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労働法では、「直接雇用」が原則です。
「直接雇用」とは、労働者に直接指示し、働かせ、その労働によって最も利益をあげる利用者(エンドユーザー)が、『法的に“使用者”としての全ての責任を負う』ということです。
労働者とその使用者の間に仮の仲介者を置いて、形式的な使用者として単に労働者の‘労働力’だけを利用するという「間接雇用」は、労働者の立場が極度に弱められ、弊害が大きくなります。
・・なので、戦後、職業安定法によって、こうした労働者供給事業は、厳しく禁止されていました。
厳しく禁止されていたはずの「間接雇用」。
しかし、1980年以降、大企業の経営者や政府は、なんと!!「間接雇用」拡大を規制緩和の中心に位置づけたのでした。
その第一歩が「労働者派遣法」(85年制定、86年施行)です。
この法律がつくられるとき、通訳・アナウンサー・ソフト開発・秘書などの“専門性も賃金も高い仕事”だけ(16業務のみ)を対象にすると決められました。
労働者が弱い立場に立たされやすいという派遣労働の特質から、働き手の方が優位に交渉できる職種に限るべきという認識(良識)があったからです!!
ところが10年後の96年には26業務に拡大され、さらに99年の派遣法改定で、対象業務が原則自由化されてしまいました。
専門性もとくに関係ない単純業務にまで、「間接雇用」が合法化されたことは、恥ずかしながら前近代的(日本は先進国ではないということ)です。
労働者の権利を守るべき法律が、人を使い捨てにする装置となってしまいました。
労働者の立場が、合法的に弱められてきたのです!
そして、とどめを刺すかのように、04年からは「製造業への派遣」が解禁されてしまいました。
本来、労働とは、人間にとって権利のはずです。
だから憲法27・28条にも、勤労者の権利が明記され、数々の労働法が作られてきました・・・。
労働者派遣法が作られて約20年。
(法律はひとたびつくられると一人歩きするというが・・・)
日本の労働者派遣制度は、世界の中でも「労働者保護」という点で、世界最低水準のものです。
これは裏返すと、企業の強欲経営者にとっては、『ベストな制度』といえます。
強欲経営者にとって、派遣労働者はとても便利な存在です。
EU諸国では、派遣を例外とするために、法律できっちりと以下のようなことを定めています。
(1) 派遣を臨時的業務として限定
(2) 派遣機関を超えたら、派遣先が自動的に直接雇用
(3) 派遣先の従業員と派遣労働者の『同一労働同一待遇』
☆95年に出された日本経団連の報告書「新時代の日本的経営」は、まさに経営者の立場で、いかに人件費を削減するかという視点に貫かれています。
90年代後半からのリストラ、残った社員は成果主義の中で過重労働を強いられる・・・その結果、大企業は史上最高の利益を得ています。
参考:龍谷大学法学部教授 脇田滋さんの話など
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