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フォービズムから印象主義、写実主義、抽象主義、、、何でも揃った北野シネマ画廊。
冒頭、ギリシャ神話の英雄アキレスが、亀に追いつけないという命題が紹介されます。
当然のことながら、歩く速度が亀の10倍のアキレスが、亀に追いつき、追い抜くのは
明らかなのですが、数字の理論上、実は追いつけないという計算式を見せつけるわけです。
これはつまり、常識で考えれば当たり前のことが、意外にも証明できないという事実が、
世の中には数多く存在するのだという訴えかけのようです。つまり机上の理論がどうあれ、
人間の感情は、理論をも打ち破ることができるのだとでも言いたげです。
絵画も同じで、見えるものを描くだけなら芸術ではないのです。そこに描く人間の個性、
喜びや怒りなどさまざまな感情が込められているからこそ、芸術と呼ぶことができるのです。
ストーリーは、その絵を描くことが大好きな主人公・倉持真知寿の成長物語です。
裕福な家庭に生まれた真知寿少年は朝から晩まで絵を描いていて、画家になるのが夢でした。
ところが父親の会社が倒産することで生活が一変し、貧しい親戚の家に預けられた真知寿は、
絵の具なども買ってもらえず、養父にきつく叱られたり、強く叩かれたりします。
それでも彼は表情ひとつ変えません。幼い頃からの、彼の信念を感じさせる描き方です。
それはまさに画家になるという彼の夢に通じており、いくら絵が認められなくても、
自らの強い想いを貫き通す、そんな少年の心を持ったまま大人へと成長していくのです。
大人になった真知寿(柳憂怜)は、新聞配達の仕事をしていましたが、
配達途中で自転車を止め、土手で絵を描いたりするのです。朝日が昇る風景は、
その瞬間しか描けないので、仕事を投げ出してでも、ただただひたすらに絵を描くのです。
絵の学校に通いたくなった真知寿は、新聞配達を辞めて印刷会社に就職します。
そこで、彼の絵に対する情熱を理解してくれる女性・幸子(麻生久美子)に出会います。
その名の通り、少なからず幸せを運んでくれる女性でした。
やがて中年を過ぎた真知寿(北野武)は、やはり朝から晩まで絵を描いています。
妻の幸子(樋口可南子)と、夫婦揃って絵に取り組むようになりました。
それはもう絵を描くというよりも、たとえば色をただ何かにぶつけるだけのような
やや破天荒なスタイルになっています。夫に指示されるがままに、ただ夫の芸術のために、
犯罪すれすれから、殺人すれすれまで、何から何まで協力する幸子の真面目すぎる態度。
その真剣さと、ふざけすぎた場面とのギャップが、笑えるシーンもたくさん生み出しました。
結局、いくら描いても認められない、売れない、しかも大切なものまで失うことなる二人。
それでも、永遠に夢を追い求める真知寿の信念、そんな彼に生涯を捧げる幸子の献身、
そこには、どんな絵画よりも美しい夫婦の絆を感じさせられました。
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昔から北野監督とは相性のよくないくるみです(アセアセ)
笑えないシーンが多くあって、共感もできませんでした。。。
娘を売春させてまで絵の具とか、幸子さんはそれでも平気だったのかなぁ〜(不思議)
2008/9/26(金) 午後 8:12
北野らしさは出ていたかなと思います。夫婦の描き方なんかは過去作にも通じるものがあったし、ギャグはいつもの「たけし」そのものですしね。
2008/9/26(金) 午後 9:07 [ つっぱり太郎 ]
くるみさん、相性ってありますよね、不思議なことに、、、。
僕は監督よりも、意外にも俳優、女優に相性を感じたりすることがあります。
単なる好き嫌いの問題かもしれませんけど(汗)。
2008/9/27(土) 午前 0:23
つっぱり太郎さん、ちょっと笑えないブラックユーモアも、やっぱりあるのですが、
それでも真知寿が画家の夢を貫く姿勢、幸子が愛を貫く姿勢は、共感が持てます。
2008/9/27(土) 午前 0:26
北野武は照れ屋なのでどこまでが本気なのか読み取るのが難しいです。真正面から捉えると記事のような感想になるでしょうし、シニカルに観れば違った面も見えてきますし。
これも一般受けはしていないようなので、少々気の毒になりますね。
トラバさせて下さい。
2008/10/4(土) 午後 8:01 [ - ]
YAZさん、とにかく前作(監督・ばんざい!)がちょっと困った作品だったので(笑)、
今回は、僕はまともに捉えました。ただ、決して万人受けする内容ではないですね。
2008/10/5(日) 午前 0:23
ふぁろうさんのレビューで題名の意味が分かった気がしました。
夫婦愛、最後の場面で確かに感じられました。
この映画、私あまり分かってなかったようでした。
TBさせて下さいね!
2008/10/8(水) 午後 7:38
irukaさん、なにげなく空き缶を蹴る幸子の後ろ姿に、夫婦愛を感じてしまいました。
理解しづらい部分もありましたが、身も心も捧げる妻の姿勢は貫かれたと思いますね。
2008/10/9(木) 午前 0:27
ふぁろうさんこそ、とても優しいレビューで、お人柄が察せられます。僕など「笑点」で言うと、腹黒な楽太郎位毒舌になってしまいました。
北野監督は「TAKESHI’S」「座頭市」まで好きだっただけに残念でした。
2008/12/5(金) 午後 0:30
のびたさ〜〜ん、毒舌といえば、かつてはたけしの代名詞でもありました。
たまにはガツンと言ってさしあげた方がいいかもしれませんよ〜(笑)。
あ、これ僕の人柄ではなく、いいところばっかりに目がいくという、
ある意味病気ですね(爆)。
2008/12/5(金) 午後 1:06
北野武の大ファンだから許せる映画でした。ミーハーなんです。
2009/2/22(日) 午後 11:49
もっさん♪、あると思います。ファンだから許せる作品。監督に限らず、
作品自体のデキはともかく、その女優のファンだから許せる作品も、あると思います。
逆に、そういう厳しい作品の中で、頑張っている女優とか見た日には、
なんだか今日いけそうな気がする〜、と思います(笑)。
2009/2/23(月) 午後 0:39
好き嫌いはあります(笑)。画科の周りの人間がどんどん死んでいくし・・・・笑。女優はよかったですね。
2010/6/22(火) 午前 6:50
fpdさん♪、北野監督の映画は、誰にでも受け入れられる作品ではないですよね。
好き嫌いは当然です。女優陣、ここでは特に樋口可南子が見せてくれましたね♪。
2010/6/23(水) 午前 0:12