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仕掛けたっぷり超シュール系ナンセンスコメディ型シンクロナイズドストーリー。
売れないアイドル、と言えば失礼ですが、売り出し中のアイドルが、一日警察署長とか、
一日消防署長とか、一日駅長とか、あるいは一日店長などやることは、まあ、あると思います。
しかし、この作品の中で、たぶんちゃんした設定はこれくらいで、あとはおそらく、
と言うか、とにかく何から何までありえない設定、ありえない展開で、よくぞここまでと、
もう感心するしかありません。
しかも舞台演出のサンドロヴィッチ監督が、映像メディアを生かしたシナリオを作り上げ、
小さな事実の一つひとつが、別の角度から見たもう一つの事実にピッタリと重なり合って、
その1日をあらゆる人物の視点で描くストーリー構成は、観る者を笑いの渦に巻き込みながらも、
なるほど〜と唸らせる作品に仕上がっています。
サラリーマンの加瀬(段田安則)が、通勤前のコンビニで生玉子の10個入りパックと、
蚊取り線香、そしてアイドル雑誌等を買う。通勤前に生玉子なんて、そんなのありえません。
その後、加瀬がいきないトラックに轢かれ、道路に倒れた彼の体から流れ出た血の赤い液体と、
割れてしまった卵の黄身の黄色い液体が並行して流れるなんて、そんなのありえません。
その交通事故を目撃したアヤメ(成海璃子)は、同じアイドル雑誌を万引きした直後ですが、
雑誌名が「Nadeshiko」。アイドルグラビア雑誌のタイトルが、なでしこ。そんなのありえません。
なぜか下着姿でマンションの上の方から落下してきて、いきなり命を落とす玲奈(佐藤江梨子)。
強盗団のスタンガンが妙な壊れ方をして、敢えて妙な使い方をしようする立本(大倉孝二)。
朝っぱらから、マンションの隣の部屋の怪しい声を聞いて、一瞬その気になるマリィ(奥菜恵)。
トラックの助手席で、いつもお経のようなラジオを聴きながらラリっている女性(麻生久美子)。
ちょっとまともかと思ったアヤメの女性マネージャー風間(犬山イヌコ)も、アヤメの頭を
台本みたいなのをまるめて殴りまくります。自社の大事な商品のはずなのに、まったく遠慮なし。
ちなみに高校時代はアヤメの同級だったモモ(安藤サクラ)が、アヤメほどかわいくないのに、
根強いファンがいる。しかもモモの登場シーンは、ほとんどアヤメの妄想の中に出てきて、
いつも水着とかグラビア写真撮影時の格好をしている、それもだんだんと過激になっていくのです。
すべてがありえない、ちょっと異常とも思える人たちによる異様な行動の連続なので、
万引きという罪の罰として、アヤメが一日警察署長をすることになる警察署内部が腐敗していても、
それがもう当たり前のように見えてしまうから不思議です。警察なのに署長がいない。
内部がほこりやクモの巣まみれ、何をやっているかわからない部屋が山ほどある。
いちばんの問題は、アヤメの元カレの恩田(永山絢斗)。実は連続殺人犯なのに刑事をやっている。
しかもそれを、副署長(串田和美)が容認している。やっぱりありえません。
それでも一応、一日署長アヤメの活躍の場がやってきて、コンビニ強盗団を捕まえるために、
警察署員に指示を出し始め、あれよあれよという間にラストにもっていくのです。
映像の中にもさまざまな仕掛けや奇抜なアイデアを取り入れながら展開し、一気に結末を迎える。
いわゆるジェットコースターが急加速し、上下左右の激しい動きを繰り返しながら、
一気にプシューと急停止するようなラストに、徹底したコメディエンタテイメントを見た気分です。
ただ、完全に人違いしているのに、憎めないコンビニのバイト(市川由衣)の罪のない笑顔は、
唯一の癒し系、罰が与えられるはずなどないのに、ほんとに結婚したの?
<映画の次回作情報>
成海璃子
:山形スクリーム(竹中直人監督)
今夏公開予定 共演:AKIRA、マイコ、沢村一樹、竹中直人 他
安藤サクラ
:愛のむきだし(園子温監督)
現在公開中 共演:西島隆弘、満島ひかり、渡辺真起子、渡部篤郎 他
麻生久美子
:インスタント沼(三木聡監督)
5月公開予定 共演:風間杜夫、加瀬亮、松坂慶子、笹野高史、白石美帆 他
:おと・な・り(熊澤尚人監督)
5月16日公開 共演:岡田准一、谷村美月、岡田義徳、池内博之、とよた真帆 他
:ウルトラミラクルラブストーリー(横浜聡子監督)
6月6日公開 共演:松山ケンイチ、ノゾエ征爾、ARATA、原田芳雄、渡辺美佐子 他
佐藤江梨子
:GOEMON(紀里谷和明監督)
5月1日公開 共演:江口洋介、大沢たかお、広末涼子、ゴリ、要潤 他
:斜陽(秋原正俊監督)
5月公開予定 共演:温水洋一、伊藤陽佑、真砂皓太、小倉一郎、高橋ひとみ 他
:ラッシュライフ(真利子哲也 他 監督)
6月公開予定 共演:堺雅人、寺島しのぶ、柄本佑、板尾創路、塩谷瞬 他
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ホント“あり得ない”の連発でしたよねぇ〜〜〜その徹底っぷりに、呆れるをとおりこして笑えたぁ〜^^。
成海璃子は、初めて演技を観たんだけど、ほんわかしてて好きな感じです♡
TBさせてくださいね(。・ω・)ノ゙
2009/3/12(木) 午後 7:01
イヌコさんの「正しく、頑張りなさい」のセリフのたび(爆)でした。。。
全然知らない人たちが・・・実は繋がっていた・・・演出もなかなかでした^^
トラバありがとうございます!トラバお返しさせて下さいね^^
2009/3/12(木) 午後 7:45
笑いどころがちょっと、ずれてしまったのですが^^;
記事も書いて、暫くしてから、ジワリと思いだして可笑しくなる映画でした!それも、あり、、ですかねぇ〜〜(^^ゞ
イヌちゃんは、いつもよりずっと、まともな役。唯一の常識人?
