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愛情か憎悪か、理解しづらい夫婦の関係の根本にあった事件と、それから15年後の約束とは、、、。
− 遠くを見つめる寂しげな眼差しの奥に、哀しみと憎しみをためこんだ真木よう子の瞳の表現力 − 東京の西のはずれ、長閑な渓谷の近くで暮らしているかなこ(真木よう子)と夫の俊介(大西信満)。
冒頭から二人が激しく抱き合うシーンが用意され、愛し合う普通の夫婦関係に見えるのですが、、、。 真木よう子は、ラブシーンはもちろん、やつれた姿を見せたり、怒りを爆発させる場面があったり、
時として何を考えているかわからない素振りを見せるなど、心理描写が難しいキャラクターを熱演。 ひさびさとなる単独主演を堂々とこなし、エンディングテーマも彼女自身が歌っています。 さて、そんなある日、夫婦の隣家の女性が、まだ幼い自分の子供を殺害した容疑者として連行され、
静かな町がざわめき立ちます。外を見た俊介も、「外、(取材陣で)すごいことになってるよ」と、 かなこに声をかけながら、あくまでも客観的に、第三者としてその事件を遠くで見ている様子です。 ところが、事態は一転、その事件の共犯者が夫の俊介だと、かなこ自身が警察に通報するのです。
当然、事件には一切関係のないはずの俊介ですが、いったん警察で取り調べを受けることになります。 面会に来たかなこが問います。「そっちは食べてる?」と。「ちゃんとめし食ってるから」と答える俊介。
なぜ、二人は事件のことに触れないのか。通報した妻を、なぜ夫は問い詰めないのか。
しかも、その後の取り調べで俊介は、「かなこが証言した通りです」と供述してしまうのですが、、、。
事件の取材で現場に何度も来ていた週刊誌記者の渡辺(大森南朋)は、容疑者の隣家の住人とはいえ、
幸せそうに見えていたかなこと俊介に疑いを抱くはずもなかったのですが、かなこが通報したことから、 俊介の過去について調査し、ある過去の事件と、意外すぎる現実を知ることになるのですが、、、。 映画はこのあたりから回想シーンが効果的に盛り込まれ、かなこと俊介の15年前、
二人が再会した3年前、そして現在の二人の生活をシンクロさせながら展開していきます。
実はかなこと俊介は、高校時代、一生ぬぐいきれないであろう事件にかかわっていたのですが、、、。
3年前の回想シーン。かなこが入院していた病院にやってきた俊介は、やつれきったかなこに、
15年ぶりに再会します。患者として苦しんでいるかなこと、普通に会社員として働いている俊介。 あれから15年後、まったく立場の違っていた二人は、この瞬間を機に、同じ境遇へと導かれていくのです。 しかしそれは、愛とは言えないようです。冒頭のシーンでは、二人に深い愛情があるようにも見えますが、
かなこにしてみれば、なんとしても憎しみ晴らしたい感情だったのかもしれません。そして俊介にしてみれば、 一生をかけてでも償いをしたい気持ちから生まれた行動だったのかもしれませんが、いずれにしても、 二人は同じ電車に乗り、東京のはずれの渓谷のある町へと流れつくのです。 ではなぜ二人は夫婦となったのか、、、。普通の夫婦は幸せになるためにいっしょになるものでしょう。
しかし、この二人は違いました。そこにはまったく正反対の目的があり、、、。 事件が解決した数日後、ひさびさに現場の町にやってきた渡辺が、渓谷で見かけた俊介に声をかけます。
「かなこさん、お元気ですか」と。その時、俊介の口から、3年前のかなことの約束が明かされます。 その言葉によって、それまでの謎めいた二人の関係性が、ややすっきりと見えてくるものの、
その後、かなこと俊介がどうなるのか、そしてラストの渡辺の問いかけに、俊介がどう答えたのか、、、。 それは映画を観る者の判断に委ねられそうですが、緊張感あふれる映像がスクリーンを常に支配し、
登場人物の台詞ひとつひとつに、そしてちょっとした表情の変化に、彼らの微妙な心理状態が映し出され、 鈴木杏、鶴田真由、井浦新、新井浩文ら、脇役陣の好演も光る作品に仕上がっています。 <映画の次回作情報> 真木よう子
:そして父になる(是枝裕和監督) 9月28日公開 共演:福山雅治、尾野真千子、リリー・フランキー、風吹ジュン、樹木希林、夏八木勲 他 |

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あのラストの俊介の表情がいいですね。
ああいう終わり方で印象的だったのが、吉田美和監督の『ゆれる』ですね。香川照之さんの微妙な表情。いずれも難しい演技です。
シビアな映画でしたね。
2013/7/14(日) 午前 5:46 [ dalichoko ]
chokoboさん♪、ラストカットが印象的な作品でしたね。
映画を観る者に考えさせるには、はっきりした表情ができないので、
確かに演じる方も難しそうです♪。
2013/7/14(日) 午後 10:52
