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絶体絶命の土壇場で久美の心を動かしたのは、亡き父の最期の言葉と、三歩が出したクイズの答か。
− 長澤まさみ、目を閉じたままの精いっぱいの笑顔に、安堵と感謝の気持ちをしっかりにじませる − 雲よりも高いところに突き出した北アルプスの山々。その頂上付近を空撮でとらえた映像は、
青い空と白い雪のコントラストも美しく、主人公・三歩(小栗旬)の言葉を借りれば、 まさに大自然の雄麗さが、「ガンガン」と伝わってくるオープニングです。 冒頭、晴天の雪山を一人で登っていた青年(尾上寛之)が足を滑らせ、クレバスに落ちてしまいます。
山岳遭難救助隊に、その救助要請連絡が入るのですが、一刻を争うような状況にもかかわらず、 すぐに現場に向かえないような条件が重なってしまい、困惑する隊員たち。そんな時、 隊長の野田(佐々木蔵之介)が力強く言葉を発します。「いる。三歩がいる」と。 三歩は山岳ボランティアということですが、山頂近くにテントを張り、のんびりとコーヒーを飲んでいる。
まさにこの土地に暮らしているような生活感さえ漂い、救助隊の緊張感とは正反対の登場シーンです。
しかも隊長からの無線連絡を受けた三歩は、人命救助といっても、それほど焦ることもなく、 どちらかと言えば嬉しそうな表情さえ見せながら、「行ってくる」と答えるのです。 ちょっとそこまで散歩に行くような感覚ですが、それが三歩の山との付き合い方だと次第にわかってきます。 救助現場へ向かう最中も、まるで雪山そのものを楽しんでいるようで、たとえば幼い子供が、
珍しく降った雪に喜んで外を走り回っているように、笑顔で現場へと走っていくのです。 小栗旬が見せる子供のような無邪気な表情からは、三歩が何よりも山が好きだと伝わってきます。 一方、その救助要請が入ったころ、新米隊員の椎名久美(長澤まさみ)が救助隊にやってきます。
翌日から勤務することになっていた久美は、挨拶だけのつもりが、慌ただしい状況に巻き込まれ、 野田や隊員の阿久津(石田卓也)と共に、ヘリでその現場に向かうことになります。 ヘリの機長の牧(渡部篤郎)は、「また山をナメた登山者じゃないだろうな!」と呆れたような口調で、
厳しい人物に見えますが、いざという時、牧はいつも三歩や救助隊の頼れる味方です。
時に非情とさえ思えるほどの言動を見せますが、すべては人命救助のため、
と同時に被害を最小限に抑えるための、彼なりの信念だったのです。
しかし終盤、誰よりも山の空気を熟知した牧でさえ、久美の行動に驚く瞬間がやってこようとは、、、。 さて、そのクレバスに落ちた青年はギリギリのところで救助されます。その死に直面した青年に、
三歩は明るく声をかけます。「ありがとう、感動した!、生きてた君に。また山においでよ!」と。 登山中のちょっとした油断が招いた大事故を注意されるでもなく、危険を冒して助けてくれた三歩から、 笑顔でまた山においでよと意外な言葉をかけられた青年。普通なら危険な目に遭って、 もう山には行きたくないと思いそうですが、三歩のおかげで、彼は山嫌いにはならなかったようです。 メインタイトル前に、こんな救出劇が繰り広げられるのですが、波乱の初日を経験した久美は、その後、
さまざまな場面で山の脅威を体感し、救助の難しさや辛さを味わい、悲しい場面にも遭遇するのです。 それでも三歩からいろんなアドバイスも受け、自らも経験を積み、人間的にも成長していきます。 ある日、久美が幼い頃に亡くした父親のことを三歩に話す場面があるのですが、その父親の言葉こそ、
