日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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告白

 
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母親としての執念の復讐劇か、教師生命を賭けた命の授業か、大人が見せる子供への言葉の暴力か、、、。
− 松たか子が見せる冷静沈着の中に潜む狂気の精神、木村佳乃が見せる盲信が生んだ心理の錯乱 −
 
春休みを控えた終業式の日、とある中学校の教室で、紙パックの牛乳を飲んでいる生徒たち。
そんな生徒たちに向かって、教壇で話をしている教師・森口悠子(松たか子)。しかし、
ほとんどの生徒は悠子の話を真剣に聞いていません。長期休暇を控えた生徒たちの気持ちは、
当然のことながら浮わついているようです。そんな生徒たちの態度を気にすることもなく、
いや、実際には気になっているのでしょうが、気にする素振りを見せることもなく、
ただ淡々と言葉を繰り出してくる悠子。「私は今月いっぱいで教師の仕事を辞めます、、、」と。
 
場面に応じて豊かな表情を見せるのも女優の魅力ですが、衝撃的な内容のセリフにもかかわらず、
ほとんど表情を変えずに語って見せるのも、女優としての実力が試されるシーンです。
この松たか子の話しっぷりは、その落ち着いた態度とは裏腹の、内面で震える怒りを感じさせるのです。
 
カメラは、ブレない悠子の表情をとらえながら、同時に各々の生徒たちのバラバラの態度や私語を、
交互に映し出していくのです。そして、最初はまったく聞く耳を持たなかった生徒たちの表情が、
一人、また一人と変わっていくのです。その変化を生徒たちの私語の内容で伝えるという演出、
雑音でしかなかった生徒たちの言葉が、やがて悠子の話に反応する言葉へと徐々に変わっていくのです。
 
あるタイミングで、悠子は「大事な話をします」と言い、黒板に大きく「命」と書きます。
その時、悠子はわざとチョークを黒板に強くこすりつけ、あのキィーッという不快な音を立てます。
さすがにこの音で、生徒たちの視線は、一気に黒板に向けられるのです。
 
注目を集めたこところで、悠子の話は、亡くなった娘・愛美に向けられます。告白の始まりです。
「警察は事故死と判断しました」
「愛美の死は、保護者としての私の責任です。でもこのまま終わりにはできない」
「愛美は、このクラスの生徒に殺されたんです」と。
 
さらに、「私は犯人の名前を公表する気はありません」と言いながらも、
「犯人Aは成績優秀で、、、犯人Bは部活動を辞めて塾に通い、、、」とだんだんと具体的になり、
やがて話は、愛美の死の真相の核心へと迫っていくのです。
「Aには殺意があった、でも殺せなかった。Bには殺意がなかった、でも殺してしまった」。
そして悠子の口から、恐ろしい言葉が飛び出します。
「二人(犯人Aと犯人B)が飲んだ牛乳に、あるものを混ぜておきました」と、、、。
 
この後、悠子の後任教師ウェルテル(岡田将生)の告白、犯人Bの母親(木村佳乃)の告白、
さらに犯人たちの告白と続き、何が少年たちを犯罪に至らしめたかが描かれていくのです。
 
クライマックスでは、携帯電話で、やはり冷静に告白を続ける悠子の姿がありました。
「法律(少年法)があなたを守るとしても、私はあなたを許しません」と、、、。
 
そして、「これが私の復讐です、ここからあなたの更生の第一歩が始まるんです」と言い切った後、
原作小説には存在しない意外なひと言が、悠子の口から出てきます。
まさにこの時、湊かなえ原作の「告白」という作品(小説)が、
中島哲也監督の「告白」という作品(映画)に生まれ変わったのです。
テーマとなった命にふさわしく、原作から新しい命が生まれた瞬間でした。
 
たったひと言が、日本映画史に残る傑作を誕生させる大きなひと言になったのです。
 
 

閉じる コメント(56)

やっぱり中島監督は、ただ者じゃないですねーーー(^^;

2010/7/5(月) 午後 6:04 kuu 返信する

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kuuさん♪、まさにその通りですね。
松たか子の代表作という前に、中島監督の最高傑作と言うべきですね♪。

2010/7/6(火) 午前 2:11 ffa**77 返信する

衝撃的で記憶に残る作品でしたが、まさかここまで毎週の1位を獲得するほどヒットするとは思わんかったなぁ〜〜
TBさせてね

2010/7/6(火) 午前 7:54 ハイダウェイ 返信する

原色の色が強いイメージの強い、中島作品ですが、今回は
一転してモノトーンな色使い、作品の内容にマッチしてましたね。
暴徒の授業シーンはグイグイ引き込まれました。

2010/7/7(水) 午後 2:15 [ ティルク ] 返信する

松たか子さんは良い演技を見せてくれたと思いますが内容自体は重苦しくいくら被害者とはいえとても賛同できるようなものではありませんでした。トラバ返しさせてくださいね。