↑の方のコメントにもありますけれど、確かに、ゆれるのラストシーンにも重なりますね。映画のラストシーンでの、一瞬の表情の使い方は、見るほうと監督スタッフとのコミュニケーションですね。このさよなら渓谷も、まさに、俊介の答えをどう考えるかで、意味合いが100%、変わってしまいますからね。
最後の一瞬の表情では、ディアドクターの鶴ベイの笑顔も印象的でした。フラガールの蒼井優の笑顔も良かったし。ラストシーンって、やっぱり大切ですよね。アクションドラマなんかで、よくある皆がハッピーエンドで、解説しているようなのがあるけれど、やっぱり、心に残らないですよね。
2013/7/15(月) 午前 7:16 [ - ]
実に見応えありましたね。
2013/7/15(月) 午後 0:19
はやぶささん♪、ラストシーンが登場人物のアップの場合は、
確かに印象に残る作品になりますね。演じる方は難しそうですが♪。
2013/7/15(月) 午後 11:34
ぴくちゃあさん♪♪、登場人物たちの表情だけでも、十分に見応えありでしたね♪。
2013/7/15(月) 午後 11:41
良かったでしょ?良かったでしょ??www
最近なかなか映画館に足を運ぶ機会に恵まれないものですから、この映画に出逢えたことは本当に感謝でした。
2013/7/16(火) 午後 2:45 [ ポン酢 ]
ポン酢さん♪、公開規模は小さく、娯楽性は少ないですが、見ごたえのある作品でしたね。
演技力はもちろん、演技陣の繊細な表情を引き出した演出力も見事でした♪。
2013/7/17(水) 午前 0:22
TB下さり、コメントも有難うございました〜<(_ _)>
重い映画ですが、見応えありましたね〜奥が深いというか…
後を引く映画ですね〜その後を想像しちゃいます(笑)
渓谷と吊り橋…「ゆれる」を思い出しました。終わりのないテーマも似てますv
真木さんは両方にご出演で…いい女優さんですよね〜大西さんも好きですが(笑)
遅くなりましたが、TBおかえしさせてくださいね^^♪
2013/7/19(金) 午前 11:23
ふぇいさん♪、真木よう子の演技、深い表情が見事でしたね。
「ゆれる」を彷彿とさせるシーンもいろいろありましたね♪。
2013/7/20(土) 午前 1:21
これは凄い作品でしたね。いや、参りました。
特に真木よう子さんが素晴らしい。
あの細い手足なのに、あの胸ですよ(←そっちかい)。
僕もドラマ『運命の人』で共演して以来、すっかりファンになってしまいました。
余韻を残すエンディングにも、やられた感があります。
2013/9/11(水) 午後 0:25
のびた先生♪、真木よう子が怖い女性を完璧に演じましたね。
今年はいろんな映画で活躍してくれていて、女優賞レースにも顔を出しますね♪。
2013/9/11(水) 午後 11:58
凄い映画だったかな〜〜って思いました。
しかし、ところどころ落ち気味だったこともあって、できれば
2回目観たいなーと思っていたところなのですが、2週間上映
だったので厳しく、諦め(笑)そしたら別の近場の映画館でも
10月くらいに上映するみたいで、また観ようかなと(爆)
真木よう子の雰囲気に飲まれてきたいなーと思います。
2013/9/15(日) 午前 2:18
エルザさん♪、過去の二人の関係から、現在に至るまで、
サスペンス感もあり、どのシーンも見逃せない、どのセリフも聞き逃せない、
そんな作品でした♪。
2013/9/15(日) 午前 10:52
真木よう子は、思いきった役に挑戦でしたね。
普段は、クールで男勝りな役が多いですが、複雑な表情で遠くを見る
視線など、なかなか内面の演技もすごいですね。
日本アカデミー賞主演女優賞も流れでいけば取りそうですね。
TBさせてください。
2014/2/19(水) 午後 2:21
fpdさん♪♪、そうですね、男勝りな役柄も似合うのですが、
今回は内面も含めて体当たりの演技でしたね。日アカも最有力です♪。
2014/2/20(木) 午前 0:18
真木よう子は、前々から注目してたのですが、もう日本を代表する大女優ですね♪
一瞬の間に、豹変するような印象的な女性を演じさせたら、右に出る者はいない…
主演と、助演賞のW受賞は35年ぶり2人目の快挙!次の作品が待ち遠しいです。
2014/9/17(水) 午後 10:04
やっくんさん♪、まさに代表作ですね。内面を表現する演技力が卓越していました。
次回作は来月公開の、「まほろ駅前狂想曲」。豪華なキャストの一翼を担います♪。
2014/9/18(木) 午前 1:06
今頃になってTB、お返しします(笑)。
昨年、何度かチャレンジしたけどなぜかしらTBできずにあきらめていました。
fpdさんがTBしてくれたので、試してみたらできたので、ふぁろうさんにもお返ししたわけです。
2014/9/19(金) 午後 11:41
ぴくちゃあさん♪、トラバありがとうございます。
約2か月越しの執念のトラバですね♪。
2014/9/20(土) 午後 11:36