クライマックスの救出劇で、久美の心と体を大きく動かし、悲痛な決断を下すことになり、、、。 また、その救出劇に力を貸すべく飛び出そうとする阿久津を、野田隊長は力づくで制止します。
納得のいかない阿久津は、「命を惜しんで何が救助隊ですか!このまま見捨てろって言うんですか!!」と、 野田に盾を突きますが、「これ以上、犠牲者は出せない!」と、野田は阿久津を殴り倒すのです。 しかし、野田が尊敬する三歩の父親の経験こそが、野田の決断をゆるぎないものにしていたのです。
果たして救出劇は、久美の苦渋の決断と、野田の隊長らしい決断に加え、三歩の普段通りの落ち着いた、
それでいて積極的な行動が、「よく頑張った!」という、三歩のこれまた口ぐせの言葉につながるのです。 山でどんな危険な目に遭っても笑顔を絶やさない三歩が、一度でも山に来た人間に必ずかける言葉。
「また山においでよ」。その言葉を誰もが素直に受け入れたくなるような小栗旬の笑顔と、 北アルプスの山々の美しさが、スクリーンからあふれる作品に仕上がっています。 <映画の次回作情報> 長澤まさみ
:奇跡(是枝裕和監督) 6月11日公開 共演:前田航基、前田旺志郎、オダギリジョー、夏川結衣、阿部寛、大塚寧々、原田芳雄 他 :コクリコ坂から(宮崎吾朗監督)
7月16日公開 共演(声の出演):岡田准一、竹下景子、石田ゆり子、風吹ジュン、内藤剛志、香川照之 他 中越典子
:劇場版サラリーマンNEO(吉田照幸監督)
11月3日公開 共演:小池徹平、生瀬勝久、沢村一樹 他
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コミック版は面白いんだろうなぁ〜って
そんな事ばかり考えながら観てしまいました。
ふぁろうさんのレビューを読ませてもらって
ちょっと反省中!
「サラリーマンNEO」の映画化、楽しみ半分、不安半分…
2011/5/18(水) 午後 11:28 [ ほし★ママ ]
花子さん♪、それぞれの登場人物の過去に、山につながる人間関係があって、
たとえば久美の父親とか、三歩の父親の話とかが、人間ドラマを、
より深いものにしてくれたと思います♪。
2011/5/18(水) 午後 11:30
のびた先生♪、その通りです、三歩が散歩するような雰囲気だったので(汗)。
長澤まさみは頑張ってましたが、生命の危機にさらされているシーンで、
彼女の胸を気にするとは、すでに批判的な見方になっちゃってますねぇ(笑)♪。
2011/5/18(水) 午後 11:40
ほし☆ママさん♪♪、僕は原作を読まないことが多いのでわかりませんが、、
映像と紙という、媒体からして異なるので、基本的に比較はしません。
どちらもそれぞれに楽しむのがいいと思います♪。
サラリーマンNEOどうでしょうね。ドラマはたまにしか見ないのですが、
中越典子や堀内敬子は好きな女優なので、映画版は必ず観ますよ♪。
2011/5/19(木) 午前 0:02
もうこれは、クミちゃんの成長物語の映画でしたね!
彼女のがんばりがすばらしかったです。
たくましかった〜。演じた長澤まさみがすばらしい!
感動しました!!
ロケーションもすばらしく、リアル三歩の姿をスクリーンでみられてうれしかったです!
2011/5/20(金) 午前 8:05
原作は読んでいないですけど、
単純にこの作品のみでの感想なんですけど、
映像としては北アルプスの雄大な景色に満足できますし、
その景色とは対照的に山岳救助の現実や生死に関しての表現が
上手く描かれていたなと思える作品でした!
