日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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日輪の遺産

 
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老婦人が語り継ぎたかったのは悲痛なる体験ではなく、祖国を想う少女たちの純粋な心。
− 秘密の呪縛から解き放たれ、肩の荷が降りた八千草薫の表情に垣間見える戦争体験 −
 
この秘密は墓場にまで持って行くなどという言葉がありますが、誰にでも他人に打ち明けたくない、
いや、話すことが許されない秘密が、一つや二つはあるのではないでしょうか。
たとえば若い頃の恥ずかしい体験とか、精神的な未熟さゆえのちょっとした悪事とか、、、。
いくら時間が経っていても、身内にさえ語りたくないような経験があったりするものです。
 
主人公であり、現代から戦時中を語る役割を担う久枝(八千草薫)は、太平洋戦争の敗戦前夜、
ある女学校の級長だった時期に、衝撃的すぎる現実を目の当たりにします。
もちろんそのシーンが登場するのは映画の終盤ですが、その体験を誰にも語ることなく、
戦後約65年もの間、秘密として頑なに守り通すのです。
 
しかしながら、共に秘密を守り通してきた夫の庄造(八名信夫)の死をきっかけに、年老いた久枝が、
孫娘の涼子(麻生久美子)らに、その秘密を打ち明け、壮絶なる体験を語り伝えるという形で、
ストーリーは展開していきます。半世紀以上に渡って久枝夫婦が過去を封印した理由は何なのか。
その秘密には、どんな真実が隠されていたのか、そしてなぜ今、その秘密を語るのか、、、。
 
涼子が務める森脇学園に建てられた石碑。そこに刻まれた名前を見つめながら、久枝はつぶやきます。
「この碑を見るたびに、自分だけ仲間はずれになった気がします」と。そう語る理由とは。
そして夫との間には過去に何があったのか。そんな興味をそそる導入部分から、時代は過去に遡ります。
 
昭和20年の8月、長く続いた太平洋戦争も、日本軍の敗戦が濃厚となった時期。
近衛第一師団の真柴少佐(堺雅人)と東部軍経理部の小泉中尉(福士誠治)は軍の幹部に呼び出され、
極秘命令を受けます。「マッカーサーが蓄えた財宝を隠匿してほしいのだ」と。
しかも「(細かい)命令は逐次与える。実行した後は焼却せよ」とまで命ぜられるのです。
なぜそこまでして軍は命令の内容を隠そうとするのか。そこにはやがて、真柴と小泉、
そしてこの二人と行動を共にすることになった座間501連隊の望月曹長(中村獅童)でさえ、
驚愕を隠せないような指令が待っているのです。
 
さて、その財宝隠匿の実行役となったのが、学徒動員された森脇女学校の20名の女生徒たちと、
担当教師の野口(ユースケ・サンタマリア)でした。幼き日の久枝(森迫永依)は、
集められた女生徒たちのクラスの級長でした。ところが命令も完了しようとしたまさにその頃、
少女たちは、真柴、小泉、望月、そして野口と共に玉音放送を聴く日を迎えることになるのです。
 
ところが、久枝の級友のスーちゃん(土屋太鳳)の日本に対する純粋な想いが、
事態を意外な方向へと導くことになるのです。そこで久枝が目の当たりにする衝撃の現実。
そしてその瞬間、久枝の身にも危険が迫るのですが、その時、野口の言葉が久枝を救うのです。
「久枝は頭の良い子です。ちゃんとわかっていますから」と。久枝も野口先生の気持ちに応えます。
「隊長さんが、もういいとおっしゃるまで、(この秘密を)忘れています」と。
 
そして物語は、ある場所が現代と過去につながり、真柴を知る元在日米軍のタカハシ(ミッキー・カーチス)と、
スーちゃんと、そして久枝が、一冊の文庫本でつながるクライマックスを迎えるのです。
 
時として映画の語り部が変わり、視点のぶれが若干気にはなるものの、
何の罪もない民間人が犠牲になる戦争の不条理をしっかりと描いたこの作品は、
非情な命令を下した軍の幹部だけが悪いのではなく、上官たちもまた戦争の犠牲者であり、
すべては時代が悪いのだと、戦争が悪いのだと、改めて訴えかけてくる映画に仕上がっています。
 
映画の序盤、望月曹長が真柴と小泉に対して、自らの考えを口にする場面があります。
「自分の死が無駄でないという大義名分があれば、けっこう楽に死ねるものであります」と。
こんな言葉が当たり前のように出てくる。それがこの時代の日本人の考え方だったのですから、、、。
 

<映画の次回作情報>
 
麻生久美子
:モテキ(大根仁監督)
9月23日公開   共演:森山未來、長澤まさみ、仲里依紗、真木よう子、新井浩文 金子ノブアキ 他
 
:宇宙兄弟(森義隆監督)
2012年春公開   共演:小栗旬、岡田将生、堤真一、井上芳雄、新井浩文、濱田岳、塩見三省 他
 
:ガール(深川栄洋監督)
2012年初夏公開  共演:香里奈、吉瀬美智子、板谷由夏、上地雄輔、林遣都、向井理、檀れい 他
 

閉じる コメント(27)

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のびた先生♪、序盤から泣きながら観ていたとおっしゃる割には、
手厳しいレビューでしたねぇ(笑)。やはり映画は最後が肝心ということですね。
彼女たちの行動は、一人の少女の責任ではなく、時代の責任ということですね♪。

