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拾うのは死者の声、遺族の悲しみ、そして真相。事件関係者の心が複雑に交錯する人間ドラマ。
− 松下由樹が見せる女性らしい鋭い勘の表現力、その不安げな表情が意味するものとは − 冒頭、どしゃぶりの雨の中、ふらふらの状態で、かろうじて歩を進める倉石検視官(内野聖陽)。
倒れては立ち上がり、また倒れこむ。雨空に向かって差し出す両手は、何を訴えているのか、、、。 メインタイトル後には一転、人ごみの中に突っ込んで来るバス。降りてくる犯人の波多野(柄本祐)。
手に持ったナイフを振り回し、偶然にもその場に居合わせた人たちを次々と傷つける狂気ぶり。 地獄絵図のような現場で、逃げ惑う人たち。恐怖に慄く人たち、そして小さい赤ちゃんを守る母親。 そんな中、その場にいた一人の人物が、2年後の二つの殺人事件の鍵を握っていようとは、、、。 この衝撃的なシーンで一気に作品に引き込まれ、そこからは倉石を演じる内野聖陽の際立つ存在感が、
作品全体を完全に支配します。しかもストーリーは、2年前のこの無差別通り魔事件だけにとどまらず、 この事件の関係者二人が殺害された二つの殺人事件。さらに8年前に発生した殺人事件が絡み合い、 当事者たち各々の感情が激しいまでに渦巻く人間ドラマに仕上がっています。 もちろんミステリーとしての犯人推理の面白さもたっぷりです。二つの殺人事件から浮かび上がるのは、
2年前の無差別通り魔事件。犯人の波多野は「心神喪失者の行為は罰しない」という刑法39条に守られ、 無罪が適用されていました。そのため遺族の悲しみも想像を超えるものとなっていたのです。 中でもその事件で娘を殺害された直子(若村麻由美)は、2年が経過した今も心の整理がついていません。
「なぜ、あの娘が、あそこにいたのか」。そんな母親としてのやり切れなさは決して消えることはなく、
思わず犯罪に手を染めようかという瞬間まで発生します。しかしそんな憎しみと悲しみを乗り越え、 やがて最後には、娘の両親への想いがひしひしと伝わってくる感動的なシーンが待っているのです。 さて、二つの殺人事件の現場で、倉石や留美(松下由樹)が目にした状況は、通常の殺人事件とは、
何かが違っていたのです。沸き起こった死亡推定時刻の謎。それを見逃さなかった倉石の鋭い眼力。 「(問題は)なんで一人の人間から二つの死亡推定時刻が出たかってことだ!」と語る倉石。 その言葉の裏には、そんな細工ができる人間は限られているという推理の裏付けがあったのですが、
そこから浮上してきた怪しい人物。その証拠を何としても突き止めようとする倉石と検視官たち。 そして迎えるクライマックス。倉石が犯人を追い詰めるまさにその時、同時に8年前の事件当事者が、
ある復讐の瞬間を迎えようかというクライマックスの、同時進行的なシナリオ構成も秀逸でした。 そしてエンドロール後のワンシーン。冒頭のシーンにつながるであろうそのシーンの意味は、
観る者の判断に委ねられた、と言えるのかもしれません。 <映画の次回作情報>
京野ことみ
:かぞくのくに(ヤン・ヨンヒ監督) 8月4日公開 共演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチュン、大森立嗣、宮崎美子、津嘉山正種 他 |

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刑法36条が重くのしかかる映画でしたね、若村麻由美が化粧っけもなく、普通のお母さんを演じてて、その犯人への憎悪が伝わってきましたね、ちょっとクサい演技もありましたが、
見応えありました
TBさせてください。
2012/7/17(火) 午後 1:44
くらげさん♪、見ごたえある作品でした。若村麻由美はあまり映画では見かけませんが、
印象に残る演技を見せてくれて、終盤には感動的なシーンも演出してくれましたね♪。
2012/7/19(木) 午前 0:14
結局この作品、観られそうもありません(汗)。
でもとても見応えありそうですね。
若村麻由美さんは、昔観た「フィレンツェの風に抱かれて」という和泉聖治監督作品がとても好きでした。
あ、内容ほとんど忘れているので、もう一度観たくなっちゃった。
2012/7/22(日) 午前 6:41
のびた先生♪、確かに見応えはありましたよ。
若村麻由美はどちらかと言えばドラマ女優ですから、
スクリーンは貴重ですね。僕はそのフィレンツェ〜は観たことないですけど♪。
2012/7/24(火) 午前 0:20
ずーっとドラマも観てましたし、検視モノも大好物なので、いそいそと観て参りました〜
次から次へと判明する展開にコーヒーを飲むのも忘れるくらい最初っから最後まで充分堪能出来ました〜
倉石さん〜どこ〜?
TBさせて頂きました↓
2012/7/24(火) 午前 1:26
沙粧さん♪、予想以上にシナリオが良くできていました。
冒頭からクライマックスまで、気の抜けない展開、見応えありましたね♪。
2012/7/25(水) 午前 1:14
絶賛してますね。それも分ります。ストーリーの部分、役者の演技は
結構見せるものがありました。素晴らしいと思います。
しかし、私が個人的に、微妙に感じた違和感は・・・テンポだったのか、
TV版を観ていないがゆえの、理解度の不足だったのか。
自分自身に勿体無い!といいたい気も少ししました(笑)
ただし、エンディングの部分。あれはちょっと分らないです。
ふぁろうさんがコメントされている通り、視聴者にゆだねられる、
でよいものなのかなーーと思ってしまう部分です。
2012/11/14(水) 午前 1:59
エルザさん♪、シナリオは良かったと思いますが、テンポが合わなかったでしょうか。
個人的にテンポというか波長の合わない作品はありますからね。
エンディングは、答えを決めつけず、観る人が考えてください的な、
ある意味ずるいやり方とも言えますね♪。
2012/11/15(木) 午前 0:48
こんにちは!エルザさんのブログからやってきました。
私は、この『臨場』原作本もドラマも好きで、そういう意味では待望の映画化でした。
確かドラマでは取り上げられなかった倉石が癌を患っていることも暗示されてました。
重厚で深淵な内容と、個性的な俳優陣の競演、見ごたえのある作品でした♪
2013/6/15(土) 午前 9:48
やっくんさん♪、作品的にも、キャスト的にも、地味な作品でありましたが、
内容的には見応えありましたね。ブログご訪問ありがとうございます♪。
2013/6/15(土) 午後 11:41