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日本の公職選挙法は、異常な厳しさ!!
選挙期間中に選挙運動ができないほど(苦笑)!!!
この公選法を大前提にした国民投票法案は、根本的な問題をはらみます。
以下、百万人署名運動全国通信より〜
一昨年11月に、超党派からなる(国民投票法の)調査議員団が、欧州各国へと派遣されました。
(欧州各国とは、オーストリア、スロバキア、スイス、スペイン、フランスです。)
今年2月には、詳細な調査報告書が発表され、また、2月23日の衆院憲法調査特別委員会(中山委員長)では、この調査に関する報告・議論が行われていました。
この特別委員会での各委員の発言が、非常に興味深い!!
とくに注目すべきポイントは・・・・
(A)国民投票そのものの危険性・劇薬性
(B)そこでの運動規制やマスコミ規制など問題外であること
(C)憲法の原理は国民投票によっても変えられないこと
とくに(B)について補足します。
日本でこれまで取りざたされているいくつかの国民投票法案は、いずれも【現行の公職選挙法】の様々な制約・規制を前提に、「だから国民投票法案でもこれこれの規制は当然」というもの。
しかし、現行の公選法の様々な規制は、実は、1925年の普通選挙制実施時にさかのぼるものなのです。
治安維持法と抱き合わせだった普通選挙制、実は、選挙法そのものにおいても、当時の無産政党に議席を取らせないために、戸別訪問禁止!供託金制度!文書・図画の規制!等々、がんじがらめの制約が定められました!
そしてそれが、戦後も改められることもなく、基本的に1950年制定の公職選挙法に引き継がれます。
さらに、戦後労働運動の高揚への危機感から『教育者、公務員などの活動規制』も盛り込まれたのでした。
超党派による欧州調査で、各議員は、こんな公選法自体とんでもないこと、ましてこれを元にした国民投票法などまったく許されないことを指摘しています。
ところが、衆院特別委員会自体が、3月以降になると、「やはり公選法程度の規制は必要」という自民党などの意見に引きずられた議論になってしまいました。
(以下は衆院第2回憲法調査特別委の議事録より)
★ 中山太郎委員長(自民党):
・・・まずコール[オーストリア国民会議]議長との懇談で、とくに印象に残っているのは、コール議長が、ナチス・ドイツのよる併合の際の不正常な政治状況のもとで行われた不正な国民投票などオーストリアにおける国民投票の歴史を振り返りながら、国民投票が民意の正確な発現方法として正常に機能するためには、まず、国民投票の議題となっているテーマについて、国民に対して、正確な情報を提供し、これを理解してもらう努力をすることが何よりも重要であることを強調していた点です。
・・・国民投票を含む直接民主制の制度は、重要ではあるけれど、議会民主制の下においては劇薬であって、その発動に当たっては、かなり慎重さが必要であるという実態をかいま見た気がした。
・・・興味深かったのは、スロバキアでは・・・基本的人権及び自由は、国民投票の対象とすることは出来ないということが規定されている点だった。
★ 保岡興治委員(自民党):
・・・訪問前から大きな関心を抱いていたのは、マスコミ規制をはじめとする国民投票運動に関する規制の有無とその内容についてでした。事前の文献調査でもある程度、予想はついていたが、各国とも国民投票運動は、基本的に自由とされており、特段の規制はなされていないとのこと。この点は、マスコミについても基本的に同様だった。
ただ、各国とも選挙運動に関する規制自体がほとんどないようであり、選挙運動についてかなり厳格な規制がなされているわが国とは、法制度的な状況が違っているが、むしろ今後、わが国でも公選法のあり方の抜本的な見直しが必要ではないかと思った。
★ 葉梨康弘委員(自民党):
・・・その中で私どもが感じ取ったことは、国民投票という手段の怖さ。ベルン大学のリンダー教授も指摘されていたように、たとえば、フランスのナポレオン3世が多用したような形での、独裁者がその信任投票として国民投票を利用する怖さだ。
★ 枝野幸男委員(民主党):
