|
貧乏生活の中に、生きる希望がある。日常風景の中に、見守ってくれる妖怪がいる。
− 吹石一恵が見せるしかめっ面も、やがて夫を信じる笑顔に変わる時が来る − スクリーンに映し出されるノスタルジックな風景。昭和30年代のありふれた日常のようですが、
どうやらこの世界には、妖怪が住んでいるようです。でも決して怖い妖怪ではありません。 ホラー感覚ではなく、人間が妖怪と力を合わせて生きているような錯覚を思わせる映像マジックは、 まさにファンタジー感覚と言っていいでしょう。 主人公の布枝(吹石一恵)と、夫となった茂(宮藤官九郎)には、妖怪たちの姿は見えません。
しかしながら、すぐそばに妖怪がいるかのような、そんな現象が二人の周りで起こるのです。 それに気付いた布枝は、やがて茂と同様に妖怪の存在を信じるようになり、 と同時に、茂という人間を信じて、一生ついていこうという彼女の決心となるのです。 もちろん最後には、その信じる心が実り、二人してあるものが見える瞬間がやってきて、、、。 実家の仕事の手伝いをしている布枝に、お見合いの話がくるところから始まる物語。
「年明けには(布枝も)29だがい」と、母から見合い写真を渡される布枝。 この当時(昭和30年代)は、29歳と言うと結婚適齢期を過ぎている時代だったのでしょうか、 出会って5日後に、すぐに結婚となったようです。5日後ですから、相手がどんな性格なのか、 どういった生活状態なのか、そんなことなど詳しく知る暇もないままの結婚でした。 いくらお見合い結婚でも、交際もないまま結婚するなど、今では考えられませんが、、、。 とにかく布枝は、ほとんど何もわからないまま、島根から東京へと嫁いで来るのです。 ところが結婚早々、布枝は茂の貧乏生活ぶりに驚きます。しかも家に他人がいてびっくりする布枝に、
「二階、人に貸してるんですよ、金内(かねない)さんってい言うんです。本名かな?」と、 茂は自分で言いながら笑っています。案の定、金内さんからの家賃の支払いは滞っているようです。 家には食べ物もほとんどありません。「お米がなあみたいで」と茂におそるおそるたずねると、
お金をくれるどころか、聞いていたレコードを止め、いきなりレコードプレイヤーを持ち出すのです。 どうやら質屋に持っていくようですが、茂はまったく悪びれた素振りもなく、 「(質屋にたくさんの物を預けているが)質屋で物を流したことは一度もないです」と。 この言葉にはさすがの布枝もあきれ顔です。もちろん部屋の箪笥には、質札の山。 茂は、たまに入ってくる原稿料と、質屋から借りるお金、もらってくるパンの耳とか、 そんなものだけを頼りに、ぎりぎりの生活をしているようです。 茂の漫画がどの程度の人気があるのか知りたくて、布枝は貸し本屋にやってきます。
店主の口からは、「絵がかわいくねえと子供にはウケないんだよね、写実的なのはダメなんだよね」。 夫の漫画を否定しているものの、水木しげるという人物が描いている漫画の個性が伝わってくる、 そんな言葉と言えそうです。 ある日、そんな新婚生活に疲れた布枝は、家を飛び出します。落胆の気持ちで歩いていた布枝。
気がつくと、いつの間にか墓場にやってきていました。これも妖怪の仕業なのでしょうか。 映像の中には、茂や布枝には見えず、映画を観る者だけに見える妖怪がたくさん登場します。 しかし、映画を観る者にも見えない妖怪の存在を思わせるシーンが、ところどころに用意されています。 布枝を追って墓場に迎えにやってきた茂は言います。「貧乏は平気です。命までは取られませんけん」と。
戦争で最前線を経験し、左腕を失っている茂の言葉には説得力があります。 そして、その夜から布枝は、茂が描く漫画の手伝いをするようになるのです。
茂の気持ちのやさしさ、おおらかさ、そして好きな漫画だけを描き続けるひたむきな姿、 その人間性を見直し、貧乏でも常に前を向いて生きる茂の姿勢に、布枝は少しずつ惹かれていくのです。 そんな布枝の気持ちの変化を喜ぶかのように、漫画の紙面から鬼太郎の絵が動き始めるなど、 趣向を凝らした演出も随所にちりばめられています。 苦しい生活の中、やがて二人は赤ちゃんを授かります。しかし、生活状態は変わりません。
それでもお互いを支え合いながら必死に生きて、子育する二人に、 やっと貧乏生活から抜け出せる日がやってきそうな朗報が、、、。 結婚してから相手を知り、惚れ直し、そして二人の絆が強まっていく新婚の日々を描いたストーリーは、
宮藤官九郎の強いの個性と、吹石一恵の凛とした新妻像によって、好感の持てる作品に仕上がっています。 布枝の姉を演じた坂井真紀の、たまには茂にお灸をすえるようにと布枝に提案する妹想いの姉像も、
茂の母を演じた南果歩の、何があっても息子をお願いしますという姿勢を見せる息子想いの母親像も、 二人の夫婦生活を応援する優しさにあふれていました。 <映画の次回作情報> 坂井真紀
