実施の強行は「司法官僚のプライドのなせるわざ」という主旨の記事がありました。
テレビCMどころかラジオでもしっかり宣伝しています。
宣伝映画もありますし、かなりの税金を費やしているはずです。
私も、この制度について知れば知るほど納得いかないことばかりで、もし自分に裁判員候補者のお手紙が来たら、どう対処しようか考えあぐねています。
今月末に定例の学習会があり、そのときに【裁判所への質問】を出し合い、取りまとめることになっています。


             〜以下、天木直人氏の記事からの転載〜

何度でも書くが、私は裁判員制度の導入は、それが来年の5月に導入される前後において、大きな社会問題になるだろうと思っている。

そうならないように、ついに最高裁は税金を使ってテレビ・コマーシャルまで流し始めた。

このくそ忙しい時に、解決すべき経済、社会問題が山積している時に、なぜそこまで必死なのか。

それは司法官僚のプライドのなせるわざだ。

いまさら引き下がれないのだ。

自分たちが正しいと思って決めた事が、後になって問題があることがわかっても、撤回出来ない。

・・・・略・・・

官僚たちは、自分たちは間違いを犯さないんだ、という絶対的自信があって、だから自分たちの導入する政策に間違いはない、問題は国民がそれを正しく理解していないからだ、理解する能力がないからだ、だから正しい政策を国民にわからせればいい、国民を啓蒙すればいいだけの話だ、と。

・・・・略・・・

この制度が、数々の問題を内包している不完全、不備のある制度である事は、もはや多くの識者の指摘するところである。 

「裁判員制度」(丸田隆著 平凡社新書)という本に、最高裁が必死で陪審制を食い止めようとしていた様子が載っていましたので、以下にまとめながら、ほぼ転載します。


1999年に設置され、審議がスタートした司法制度改革審議会ですが、当然ながら「司法への市民参加」の検討が、重要な検討課題とされていました。
しかし、第1回審議会後に公表された「論点整理」を見ると・・・
「司法の分野においても、主権者としての国民の参加の在り方について検討する必要がある」としながらも、
「司法を国民により身近で開かれたものとし、また司法制度改革に国民の多元的な価値観・・・を取り入れる」制度として、
「陪審・参審制度などについても・・・・導入の当否を検討すべきである」・・・となっているのです!

「陪審・参審制度など」と、ひとくくりにして表現しています。
陪審制と参審制では、その制度内容や機能のあり方がまったく異なるにもかかわらず、です。
本来なら【陪審制度の具体的導入方法】について検討すべきだった審議会は、そのスタートからして、す〜っと陪審制の影が薄くなってしまいました。

第30,31,32回の審議会の集中審議では、最高裁、法務省、日弁連の法曹三者からのヒアリングと意見交換が行われました。
日弁連は、当初から、「国民一人ひとりが統治客体意識から脱却して統治主体として司法へ参加していくことが必要である」との合意(論点整理における)からすれば、「陪審制度が望ましい」のは言うまでもないと主張してきました。


ちなみに、2001年の司法制度改革審議会の「意見書」において、司法改革の目的などが以下のように記されています。

   「一人ひとりが、統治客体意識から脱却し、自律的でかつ社会的責任を負った統治主体として、
   互いに協力しながら自由で公正な社会の構築に参画・・・」

   「国民は、重要な国家機能を有効に遂行するにふさわしい簡素・効率的・透明な政府を実現する中で、 
   自律的かつ社会的責任を負った主体として互いに協力しながら自由かつ公正な社会を築き・・・」

   「このような諸改革は、国民の統治客体意識から統治主体意識への転換を基底的前提とするとともに、
   そうした転換を促そうとするものである。統治者(お上)としての政府観から脱して、
   国民自らが統治に重い責任を負い、そうした国民にこたえる政府への転換である」
   「国民のための司法を国民自らが実現し支えなければならない」

   つまり  「国民の『統治客体意識』から『統治主体意識』への転換」 
        「統治者(お上)としての政府観から脱する」
        「国民のための司法を国民自らが実現する」   ・・・・です。


