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グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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黒部の太陽(1968)

 
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前代未聞の超大作が、今スクリーンで甦る。日本一のダム建設に隠された、名もなき男たちの死闘。
 
1968年に劇場公開されて以降、「映画は大きなスクリーンで観てほしい」という石原裕次郎の意思から、
ソフト等されることもなく、イベント等での上映以外、一般公開されることがなかった「黒部の太陽」。
しかもこれまでイベントで上映されていたのは、そのほとんどが2時間十数分の短縮バージョンだったとのこと。
 
それゆえ幻の超大作と言われた本作が、初公開から44年を経て、再び完全版上映の運びとなりました。
石原裕次郎没後25年にあたる今年、石原プロモーション新年会にて、石原プロ会長の石原まき子氏が、
東日本大震災復興支援を目的として「黒部の太陽」を全国各所でスクリーン上映すると発表したのです。
 
全国の公開情報はこちら → 「裕次郎の夢」プロジェクト

黒部ダムは、1956年の着工から1963年の完成までに7年を要し、延べ作業員は1,000万人を超えるとされ、
労働災害による殉職者が171人にも及んだという難工事でした。そんな黒部ダムの工事着工前夜から、
関電トンネルの貫通まで、作業員たちの苦労と、指揮を執る男たちの葛藤、さらにその家族の人間模様を、
大自然の脅威を盛り込んで描いた作品です。
 
冒頭、関西電力の黒四建設事務所次長の北川(三船敏郎)たち一行が、視察で雪の急斜面を登っています。
ようやく稜線に立った一行から、雄大な黒部渓谷を眼下に、こんな会話が聞こえてきます。
「(標高)二千九百です」「この下に造るんかね、ダムを」「日本で一番、世界でも四番目ってダムだ」。
「えらいところへ、ダム造んなきゃいけないだなぁ」と。当時の日本は、戦後の高度経済成長期を迎え、
慢性的な電力不足で、関西地方では停電が頻発していたという現実が、ダム建設の背景にあったようです。
 
一方、京都の建築事務所に努める岩岡(石原裕次郎)。忙しそうに図面を引いていましたが、
たまたま同じ京都の北川の自宅に来ていた間組ので国木田(加藤武)から電話で呼び出されます。
それが北川と岩岡の初対面でしたが、実は岩岡の父親の源三(辰巳柳太郎)は昔堅気のトンネル屋で、
かねてから北川とは仕事で付き合いがあったのです。
 
映画では、北川と、妻の加代(高峰三枝子)、娘の由紀(樫山文枝)、牧子(日色ともゑ)らとの、
温かい家族関係も描かれていますが、北川家とは対称的に、岩岡と源三の、顔さえ合わせれば喧嘩という、
岩岡の少年時代からの父親との確執も、平行して描かれていきます。
 
それでもストーリーの大半を占めるのは、関電トンネル内の掘削工事の現場です。
途切れることのない湧き水と格闘しながら、一歩、また一歩と掘り進める熊谷組の岩岡班。
そんなある日、掘削現場が破砕帯にぶつかり、切羽が崩れるという場面が訪れます。
 
これは前半のクライマックスシーンで、公開当時も撮影事故として報道されたという大出水のシーンですが、
全長200メートル以上のトンネルのセットの端に、420トンもの水を貯める巨大水槽を作り、
その水を十数秒で一気に放出し、大きい岩や砂利や丸太が大量の水と共に一気に流れ出てくるという、
演じる方も撮る方も危険すぎるシーンです。撮影にはカメラ11台を同時に回したということですが、
さすがにリアルで凄まじい映像に仕上がっています。
 
実際、このシーンで水から逃げるシーンを演じた役者は6人なのですが、役者だけでなくスタッフも、
大勢が大量の水に飲みこまれ、また流されて、四、五十人が直後に病院に運ばれたとのことです。
中でもスクリーンの中心にいた石原裕次郎は右手の親指を骨折し、左の大腿部にも大打撲を負いました。
当時はCGを使うこともなく、まさに撮影も命がけという真実を物語る名シーンとして語り継がれています。
 
映画は、その後も幾多の困難を乗り越えながら、トンネル貫通で歓喜する作業員たちを描いていますが、
ラストには、ダムの堰堤に立つ北川と岩岡の姿がありました。フル稼働しているダムと近代的な地下の発電所。
さらに殉職者慰霊碑も映し出し、ダム完成のために闘った男たちの不屈の精神を訴えかけてくるのです。
 

当時、観客動員は733万人を記録。興行収入の16億円は、現在の約80億円と言われています。
主演の石原裕次郎は1987年に亡くなり、その10年後の1997年、三船敏郎も帰らぬ人となり、
奇しくもその10年後の2007年、熊井啓監督も故人となりました。そんな彼らが映画人生を賭けた傑作。
この機会にこそ大スクリーンで必見の本作は、1968年度のキネマ旬報ベストテン第4位の作品です。
 
現在は東京で上映されていますが、今後も全国150箇所以上で上映会が開催されることになっており、
上映会の収入から運営経費を除いた全額が、東日本大震災の義援金に充てられるとのことです。
 

楽天地シネマズ錦糸町(JR錦糸町駅前)にて、9月14日まで上映中。

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閉じる コメント(16)