2011/5/20(金) 午後 11:39
irukaさん♪、山の厳しさを体感した久美でしたが、山岳救助のルールとか、
僕らも知らないことも、いろいろ勉強になりましたね。久美の勇気ある行動は、
時に無謀とも思えますが、若い時だから許されますね。
失敗を積むほどに成長するものですから、まさに久美の行動のひとつひとつが
確実に彼女の成長につながりましたね♪。
2011/5/20(金) 午後 11:45
kenさん♪、北アルプスは、まさに映像では雄大で美しいですが、
雪山に挑むとなると、やはりその厳しさが伝わってくる作品でしたね。
映像にもキャラの性格にも、いろんなコントラストが見られましたね♪。
2011/5/21(土) 午前 0:12
この映画気になってます!
海猿の山バージョンみたいな山のスペシャリストの物語ですよね。
出演者も魅力的なメンバーなので観たいです★
2011/5/25(水) 午後 3:47 [ HIRO ]
HIROさん♪、力の入る救出劇という意味では、海猿の山バージョンですね。
役者の好き嫌いはあるかもしれませんが、うまくまとまった作品だと思います♪。
2011/5/25(水) 午後 11:35
予想してたのより断然いい映画でした。。
やっぱり山を舞台にした映画は映像がとにかく素晴らしい!役者も生き生きとしている!
反面、山の厳しさも痛感しますね〜。
エピソードがそれぞれよかったです。。
TBさせて下さいね。
2011/5/26(木) 午後 11:36
なみぺーさん♪♪、僕も小栗旬と長澤まさみで、青春映画っぽく予想してたんですが、
本格的な山岳救助映画でしたね。山の風景も、救助隊員たちの心の葛藤も、
そして彼らにまつわる過去もうまく織り込まれて、いい作品に仕上がってましたね♪。
2011/5/27(金) 午前 0:22
見る前は、そんなに期待してなかったんですけど、意外に良かった
作品です。オープニングシーンでの、三歩のキャラクター紹介に
時間をかけて丁寧に作ってたシーンも、良かったです。
2011/6/2(木) 午後 7:04 [ ティルク ]
ティルクさん♪、意外と言っては製作陣に申し訳ないですが(汗)、
いい映画でしたよね。山岳救助だけでなく、登場人物の過去の山とのつながりも、
いろいろ工夫が凝らされた描き方だと思いました♪。
2011/6/3(金) 午前 0:24
小栗旬の最高傑作という感じの作品でした。
彼は寡黙な雰囲気の役が多いですが、これと「キサラギ」だけは別物です。
彼の満面の笑顔がこの作品と登山というスポーツを暗くせずに
すんでいる大きな要因ですね。
長澤まさみもよいです。この作品で髪を切って一皮向けた感があります。
今後も期待できる女優さんに成長していくこと間違いなしという感じでした。
山と人の素晴らしさ、そして厳しさを感じる作品でしたね!
2011/8/11(木) 午前 0:29
エルザさん♪、常に前向きで笑顔を絶やさないキャラを、小栗旬が好演してましたね。
ストーリーは辛いシーンもたくさんあって、山の厳しさも伝わってきましたが、
暗くならない仕上がりに好感が持てましたね♪。
2011/8/11(木) 午後 11:11
もぅ少しCGが少ないとよかったなぁ・・・と言うのが本音ですが。
三歩の人間性がすごく好きだし、それを小栗くんが演じきってましたねぇ〜
彼の今まで見たことのない表情が沢山、新境地でしたね。
TBお返しさせてください。
2011/9/21(水) 午後 3:23
るぃさん♪、本当に山を好きだという小栗旬演じる三歩の笑顔が良かったですね。
山の美しさ、厳しさにも目を向けたシナリオだったので、ある程度のCGは許せるかな♪。
2011/9/22(木) 午前 1:04
自然の厳しさを見せてもらいました。。。
でも雪山々のシーンは美しいんですよね〜
本当に自然って不思議だなぁ〜って思います!!
いつか富士山くらいなら登山してみたいですね★
2011/11/24(木) 午後 8:31 [ HIRO ]
HIROさん♪、美しい雪山ですが、その裏には大自然の脅威がありますね。
その厳しさを訴えてくる映画でもありましたね♪。
2011/11/25(金) 午前 0:26