・・にもかかわらず、最高裁(実質には法務省も)陪審制には一貫して反対してきました。
反対の理由として、陪審制は誤判率が高い、国民に負担がかかりすぎる、集中審理のための弁護士の業務上の対応ができていない、法律の全面的見直しが必要、報道規制が必要・・・などをあげています。
さらに興味深いのは、日ごろの裁判で、違憲立法審査権の行使には非常に消極的な(!!)最高裁が、陪審制の合憲論に言及していることです。
国民が「評決権」を持ってしまう司法参加制度(陪審制)の合憲性について・・・なんと!凛々しくも・・

       「最終的には司法権の行使として最高裁によって判断されるべき事柄である」

                     と、法令審査権をちらつかせているのです(ありえな〜い)。

裁判員制度については、知れば知るほど、ますます疑問噴出。
どこから手をつけたらよいか迷ってしまう今日この頃です(笑)。

そもそも最高裁が陪審制に対して根強く反対していたことに注目すべきでしょう。
司法への市民参加を言うなら、本来ならば「停止状況」にある陪審制をこそ復活させるべきなのです。

日本では1923(大正12)年に陪審法という法律ができ、1928(昭和3)年からこの制度が実施されました。
制度の内容は、陪審員の資格が30歳以上の男性で税金を多く納めている人など、いろいろ問題のある制度でしたが、戦争が激しくなったことを理由に、1943(昭和18)年に停止されました。
「戦争が終わったら陪審制を復活する」と決められていて、今でもその法律は生きています。
政府は法律上、陪審制を復活しなければならない義務があるのです。
それを放ったらかしにして、裁判員制度にすり替えてしまいました。 

以前にも記事にしたように、陪審制と参審制の一種である裁判員制度は、根本的に全く違う制度です。
  (陪審制と裁判員制度の比較・・・・http://blogs.yahoo.co.jp/ff6988m/55239392.html

1980年半ばから1990年半ばまでは、戦前の陪審制をどう戦後の民主主義に合うように改良し、復活させるかが課題でした。
国民が責任を持って裁判に主体的に関わっていくという、民主主義的な制度として提起されていました。
とくに刑事裁判において、この頃、死刑確定事件の再審による無罪判決が相次いだこと(職業裁判官による誤判)、警察や検察の取り調べ調書に基づいて進めれられてしまう『調書裁判』への批判が、目立つようになりました。
「司法への市民参加」という社会的な要望もあり、小渕恵三内閣は、規制緩和政策の一環として司法制度の全般的見直しを決定しました。
そして、1999年7月に、内閣に13名の委員からなる「司法制度改革審議会」を設置しました。
当然ですが、当時の国民もマスコミも、「司法改革⇒市民参加⇒陪審制を導入するかしないか」という視点であり、「参審制か陪審制か」などという選択肢はなかったのです。


しかし、最高裁判所を頂点とする裁判所や法務省内部には、根強い反陪審制論がありました・・・。
                                            つづく

法廷は“法と事実”に支配される場です。

「事実の認定は、証拠による」・・・これは刑事訴訟法317条の規定です。
ここで「証拠」とは、法廷で取り調べた証拠です。
法廷の外で得られた情報などは、けっして証拠にはなり得ません。
テレビドラマでの法廷シーンで、証人が証言したりしますが、法廷の外でどんなに証言してもそれは証拠にはならないのです。
ですから判決で使う“事実”とは、法廷で取り調べられた証拠によって“認定された事実”に限られます。

凶悪犯罪が起きると、テレビや週刊誌で大々的に取り上げられます。
容疑者の生い立ちや人間関係に始まり、容疑者が犯人らしいという証拠や自白内容が、断片的に報じられたり、有識者のコメントやさらには容疑者の前科までも報道されたりします。
テレビのワイドショーでくり返しくり返し報道されるうちに、視聴者は【容疑者=犯人】という意識を持ってしまう恐れがあります!!(よくある話のような・・)

裁判員は法律の素人です。
刑事訴訟法など知る由もありません。
マスコミなどによって報道された“事実”と、法廷の場で証拠によって認定された“事実”の区別はできるのでしょうか。
もし、できないで、つまりワイドショーで報じられた内容に影響を受けて【容疑者=犯人】と思いこんでしまったら、その時点で容疑者に保障されている「推定無罪の原則」は、破綻します。

今までは、裁判と事件報道の関係について、とくに問題視されたことはありませんでした。
なぜなら職業裁判官は、報道された事実と証拠によって認定された事実を区別できるので、どのような報道がなされても裁判に影響しないという当然の前提に立ってきたからです(あくまでも)。