・・・国民投票運動、あるいはメディアの行動について、基本的には規制を加えるべきではないという考え方、これは各国とも共通していたと思う。2つ目に、各国とも成人年齢18歳、そして国民投票等の投票権年齢も18歳、これが世界の常識であるということ。3つ目には、賛否を問うためにその内容を国民にわかりやすく周知する必要がある、このことが重要であるということ。国民投票を公権力が濫用する危険性というもの、これもまた各国で指摘を受けてきた。
それから、・・・基本的人権に関わる問題は、いわゆる普遍的な価値に関わるものであって、国民投票をもってしても変更することはできないという近代立憲主義の基本をしっかり認識、把握していた。
・・・われわれよりも民主主義の歴史は少ないとわれわれが一般的には思っているスロバキアが、しっかりとこうした認識を持って政治を動かしていると言うことに、一種の感銘と恥ずかしさを感じて帰ってきた。
★ 吉川元久(民主党):
国民投票制度が間接民主主義を補完する制度として確立しているからといって、国民投票制度を濫用してはならないということを今回改めて認識した。国民投票には、場合によっては国民の意思を、国民投票に付した事柄についての国民の賛否を問うというよりも、時の権力者が自分の統治を正当化するためのいわば人気投票、信任投票のような形で国民投票という制度が使われることがある。
3番目に私が感じたのは、どの国においても、国民投票を行うに当たっての投票行動については、極めて自由であって、制約、規制は必要最小限にとどまっていること。
・・・単に国民投票だけではなくて、一般的にもう少し、普通の選挙、議員を選ぶ選挙などにおける選挙活動も、かなり自由に広範に行えるようになっているのではないか。
わが国の公職選挙法は極めて厳しい規制で、選挙期間中というのは、逆に言うと、事実上選挙運動ができないような、・・それくらい厳しい規制があるわけで、今回訪問した国では、いずれの国においても、そもそも普通の公選の選挙においても、かなり自由な活動ができる。
★ 笠井亮(共産党):
フランスでは、ナポレオンが自らとその統治を正当化するための人気投票、信任投票として国民投票を利用してきた。
戦後も、ドゴールが自らの政治基盤を強化するために人気投票的な国民投票を乱発してきたということを直接聞くことができた。
・・・訪問した国々では、憲法の基本原則を変更するような改正は行ってはいけない。各国は、国の基本的価値を非常に大事にしていて、人権、自由、民主主義など基本的価値を変えてしまうような憲法改正はそもそも想定していないということ。
先の特別国会では公選法程度の規制は必要との意見もあり、また、これまでの公表されている(いくつかの)法案を拝見しても、公選法の枠組みを基本としている。・・・訪問した国では、どの国で質問しても、メディアや運動規制ということについては、基本的にあり得ないという答えが返ってきた。戸別訪問をはじめとして、選挙運動、政治活動などは基本的に自由であり、国民投票における投票運動なども自由に行われている。・・日本とはその哲学を異にしているようであった。
オーストリアは、そもそも選挙運動に対する規制がないが、唯一あるとすれば、刑法でナチズムの関する広告を選挙期間中にすることが禁止されていることぐらい。
★ 辻元清美委員(社民党):
・・・国民投票によって重要な政治課題に直接意思表示できることは主権者にとって意義があると認められる反面、国民投票に関しては・・・・苦い経験もあり、その実施に当たっては慎重な判断がなされているという強い印象を持った。たとえばオーストリアでは、・・・国民投票によって1938年のナチス・ドイツによるオーストリア併合が決まったという不幸な歴史への言及があった。これは非常に重く受け止めた。
欧州では、スイスやフランスを除き、ほとんどの国では国民投票をひんぱんに行うことはない。国民投票を行う難しさ、危険性をしっかり認識する必要がある。複雑な政治問題をイエス、ノーで問うのは、簡単にそのこと自体が操作されてしまう可能性がある。
憲法改正が行われたフランスでも、大統領の任期の短縮など、一部の、部分の改正であったことも知りました。
・・・どこの訪問国でも、憲法を全面的に変えるということは想定していないという強い印象を受けた。
☆以上、百万人署名運動全国通信 第102号 (2006年5月1日)より、ほぼ引用抜粋しました。
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