2011/9/13(火) 午前 0:10 ffa**77

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fpdさん♪、この映画では、麻生久美子はそれほど出番が多いわけではないのですが、
作品そのものから得るものがあるかと思います。ぜひご覧ください♪。

2011/9/13(火) 午前 0:14 ffa**77

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ミニドラゴンさん♪、少女たちの決断は想像を絶するもので、衝撃的でしたが、
彼女たちの日本を想う気持ちがしっかりと伝わってくる映画でしたね♪。

2011/9/13(火) 午前 0:24 ffa**77

苦手な終戦記念物ですが、けっこう興味深く見ることができました。
実写版チビまる子ちゃんも、しっかり女優として育ってますねぇ〜〜
意外と八千草薫に似てるじゃん!って思ったり^^
TBさせてね(。・ω・)ノ゙

2011/9/13(火) 午前 10:02 ハイダウェイ

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私も望月曹長の言葉が けっこう残っています。
この時代を 表していますよね。
3人+先生が それぞれとっても素敵な男性でした。
もう少し戦争が早く終わっていれば… って思わずにはいられませんね。

2011/9/13(火) 午後 8:55 [ 花子 ]

戦争に翻弄される運命…少女たちの健気さに泣きましたが…
創作とはいえ、リアルに感じられ惹き込まれました。。
堺さんも福士君も、もちろん良かったですが、獅童さん、素晴らしかった^^;

辛いんですが、麻生さんに赤ちゃんが出来る…明るいラストに救われました!
平和が一番ですねvTB有難うございました。お返しさせて下さいね♪

2011/9/14(水) 午前 0:23 ふぇい

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hideawayさん♪、森迫永依は、現代の語り部にふさわしい、
芯の強い久枝の少女時代を好演でしたね♪。

2011/9/14(水) 午前 0:40 ffa**77

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花子さん♪、三人の軍人も先生も、時代に翻弄されながらも、
自らの意志を貫こうとした、立派な男でしたね。
まさに戦争が長引いたことが、多くの民間人を犠牲にしたのは疑いようがありません♪。

2011/9/14(水) 午前 0:42 ffa**77

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鍵コメさん♪、お忙しいところ、コメント、トラバいただき、
ありがとうございます♪。

2011/9/14(水) 午前 0:43 ffa**77

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フェイさん♪、戦争はいろんな場面で少女たちをも犠牲にしたので、
今回の大胆な設定も、妙に説得力を感じてしまいます。
あの少女たちの国家を想う気持ちは、孫からひ孫へも、受け継がれていくでしょうね♪。

2011/9/14(水) 午前 0:50 ffa**77

>ふぁろうさん
架空の話しながら戦争映画に良くある悲しい出来事には思わず涙が出てきました。キャストもうまくはまっていたしなかなかの作品だとは思いました。トラバ返しさせてくださいね。

2011/9/14(水) 午後 8:20 いっちー

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いっちーさん♪、戦争がもたらした悲劇の一つに、
何の罪もない少女たちが犠牲になるという現実がいろんなところにありましたが、
この作品も、そんな悲しいテーマをフィクションとして取り入れていましたね♪。

2011/9/15(木) 午前 0:16 ffa**77

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架空のお話ではあるけど、
あの財宝、あのまま眠らせておくのはもったいない。
今こそ、東北三県の震災復興に使うべきです(笑)。
TBさせてもらいました。

2011/9/17(土) 午後 1:40 ぴくちゃあ

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ぴくちゃあさん♪、あんな巨額の財宝が本当に実在していたなら、
そしてそれが使われていたなら、日本はどうなっていたでしょうか。
おそらく、そんなものがあってもなくても、日本は復興できた、
というのが一つのテーマでしたね。
トラバありがとうございます♪。

2011/9/17(土) 午後 11:37 ffa**77

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当時の日本人の意識の高さというのかなーいまでもそういう部分って
あるのかもしれませんが、特に女生徒たちが死ぬことも必要なことだと
感じて穴の中に入っていったことはなんとも強い信念としか
言いようがありません。
それに対して取り残された気分、というのも頷けます。

登場人物たちの思いの強さもヒシヒシと感じる佳作でした。

2011/11/10(木) 午前 0:16 エルザの大聖堂への行列に並ぶ人

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エルザさん♪、戦時中、国家のために死ぬことが美しいとさえされた時代、
今では考えらないことですが、そんな国家全体の空気が、
少女たちの純真な心を動かしてしまった、というストーリーでしたね♪。

2011/11/10(木) 午前 0:36 ffa**77

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設定やメッセージ性など素晴らしかったと感じました。
フィクションなんですが、国を思う彼女たちの気持ちは素晴らしいし、受け継ぎたいですね。
TBお願いします!

2011/12/4(日) 午前 0:07 かず

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かずさん♪、設定そのものはフィクションですが、
戦争中、ここに登場する少女たちと同じ気持ちだった少女たちが、
少なからずいたことは事実でしょうね♪。

2011/12/4(日) 午前 1:50 ffa**77

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「夕凪の町」の佐々部監督としては、殉死の美化は異質に感じました。
今回の麻生は冴えなかったですね。
TBします。

2012/7/21(土) 午後 3:11 [ ひろちゃん2001 ]

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ひろちゃん2001さん♪、この作品では、麻生久美子はほとんど見せ場なかったですね。
同じ戦争映画でも、夕凪桜とは大違いでしたね♪。

2012/7/21(土) 午後 11:46 ffa**77

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