日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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空気人形

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人形は、やがて燃えないゴミ。人間も、いつかは燃える、、、。その違いは心だけなのか?

人間なら誰しも、何らかのストレスを抱えているはずです。ストレスを溜めこんでしまうと、
精神的に病んでしまいます。もちろん心がなければ、ストレスが溜まることもないでしょう。
しかし人間は心を持った生き物。ストレスや不満や心の痛みは、発散させなければなりません。
そのためにはストレス解消法、わかりやすく言えばストレスのはけ口が必要になるのです。ただし、
ストレスが犯罪につながることは許されず、人間はストレスとうまく付き合いながら、
生きていかなければならないのです。

秀雄(板尾創路)が疲れきった顔で深夜の電車に揺られています。車窓からぼんやりと夜の街を
眺める表情には、すでに男の哀愁が漂っています。アパートに帰り着くと、食卓テーブルに、
向かい合わせに座っているメイド服の女性に普通に話しかけてます。しかし、カメラが切り替わると、
そこに映し出されるのは、等身大の女性の人形。秀雄は人形に話しかけていたのです。

秀雄はファミレスに勤めているものの、仕事ではミスが多く、若い上司からも注意されてばかり。
かなりストレスが溜まっています。そのストレスのはけ口になっているのが、空気人形なのです。
秀雄は付き合っていた女性と別れた後、この空気人形を愛しています。そうやって愛された空気人形が、
やがて心を持ってしまうのです。

ある朝、秀雄が出かけて行くと、空気人形は動き出し、裸のままベッドから起き上がると、
窓から手を差し伸べ、その手に雨水が流れ落ちていきます。映像が手から顔に切り替わると、
人間の姿になっているのです。空気人形(ペ・ドゥナ)の鮮烈なほどの美しい後ろ姿が映し出され、
「私は心を持ってしまいました」というナレーションが聞こえてきます。

自ら服を着て、外へ出歩くようになる空気人形。ビデオ店に勤める純一(ARATA)に心がときめき、
人を愛することの素晴らしさ知ります。ストーリーは、深まっていく空気人形と純一の関係を中心に、
その町の多くの人間たちが、なんらかのストレスを抱えているシーンを交えて進行します。

ある日、自分が生きている女性の代用品として使用される人形だと知った空気人形は、孤独な老人から、
かつては自分も代用教員だったことを知らされます。空気人形の周りに現れる人間たちは、
誰もが心に痛みを持っていて、何かに発散している状況が、一人ひとり丁寧に描かれていきます。

空気人形の持ち主の秀雄が、人間を相手にするのが面倒くさいから、人形を相手にしていたと、
心を持った空気人形に言ってしまう場面がありますが、心を持った人間を相手にすることは、
決して簡単なことではありません。でも、人間相手にしかできないことの方が多いはずなのです。

せっかく心を持ち、愛することを知り、夢を見ることもできるようになった空気人形。
しかし、自分を生んでくれた人形師(オダギリジョー)の元を訪ね、心を持ったことが苦しいと
告げるのです。そこで、代用品として使い捨てられる人形の哀しい性を知り、それでも、
生んでくれてありがとうと言い残し、再び、秘密を知った順一に会いに行くのです。
その先には、ちょっと痛々しい衝撃の展開もあるのですが、、、。

受動的にしか動けなかった空気人形が、心を持つことで自らの意志で動くようになることで、
初めて知る心を持つことの苦しみ。その繊細な感情を表現するペ・ドゥナが大きな目が、
まさに人形のように見える演技も、本作の見どころです。

誰もが代用品を必要とする時があり、逆にいつでも自分自身が代用品になる可能性だってある。
その時、必要とされているのは、体だけでなく、心の代用品なのかもしれません。


<映画の次回作情報>

星野真里
:今日からヒットマン(横井健司監督)
現在公開中   共演:武田真治、森下悠里、黄川田将也、津田寛治 他

:携帯彼氏(船曳真珠監督)
10月24日公開  共演:川島海荷、朝倉あき、石黒英雄、小木茂光 他


余貴美子
:食堂かたつむり(富永まい監督)
2010年2月公開予定  共演:柴咲コウ、三浦友和、ブラザートム 他

:孤高のメス(成島出監督)
2010年初夏公開予定  共演:堤真一、夏川結衣、生瀬勝久、平田満 他

閉じる コメント(36)

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なみぺーさん♪、これも公開劇場は少ないですね。でもめったにないパターンの作品なので、
機会があったらぜひ。CGなしで人形が動くシーンは、最近ではちょっと新鮮な感覚です。

2009/10/14(水) 午前 1:16 ffa**77 返信する

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hideawayさん♪、人形が心を持つと言えば、もちろんファンタジーなんですが、
これは切ないファンタジーでしたね。人形も苦しむことになるし、人間も、
何かに苦しんでいる人たちが大勢出てきましたね。

2009/10/14(水) 午前 1:20 ffa**77 返信する

こういう作品には弱いですね。感情移入しちゃうもんで。
観ていて、切なくて、切なくて・・・。
純一さんが栓を抜いたり、ふくらましたり・・・、の気持ちはなんとなくわかるような気がします。
すばらしい(↑のことではない)作品でした。
トラックバックさせてください。

2009/10/17(土) 午前 10:31 [ てるてる ] 返信する

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てるてる先生♪、空気人形に空気を入れたり抜いたり、あれは彼女が本当に人形なのか、
わかっているんだけど確かめたいという、純一の気持ちもあったのでしょうか。
切ない作品でしたね。

2009/10/17(土) 午後 0:04 ffa**77 返信する

ペ・ドゥナがすばらしかったです。
表情といい、しぐさといい。
切ない映画だけど温かさもある映画でした。
ほんと心の代用品にもなりたいですよね。
TBさせてくださいね!