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幻の映画と化していたので、この機会を逃さずに見に行かなくちゃと思っています。
しかし、行きやすい映画館での上映がないので困っています。
行くなら「栄光への5000キロ」も一緒に見たいんだけどなあ...。

2012/9/4(火) 午前 9:25 [ 鉄平ちゃん ] 返信する

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鉄平ちゃん♪、こういったスケールの作品は、やはり大スクリーンで観たいですね。
公開劇場は限られているようですが、これを機に観られるチャンスが増えるといいですね。
来年にはDVD化という話もあるようです♪。

2012/9/5(水) 午前 0:02 ffa**77 返信する

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劇場公開のときに、行こうか迷っていたのですが、いまだ未見です。
三船プロ、石原プロが総力を挙げて取り組んだ超大作ですが、リメイクの「黒部の太陽」(香取信吾主演)は、中国でDVDを購入し持っています。見られるか確認していません。

2012/9/8(土) 午後 1:42 fpd 返信する

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fpdさん♪、とにかく凄い迫力の映像でした。
ミフネは貫禄があり、石原裕次郎はまだまだ若いです。
現在のベテラン俳優も大勢出ていますが、宇野重吉と寺尾聰が、
親子役で出演しているのも興味深いです♪。

2012/9/9(日) 午前 0:32 ffa**77 返信する

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おお、忘れていました。
私も、封切りで見逃して、その後の再上映はなく、40年間は見たい、見たい、と思っていました。
でも、ここ何年間はその意欲も衰えてしまい、今年になって上映詳細が発表されてもすぐ忘れてしまいました。いいタイミングで教えてくれて、ふぁろうさんに感謝、感謝!!
ナイス!、クリック。

2012/9/9(日) 午後 11:08 ぴくちゃあ 返信する

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ぴくちゃあさん♪、やはり大スクリーンで観られるチャンスですから、
ここは必見ですね。ナイスありがとうございます♪。

2012/9/10(月) 午前 1:04 ffa**77 返信する

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あのトンネルの水のシーンはすごかったです。
やっぱり、撮影も大変だったのですね。
貫通した時の喜びが伝わってきました。
2大スターも見ごたえあって、スクリーンで観るといいでしょうね。

2012/9/10(月) 午前 8:44 iruka 返信する

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irukaさん♪、撮影も命がけだったようです。実際の工事現場も、
殉職者がこれだけ出たということですから、もっと大変だったと思われます。
特に大出水のシーンは、スクリーンで観ると、すごい迫力でした♪。

2012/9/11(火) 午前 0:21 ffa**77 返信する

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ようやく見ることができました。
迫力があり、壮大な骨太のドラマですね。

実力俳優が総出演のようです。TBお返しします。

2013/3/25(月) 午前 1:02 fpd 返信する

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fpdさん♪、当時としては相当なスケールでの撮影だったようで、
今ならCGで処理されてしまいそうなところも、しっかり撮られてましたね♪。

2013/3/25(月) 午後 11:23 ffa**77 返信する

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これ、完全版が劇場でリバイバルされたんですね。
静岡には廻ってきませんでした。とても残念です。
やはりこの作品は、大きなスクリーンで、しかも完全版を観なければ、観たことにならないかも知れませんね。
まあ、僕の場合、TVの短縮版でも十分凄いと思ってしまったのですが…。
北川の苦悩、岩岡親子の葛藤のドラマとしても、見応えがありました。

2013/5/15(水) 午前 6:14 出木杉のびた 返信する

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のびた先生♪、完全版でした。途中で休憩がありました。
スクリーンでの迫力はやはりすごかったです。ただ長かったので、トンネル工事以外の、
緊張感がとぎれる時間帯は、けっこうしんどかったですけど(汗)。

2013/5/16(木) 午前 1:44 ffa**77 返信する

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とにかく、凄い!の一言につきます。
この作品はいつの時代に観ても色褪せることがない名作ではないか
と思います。実際の工事を描いた作品ですから、当時に思いを
馳せながら、工事をした人たちの凄さを感じる以外にありません。

今更ながらに石原裕次郎と三船敏郎が凄いなーと思いました。
(昔は映画を見ていなかった私としては今だからこそ、なのですが)

2013/7/8(月) 午前 2:07 エルザの大聖堂への行列に並ぶ人 返信する

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エルザさん♪♪、まさに名作でしたね。最近はここまでの大作がない気もしますが、
たまには観たいですね。いずれにしても、これも真実に基づくストーリーだけに、
自然の恐ろしさも伝わってくるとともに、それと闘った人間たちに感動です♪。

2013/7/8(月) 午後 11:39 ffa**77 返信する

まさに“幻の大作”、撮影までの経緯、製作費、関わった人の数、観客動員数、桁はずれですね。
なかなか観る機会には恵まれませんでしたが、BSでの放送で機会を得て観ることができました。

2014/8/10(日) 午後 2:53 やっくん 返信する

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やっくんさん♪、キャストもスタッフも命がけだったという大量の水が噴出してくるシーン、
ものすごい迫力でしたね。今の時代だとCGで済まされてしまいそうですが、
全長200メートルものトンネルのセットを作ったという映画人たちの意気込みを感じました♪。

2014/8/11(月) 午前 1:17 ffa**77 返信する

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