|
日本が大きく変わりつつある時代を生きるヒロインを包み込むノスタルジックな世界観。
− 長澤まさみ、憧れのジブリアニメのアフレコ初挑戦は、ありのままに爽やかに − 港を見下ろす小高い丘の上に建つ古い洋館。ここに住んでいる松崎海(長澤まさみ)の朝は、
庭で信号旗を上げることから始まります。特に誰か決まった人に見てほしいというものではなく、 すべての船の安全な航行を祈るものでした。そして朝食の支度に取り掛かるのですが、 この建物にはコクリコ荘という看板が掲げられていて、何人かの女性が下宿しているようです。 通学前に下宿人たちの朝食を用意し、自分や弟の弁当も作って、帰宅後には夕食の準備もする海。
とても真面目できっちりした性格、そして働き者といったイメージの主人公登場シーンです。 海(=メルとも呼ばれています)の家族は、妹の空と弟の陸、そして祖母(竹下景子)。
みんな下宿人たちと一緒に食卓を囲みます。その賑やかな食事風景からもわかるように、 海は、家族からも下宿人たちからも慕われ、信頼されているようです。 ただ母親(風吹ジュン)は長く出かけていて、父親も亡くなっているので、 明るい性格に見えるものの、時として海の表情には寂しさが見え隠れします。 そんな海の日常に、ちょっとした変化が訪れるのは、海の通う高校で発行されている新聞に、
「旗を上げる少女」の記事が載ったことでした。ちょうどその頃、その新聞部の部室のある建物が、 取り壊しの危機に直面していました。そこはカルチェラタンと言う名で生徒たちに親しまれ、 いわゆる文科系の部室が集まった古い建物なのですが、その建物の取り壊しに反対する生徒たちが、 何度となく決起集会を開いていたのです。 その中心人物が、新聞部の部長の風間俊(岡田准一)と、風間の親友の水沼史郎(風間俊介)です。
ある出来事があって、海は妹の空と二人で初めてカルチェラタンに入り、風間の部室を訪ねます。 カルチェラタンの散らかりようはひどいもので、とても女性が入れるような雰囲気ではありません。 女性ばかりに囲まれて生活している海や空にとって、男ばかりのカルチェラタンは、もはや別世界。 しかし思い切って入ったその日から、海は風間の新聞発行の手伝いをするようになり、、、。 この作品の舞台は1963年の横浜。今や繁華街の入口でもある桜木町駅や、観光スポットの山下公園、
氷川丸など、横浜を知る人には馴染みのあるスポットも出てきます。コクリコ荘の庭からは、 眼下に広がる横浜港近くの海をゆっくりと行き交う大小の船を見下ろすことができ、 横浜市内には、まだ市電(路面電車)が走っています。翌年には東京オリンピックの開催を控え、 海たちが学校をエスケープして出かけて行く東京では、高速道路などの建設ラッシュのようです。 終戦から18年。まさに日本が大きく変わろうとする時代に生きる二人の高校生、海と風間。
そんな二人の、少しずつ相手を意識する関係性をストーリーの中心に据えながら、そこに、 過去の出来事(海の父親の死や、風間の出生の秘密など)を絡めつつ、物語は展開していきます。 この時代に高校生という年頃の子供を持つ親の世代は、当然のことながら太平洋戦争を経験しています。
本作では、直接的に太平洋戦争の話は出てきませんが、その敗戦の影響が間接的に関わってきます。 1950年に始まった朝鮮戦争です。当時、GHQの占領下(1945〜52年)にあった日本では、 多くの主要な港がアメリカに接収されていましたが、日本各地の港から、日本人乗組員を乗せて、 朝鮮半島へ向けてLST(アメリカの戦車揚陸艦)が派遣されていたのです。 日本の玄関口だった横浜港からも、海の父親がLTSで出航しました。ところが北朝鮮軍の攻撃を受け、
それによって父親が亡くなってしまったという過去の真実が、海の運命を少なからず左右するのです。 歴史の陰に隠れてあまり知られていませんが、こんな形でも日本の敗戦の余波があったことを、
映画はさりげなく伝えます。おそらく地元では、LSTによる犠牲者を悼む声も大きかったのでしょう。 カルチェラタン取り壊しか、それとも存続かの大きな鍵を握っていた理事長(香川照之)の気持ちを、 最後に動かしたのは、海の父親の死にまつわる話を理事長が聞いたことだったのですから、、、。 この映画の予告編を知る人には、坂道での風間の海への告白の真相を確かめるための本編鑑賞、
という見方もできそうですが、いずれにせよ風間が語った海との関係、そのちょっと複雑な事情には、 海の父親たち船乗り仲間三人の固い友情と、港町横浜が大きく関わっていたことは間違いありません。 1960年代をまっすぐに生きる高校生の繊細な心情と大胆な行動を描いたノスタルジックなアニメには、
青春映画ならではのほのかな恋心はもちろん、家族の絆もしっかりと刻まれていました。 <映画の次回作情報> 長澤まさみ
:モテキ(大根仁監督) 9月23日公開 共演:森山未來、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、新井浩文、リリー・フランキー 他 風吹ジュン :うさぎドロップ(SABU監督) 8月20日公開 共演:松山ケンイチ、香里奈、芦田愛菜、桐谷美玲、キタキマユ、池脇千鶴、中村梅雀 他 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー






とても いい映画でしたが(^_^.)