最高裁判所は裁判員制度を実施するにあたり、凶悪犯罪が起きたときのマスコミへの報道規制を実質求めてきています。
憲法第37条が保障する「公平な裁判所」であるためには、裁判員に予断や偏見を抱かせるようなことがあってはならないのです。
では、報道規制は当然ということになるのでしょうか?
凶悪犯罪が起きるたびに、報道規制となりますと、私たちの知る権利が侵害されないでしょうか(たとえワイドショーのようなくだらない番組であっても)。
もちろん報道機関の表現の自由にも関わってきます。

           裁判員6人の冷静で公正な判断を邪魔しないために、
         1億2000万人が事件のことを知ることができなくなる?!

          ・・・なんともバカげた事態が、発生してしまう・・・・

最高裁判所がこんな矛盾だらけの要求をすること自体、「裁判は法律の素人には無理、できっこない」ということを苦しまぎれに表明しているのではないでしょうか。


 
どうしても法律の素人を裁判に参加させるというのであれば、少なくとも、裁判員候補者は1年なり2年なりの長期の研修を積むべきです。
裁判について、刑事訴訟法などについて、過去の判例について、学ぶべきです。
たった3〜5日間で(!!)、職業裁判官と『協働』で(これも納得いかないのだが)、判決を下さなければならない以上、裁判官の手の平の上で転がされないように力量をつけなければならないと思います。
(ちなみに陪審制は、長い時は数ヶ月間にも及ぶ)
また現在の刑事裁判の調書主義を始めとする数々の問題点は、先進国でも最悪と言われています。
それらの解決を棚上げしたままのこの制度の導入は、被告人の人権保障にとって危険すぎます。
裁判員としての本人にとっても、結果的に不本意な無責任な役割を果たしてしまう恐れがあります。

         参考;「中央公論」2008年10月号
           『裁判員制度導入で最高裁は報道規制を企んでいる』井上薫(弁護士・元判事)

先進国の中で日本だけ、‘裁判への市民参加’がまだなされていないそうです。
たしかに、国民主権のはずなのに、司法に関しては「裁判は専門家にまかせておけばよい」と考えられています。

「日本でも立法・行政に続いて司法に国民が参加することで‘皆でやる民主主義’がやっと完成します」
「幅広い市民が、主権者として主体的に司法を担うことで、真の‘法の支配’が確立します」
                            〜東京新聞の社説(08.9.7)より〜


司法への市民参加を実現している諸外国の陪審制や参審制は、そもそも職業裁判官による裁判が、誤判やえん罪をくり返してきたことへの批判・反省から、裁判に“市民感覚”を取り入れようということで始まったそうです。
確認しますが、誤判やえん罪はあってはならないもので、刑事裁判の主目的は、【無罪の発見】とも言っていいほどです。
刑事裁判で最も重要なことは、誤判・えん罪の防止であり、そのための「疑わしきは被告人の利益に」「推定無罪の原則」です。
日本も市民参加を目指すのなら、少なくとも諸外国の‘市民参加の意味’を見習うべきです。

でも残念なことに、来年5月からスタート予定の日本の裁判員制度の発想は、諸外国とは大違いです!
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(略して裁判員法)の第一条に、この制度の趣旨が明記されています。
      第一条「国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続きに関与することが
          司法に対する国民の理解の増進と信頼の向上に資する」

・・・つまり『司法(国家権力)への理解と信頼』を国民に根付かせるための制度だということです。
けっして被告人のための制度ではないのです。
これが国民主権主義のもと主権者意識を醸成することになるのでしょうか??

それに、そもそもなぜ刑事裁判でなければいけないのでしょう?
民事裁判や行政訴訟の方が、国民主権者としての意識を幅広くバランスよく醸成できると思うのですが・・・。
裁判員となって、殺人事件などの凶悪犯罪の裁判に参加して、「自分は絶対にこんな凶悪な犯罪に手を染めないぞ」という正義感に満ちた“良き国民”としての決意が促されるというわけでしょうか?


このように次々と疑問がわいてきてしまいます・・。
「裁判員制度は、陪審制を閉ざしたもの。これによって陪審制は100年ぐらいは出来ないだろう」と指摘する弁護士もいます。
‘市民参加’の意味が問われます。                             つづく

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