それも意外でしたし、最後の麻生さんの笑顔が癒し^^
ハチャメチャのようで、最後に纏まり、さすがケラさんでしたね!
TBありがとうございました!お返しさせて下さいね〜♪
2009/3/12(木) 午後 9:07
付いていけない、ありえないことだらけで、見る映画間違えたかな?と思ってしまいましたが、だんだんこの世界感に引き込まれていきました。色々なことが繋がって、アヤメが自分の生き方?を見出してからが笑いっぱなしデした。たまにはこういうブラックな笑いも悪くないなって思いました♪
こちらからも、TBさせてくださいね。
2009/3/12(木) 午後 9:08
hideawayさん、徹底的にシュールにするところが上手いです。もうすべてですからね(笑)。
成海璃子はコメディエンヌのセンスありですね。まだ16歳ですから今後が楽しみです。
2009/3/12(木) 午後 11:21
くるみさん、あの正しく頑張れ的なセリフのセンスは、ケラ監督っぽいですね。
5月にはケラ演出&犬山イヌコのナイロンの舞台を観に行きます。
もちろん大倉孝二も出演です。
2009/3/12(木) 午後 11:27
フェイさん♪、笑いどころがたくさんありますから、ツボが多少ずれても笑えたでしょう。
登場人物たちの視点が重なっていくシナリオの多重構造は見事でした。
あれだけやり散らかしておいて、しっかりとまとまるんですから、さっすがです。
2009/3/12(木) 午後 11:31
マミさん、ついて行けないことが快感になるほどの徹底ぶりでしたね。
観る映画を間違うこと、たまにあるかも知れませんが、間違いは悪い方ばかりでなく、
たまに良い方に間違うこともありますから。結果オーライみたいな(笑)。
2009/3/12(木) 午後 11:35
いやあ、ふぁろうさん、やっぱ、読ませるてくれるわあ!
ゆうべ、「メリケンサック」を観たんですけど、どう書こか、いっそ書くのやめとこか、ってな感じなんですよ、今。
こっち観とけばよかったかなあ〜。(笑)
2009/3/19(木) 午後 10:05
雨林さ〜ん♪、このありえなさは、ケラ脚本&監督ならではで、
そらもう声を出して笑えますよ、これ。あのオードリーの春日も言ってましたよ、
笑いたくない奴は見るべからず、って。つまり笑いたい奴は見ろって意味ですね(笑)。
てか、メリケンサックも、あれはあれで僕は好きですけど〜。
2009/3/19(木) 午後 11:21
こういうむちゃくちゃな映画大好き! たまりません。「ラーメンガール」といい、テアトル新宿恐るべし!
お約束の笑いってあるじゃないですか、縄ほどけてるとか、・・・。
となりで、首絞められている声聞いて、勘違いして興奮しちゃうとか、・・・。
投げた石が命中しちゃうとか、・・・。
笑いすぎて、死にそうになりました。
トラックバックさせて下さい。
2009/4/6(月) 午後 11:08 [ てるてる ]
てるてる先生、あの辺では老舗のテアトル新宿ですね。お得意の新ピカの並びですね。
あの劇場のすごいのは、チラシが山ほど置いてあることでしょ。
とにかく笑える、いや笑うしかない映画でしたね。
大丈夫ですよぉ、笑いすぎても死にましぇんから(笑)。
2009/4/7(火) 午前 1:07
シュールな作品でしたね。冒頭のカフカの小説の引用から、すっかり不条理な世界にはまってしまいました。
署長室に続く廊下で見られた、訳の分からない部屋の名前も笑えました。
しかし、ラストの「逆さまなのは私のページじゃなくって…」というあやめのポジティヴな考え方に、感動してしまったのびたでした。
2009/4/19(日) 午前 8:31
のびた先生、あの地下の廊下には、なんとも不気味な部屋が並んでましたね。
それを覚えた?ほんまですか(笑)!あやめのポジティブシンキングは天然なのか、
やけくそなのか、とにかくニヤニヤ笑える、いや笑うしかないストーリーでしたね。
2009/4/19(日) 午後 9:01
とっても面白く見ることが出来ました!
冒頭から、すっかりはまってしまいましたよ。
細かいところまで、面白くて、ラストまで一気でしたね。
2010/2/19(金) 午後 5:46
kuuさん♪、このテの作品は好みもあるでしょうが、僕もかなり好きな作品です。
とにかくシュールなんだけど、笑えるシーンが盛りだくさんでした♪。
2010/2/20(土) 午前 0:44