:犬とあなたの物語 いぬのえいが(長崎俊一 他 監督) 2011年1月22日公開 共演:大森南朋、松嶋菜々子、堀内敬子、中尾彬、内野聖陽、芦田愛菜、北乃きい 他 南果歩 :海炭市叙景(熊切和嘉監督) 12月18日公開 共演:谷村美月、竹原ピストル、加瀬亮、三浦誠己、山中崇、小林薫 他 :ジーン・ワルツ(大谷健太郎監督)
2011年2月5日公開 共演:菅野美穂、田辺誠一、大森南朋、片瀬那奈、風吹ジュン、浅丘ルリ子 他 :家族X(吉田光希監督)
2011年公開予定 共演:田口トモロヲ、郭智博、村上淳 他 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー





心温まるファンタジーなんですね♪
こういう人情ドラマに妖怪を登場させるのは面白いかも^^
ドラマは未見なんですけど、一味違った面白さがありそうです(*´∀`)
2010/12/5(日) 午前 7:28
ゲゲゲの女房。
NHKの連ドラだとばかり思っていたら、映画化されていたんですね。
しかも配役が濃ゆい。
2010/12/5(日) 午前 10:31
れじみさん♪、ファンタジー感覚で妖怪が登場し、
ファンタジーの要素が調所に盛り込まれてはいるものの、
作品としては、「心温まるあたたまる夫婦の物語」と呼ぶ方が似合いそうです♪。
2010/12/5(日) 午前 10:39
はじめのいっぽんさん♪、ゲゲゲ〜は連ドラで有名になりましたが、
映画化もドラマの企画と同時にスタートしたとチラシに書いてありました。
クドカンというだけで、一気に濃くなりますね(笑)♪。
2010/12/5(日) 午前 10:42
高校生2人で観に行きました^^←
とってもあたたかくて良い映画でした〜。。
クドカンも吹石さんも素敵でしたw
2010/12/5(日) 午後 10:57
コバさん♪、どちらかと言えば地味な大人の映画だと思いますが、
高校生なんですか?若い世代にも受け入れられるのは、
製作サイドとしても嬉しいことだと思います♪。
2010/12/6(月) 午前 2:38
吹石さんの「こんなはずでは・・・」顔が良かったですね。
貸本屋で本を移動させようというところは、わかりますねえ。
いい映画ですねえ。
トラックバックのお返しをさせてください。
2010/12/7(火) 午前 2:32 [ てるてる ]
てるてる先生♪、相変わらず夜更かしさんですね(←自分を棚に上げてます)。
吹石一恵の忍耐の表情も冴えてましたね♪。
2010/12/7(火) 午前 2:38
ファンポチありがとうございました^^
ゲゲゲにとらわれず、映画は全般的に好きなのでまた遊びに来ます♪
トラバ返しですっ。
2010/12/8(水) 午後 9:56
コバさん♪、トラバ返しありがとうございます。
これからもよろしくです♪。
2010/12/9(木) 午前 1:01
いきものがかりが主題歌を担当しているということもあり
ずっと気になっている作品なのですが、
観れずにテレビの放送が終了してしまいました。。。
キャストも魅力的ですね♪
2010/12/24(金) 午後 6:21 [ HIRO ]
HIROさん♪、今年はゲゲゲが大ブームでしたね。
DVDになったら、映画版、観てみてください♪。
2010/12/25(土) 午前 1:23
アニメーション、良い感じでした。
キャストも魅力的で良かったですね^^
トラバ、お返しさせて下さいね!
2011/1/9(日) 午後 8:30
くるみさん♪、紙上の妖怪が動き出したり、夫婦には見えない妖怪が出てきたり、
ともに効果的な演出でしたね。夫婦を演じた二人もぴったりでした♪。
2011/1/10(月) 午前 0:35
坂井真紀、今回はしっかり分かりましたよ。中谷美紀と間違うなんて信じられませんねぇ(←いやいや間違えたから)。
徐々に本当の夫婦になっていく様子が、とても良かったです。
貧乏では命までとられないと言ってましたが、餓死してしまった若者がいましたねぇ。
僕も貧乏ですから、これからは近所の草でも食べようかな。
2011/1/16(日) 午後 11:00
のびた先生♪、そら間違うわけないですよね、ぜんぜん違うんですから、
「紀」しか合ってないんですから(笑)。
夫を信じてついていく妻の姿は立派でした。吹石一恵の好演でしたね。
あ、草を食べるくらいなら、映画を減らしてください(笑)♪。
2011/1/17(月) 午前 0:15
しげるの生き方、筋が通っていましたね。
2011/4/27(水) 午後 8:19
もっさん♪、漫画に筋があるように、
しげるはその生き方にも、一本筋が通ってましたね♪。
2011/4/27(水) 午後 10:33
きちんと、昭和を描けている点が良かったですね。
吹石は、アイドル系の女優だったのですが、この映画ではしっかりと女優になっていますね。
TBします。
2012/4/30(月) 午後 10:42 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃん2001さん♪、グラビアアイドルからの転身ですね。
ドラマ版も良かったですが、映画版の夫婦も昭和の雰囲気ばっちりでしたね♪。
2012/5/1(火) 午前 2:08