2009/10/28(水) 午後 8:26 iruka 返信する

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irukaさん♪、普通の人形ではなく、普通の人間でもない、
まさに「心を持った人形」という存在を演じたペ・ドゥナの表情は、
素晴らしかったですね。
切なさと温かさのバランスも見事な作品だったと思います。

2009/10/29(木) 午前 0:47 ffa**77 返信する

ドゥナさん大好きのわたし、いそいそ名古屋まで出かけてしまいました(^.^)
すこし歯切れの悪いところがあったのが すこし心のこりで(^_^;)

2009/11/1(日) 午後 5:16 たんたん 返信する

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たんたんさ〜ん♪、好きな女優の映画を見るために遠方まで、あると思います。
ご指摘の通り、終盤の痛々しい展開の部分は微妙ではありますが、あれによって、
より心を持つことの切なさ、悲しみが強まったような気はします。

2009/11/1(日) 午後 11:31 ffa**77 返信する

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心があるということは結構しんどいんですね。心があるから、様々な痛みも生ずるのですね。
秀雄が、人間相手は面倒臭いというのが、少し解る気がします。
僕が生まれかわるなら、やはり犬になりたい。本能のままに生きていて、家族中から愛される犬になりたい♪(←また、さだまさしだよ)。
あ、犬にも心があるのかな?

2009/11/21(土) 午後 11:00 出木杉のびた 返信する

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のびた先生♪、普段当たり前に思っている心ですが、その面倒臭さが伝わってきましたね。
心が無かったら、もっとスムーズに進むことがたくさんあると思います。
犬ですか。さだまさしの歌のように、みんなから愛される犬になってください。
あ、彼らにも心はあるでしょう、たぶん。僕がお散歩犬とかをじろっと見ると、
彼らは、面倒くさそうに僕を見返す時がありますから(笑)。

2009/11/22(日) 午前 11:20 ffa**77 返信する

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心を持つことに喜び、苦しみそして「たった一度の人生」として生きる決断をした彼女は代用品なんかじゃなくたった一人の素敵な女性となりましたね。
TBさせてください。

2009/11/24(火) 午後 8:54 かず 返信する

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かずさん♪、心を持った人形の繊細な感情の変化を、ペ・ドゥナが素晴らしい演技で
見せてくれましたね。まさに人間以上に人間的でした。

2009/11/25(水) 午前 1:25 ffa**77 返信する

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空気人形はもう人形ではなくなって、心を持ってしまったことの喜びと苦しみを無機質な表情で表現するペ・ドゥナが素晴らしかったです。私から主演女優賞をあげたいほどです。お返しTBします。

2010/3/10(水) 午後 11:59 シーラカンス 返信する

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シーラカンスさん♪、心を持った人形という、これまでにないキャラクターを、
ペ・ドゥナは淡々と演じ切りましたね。彼女の演技は称賛に値します♪。

2010/3/11(木) 午前 0:52 ffa**77 返信する

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代用品としてさまざまな人が出てくるところは、
せっかくのファンタジーなのに
むりやり意味づけをしてしまったようで、
あんまり感心しなかったのですが、
ぺ・ドゥナの演技は素晴らしいの一言しかありません。
日本アカデミー賞主演女優賞は松たか子という強敵がいたために
とれませんでしたが、それに匹敵する活躍でしたよね。

2010/3/25(木) 午前 1:11 [ 鉄平ちゃん ] 返信する

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鉄平ちゃん♪、いろんな人が出てきましたね。空気人形は男のための代用品ですが、
人間もいろんな代用品が必要なんだということを訴えたかったのでしょうか。
人形から人間になった女性を演じたペ・ドゥナは素晴らしいのですが、
確かに日本アカデミー賞は敵が強すぎましたね♪。

2010/3/26(金) 午前 0:25 ffa**77 返信する

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やっと見ました。映画館でなくDVDでしたが、現代人のストレスが、冒頭のシーンからよく出ていました。TBさせてください。

2010/4/24(土) 午後 1:05 fpd 返信する

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fpdさん♪、現代人はいろんな形でストレスを抱えているので、
そのストレスの発散の仕方も、人それぞれでしたね♪。

2010/4/25(日) 午前 0:25 ffa**77 返信する

やっとDVD鑑賞です。
こんなラストが待っていようとは…後半1時間は苦しくて、切なくて〜。
オダジョーのあの言葉で癒されたものの、オダジョーが教えた燃えるゴミになっちゃうとは。。もう衝撃が大きすぎです。。
これはまさに映画ですね。すごい作品だと思いました。
TBしていきます〜。

2010/10/29(金) 午前 0:28 nami 返信する

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なみぺーさん♪、心を持ってしまった人形を演じたペ・ドゥナの演技も素晴らしく、
ストーリーも衝撃的で、映画というメディアでしかできないテーマを扱っていますよね♪。

2010/10/29(金) 午前 1:16 ffa**77 返信する

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