いまひとつ 期待以上のものが、期待が大きすぎたせいか、すこしビミョウな作品に。
駿監督で しつこくやってほしかったようにも(^_^.)
2011/7/24(日) 午前 9:29
たんたん先生♪♪、描かれた時代的にも駿監督の方が合ってたのかもしれません。
ジブリ作品には、どうしても期待が大きくなるので、作る方もたいへんだと思いますね♪。
2011/7/24(日) 午後 0:36
これはDVDになりそうです。。
次のジブリはいつかな〜!
2011/7/24(日) 午後 11:56
かずさん♪、映像も楽しみな(作る方はたいへんでしょうが)ファンタジーではなく、
現実的なストーリーですからね。どちらかと言えば大人向けノスタルジーなので、
劇場でも、これまでのジブリ作品のように観客が伸びるかは未知数ですね♪。
2011/7/25(月) 午前 0:35
見やすい内容になっていましたね。
原作が少女マンガだということを知らずに鑑賞をしたのですが、
後で知って驚きました!
子供向けではなく大人向けなテイスト。
お子さんはちょっとガッカリしちゃうかな(笑)
2011/7/25(月) 午後 9:35
kenさん♪、原作が少女漫画にしては、内容は大人向けですよね。
子供にはついてこれないかもしれませんが、主人公と同じ高校生以上の世代が、
ターゲットというところでしょうか♪。
2011/7/25(月) 午後 11:01
悪くはないのだけれど、物足りない感はある映画でしたね。
今回の内容だったら、夏では秋くらいの時期がピッタリ様な気がしましたが。ジブリ作品は、声優が合ってないって感じることが、ありますが、今回はハマってましたね。
2011/8/2(火) 午後 7:08 [ ティルク ]
ティルクさん♪、ファンタジーじゃない分、映像的にもふくらみが少なかったでしょうか。
長澤まさみを含め、声優陣は良かったんですけどね。
そういえば映画の公開には、季節感も大事ですね♪。
2011/8/2(火) 午後 10:28
メインは清々しい青春モノですが、背景がしっかりと
描かれていて厚みがありました。
朝鮮戦争でこんなことがあったなんて知らなくて・・(恥)
全体にオトナも子供も楽しめるよう出来ていていいですよね〜
TBさせてくださいね。
2011/8/2(火) 午後 11:39
Cartoucheさん♪、奥深い背景があるので、うわっつらだけの青春ではなく、
戦争が落とした影、なんかもかかわってきましたね。
今回はやや大人サイドに寄ったノスタルジックなストーリーでしたが、
ここに描かれた当時の日本を知ることができる作品でもありましたね♪。
2011/8/3(水) 午前 0:47
これもね…好きな展開で、気分よく観られて…いい映画でした!
戦争の余波もさりげなく取り込み、おしつけがましくない構成v
ぁ、私TV予告編のあのセリフと主題歌で観たいと思ったデス(^^ゞ(^^ゞ
いや〜ラストが良かったですよ〜気分良かったです♪
TB下さり、有難うございました〜お返しさせて下さいね〜<(_ _)>
2011/8/5(金) 午後 11:43
フェイさん♪♪、作品全体を包みこむソフトな雰囲気がよかったですね。
すべてがさりげなくて、ボイスキャストもぴったりで、エンディングもよかったです。
ノスタルジックなジブリ作品でしたね♪。
2011/8/6(土) 午前 0:00
評判いいですね〜観たいです。
2011/8/6(土) 午前 11:04 [ きらきらくん ]
くろさわさん♪、ファンタジーではなく、主人公が高校生の青春映画なので、
あまり小さいお子様向けではないですが、従来のジブリとは、また違った魅力です♪。
2011/8/6(土) 午後 11:45
今回、声優あってましたね!
横浜の暗くなってからのシーンが好きです。
お母さんが何でいないのかが、最初よくわかんなかったです。
ああいうオシャレな街に住んで恋をしてみたかった 笑
TBさせてくださいね!
2011/8/24(水) 午後 8:40
irukaさん♪、おしゃれな街の横浜が、ノスタルジックな雰囲気にぴったりでしたね。
声優陣もみなやさしい声で、全体的に落ち着いた流れでした。
青春映画としての魅力あふれる作品でしたね♪。
2011/8/25(木) 午前 0:45
当時をよく知る人にとっては尚更様々な思いが工作したことと思います。
ジブリ最新作、ゲド戦記ではイマイチ感が強かった宮崎吾朗監督ですが、
こちらは格段によくなっています。
下手にファンタジーを意識して作るよりも自分の感性、感覚を
活かせる背景世界の作品のほうがよかったかな?などと思いつつ。
いかにしても素晴らしい作品であったと思います。
音楽も久石譲から一転して明るく楽しいジャジイなナンバーも揃え、
長澤まさみの吹替えにもなかなか感心した次第。
よい作品に出会えました。
2011/10/12(水) 午後 11:13
エルザさん♪、ファンタジーとは違った魅力もあふれる作品だったので、
今後のジブリは、こういった作品もあるのかなと思わせる一本でしたね。
音楽や、長澤まさみのボイスキャストもよかったと思います♪。
2011/10/13(木) 午前 0:40
いつもコメントありがとうございます。
TBお返しさせて下さい。
2011/12/14(水) 午後 2:54
るぃさん♪♪、こちらこそいつもトラバありがとうございます♪。
2011/12/15(木) 午前 0:42