2010/7/7(水) 午後 10:46 いっちー 返信する

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hideawayさん♪、映画のヒットの最大の要因は、前宣伝よりも口コミですから、
この映画を観た人が、とにかく凄いと口コミしていることで、ヒットが拡大してるんでしょうか♪。

2010/7/8(木) 午前 3:37 ffa**77 返信する

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ティルクさん♪、画面の色調が、もう何か不穏な雰囲気を最初から醸し出してましたね。
中島監督の従来の鮮やかな原色系画面とは異なり、冷たいモノトーンがストーリーにぴったり♪。

2010/7/8(木) 午前 3:43 ffa**77 返信する

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いっちーさん♪、事件の被害者の家族による復讐という意味では、重苦しい内容ですね。
にもかかわらず、この役を引き受けた松たか子の意欲を感じる演技でした♪。

2010/7/8(木) 午前 3:54 ffa**77 返信する

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この作品を見たあと、身体が恐怖で冷え切りました。恐怖映画より
怖かった。。。何が怖いって、現代の子供たちが一番怖い。
まあ、物語の中だけのこととして受け止めたいけど・・・・
小説もすごい人気ですが、あの恐怖がまた蘇ると思うと、躊躇
してます。。(^^ゞ
いずれにせよ、素晴らしい作品であったことは間違いないです。

2010/7/22(木) 午前 9:36 voyager 返信する

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voyagerさん♪♪、目に見える怖さではなく、精神的に訴えてくる怖さですよね。
なるほど教師の復讐劇に目がいってしまいますが、それ以前に中学生の犯罪は、
できれば小説やら映画の中だけにしてほしいですね♪。

2010/7/23(金) 午前 1:10 ffa**77 返信する

まともな人はいないの!?と思うくらい、みんな狂っていましたね…
観ていて心が苦しくなる一方で、この人たちはどうなるのだろうという興味を持ってしまった私は結局はこの作品に出てくる人々と変わらないのかも・・なんて、思ってしまいました。
TBこちらからもさせてくださいね。

2010/7/24(土) 午後 10:08 マミ 返信する

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マミさん♪、まさに狂気の連鎖空間にいると言えそうな、先生、生徒、親たちでしたね。
息苦しいストーリーなのですが、なかなかこういった作品には出会えないかもしれませんね♪。

2010/7/25(日) 午前 1:30 ffa**77 返信する

ラストの一言を予告で聞いてしまっていたのは残念でした^^;
鑑賞時に初めて聞けば、もっと衝撃の一言に聞こえたかもしれません…。
松さんの演技は素晴らしかったですね♪

トラバお願いします!!

2010/8/24(火) 午前 6:37 れじみ 返信する

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レジミさん♪、あのひと言を前もって知ってしまっていたとは、
確かに衝撃度合いダウンですね。いずれにせよ、この製作手法といい、
松たか子の演技といい、今年を代表する作品には違いありませんね♪。

2010/8/25(水) 午前 0:05 ffa**77 返信する

淡々とした感じが妙に惹きつけられてラストにはドキッとさせられ
あっという間の上映時間でした。
TBお返しさせてください。

2011/1/3(月) 午後 11:45 るぃ 返信する

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るぃさん♪、これは松たか子の語りっぷりと、その淡々とした演出も冴えていて、
スクリーンにひきつけられる作品でしたね。そして最後はあのひとことですから、
なんとも凄い映画でした♪。

2011/1/4(火) 午前 0:17 ffa**77 返信する

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あ、そうか。自分はまったく勘違いをしていました。「なんてね」なんですね。ありがとうございました。

2011/2/26(土) 午前 0:01 シーラカンス 返信する

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シーラカンスさん♪、僕も映画を観た後で原作を読みました。
映画での最後のこひとことが、森口悠子の語った言葉のどこにかかるのか、
これは観る人の判断にゆだねられる気もします♪。

2011/2/26(土) 午後 1:08 ffa**77 返信する

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原作を知らず、かつ「下妻物語」のすぐあとに見たので、かなりな衝撃でした。
Aにも母を想う気持ちがあったとわかったあたりから、心が重〜くなり・・。

観る者を驚かせ、震わせ、かつ忘れられない衝撃を残す_
これって映画としては大成功かも・・。
このままではちょっと悔しいので、
次は、面白い作り方だと思えるような見方をしてみたいです。

2011/9/5(月) 午前 1:33 maru 返信する

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maruさん♪、映画の衝撃度からすれば、大成功に違いありませんね。
ただ観る人によっては、maruさんのように心が重くなった人もいるはずです。
そんな影響を与えるのも映画の威力、と言えそうです♪。

2011/9/6(火) 午前 0:37 ffa**77 返信する

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