日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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少年H

 
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波乱の少年時代を生きたHが見た父親の存在感。その父親が教えてくれたのは、自分を信じること。
− 深い信仰心を演じて見せた伊藤蘭、戦時中の家族を支える妻として、母としてのたくましさ −
 
タイトルこそ「少年H」ですが、映画の主人公はあくまでもHの父親である妹尾盛夫(水谷豊)。
つまり本作は、少年Hと呼ばれていた妹尾肇(吉岡竜輝)が激動の時代に目にした父親の生き方であり、
父親から教えられた考え方を、自分自身の中にしみこませた時代の物語と言えるでしょう。
 
舞台は1941年4月の神戸。水谷豊と伊藤蘭が、映画の中でも夫婦を演じるという点も話題でしたが、
さすがに長年付き添っている夫婦ということもあり、息がもぴったりの夫婦を演じています。
妹尾盛夫のおっとりとしたしゃべり口調が水谷豊のキャラにもぴったりで、妻の敏子(伊藤蘭)も、
家の中では標準語を話すようにと子供たちに日頃から教えていたこともあって、
東京の役者が話す関西弁にもあまり違和感を感じず、すんなりとこの作品の世界に入っていけました。
関西では父親や母親が、息子や娘のことを普通にアンタと呼びますが、その呼び方も板に付いています。
 
神戸で洋服の仕立屋を営む盛夫は外国人のお得意様が多く、挨拶程度とは言え英語やドイツ語など、
いくつかの国の言葉を話します。それを見たHは、自分の父親はスゴイ!と思うわけですが、
「外国人との付き合いも人と人やからな。国や言葉はあんまり関係ないんと違うかな」と、
父親はHにさらりと言うのです。
 
そんな折、アメリカから届いた絵葉書に描かれたエンパイア・ステート・ビルディングの大きさに感動し、
それが後に開戦することとなるアメリカという国の脅威の原点になるHですが、、、。
 
時代が太平洋戦争へと向かう中、レコードを聞かせてくれていたうどん屋の兄ちゃん(小栗旬)が、
警察に逮捕されます。「なんで兄ちゃんが捕まるや?、赤って何?、思想犯って?」と父親に問うH。
また、映画館で働くオトコ姉ちゃん(早乙女太一)が出征となり、大勢に見送られるのですが、
思わぬ形でHがオトコ姉ちゃんを発見することになり、必死に父親を呼びに駆け出すのです。
周囲の事件を通し、この時代の恐ろしさを、Hは実感するようになっていきます。
 
学校ではHの机に落書きされたり、盛夫がスパイ容疑で警察に突然連行されたりもします。
その原因が、友人のいっちゃんが、アメリカの絵葉書のことを言いふらしたからだと悟ったHですが、
盛夫は、その友人だけが悪いのではないと教えてくれるのです。そして言い聞かせます。
「戦争はいつか終わる。その時に恥ずかしい人間になっとったらアカンよ」と。
 
1943年4月になり、Hは中学校に進学します。軍事教練が続く日々。好きな絵を描いても、
「こんな絵を描く奴は非国民だ!」と、共感の田森(原田泰造)に思い切り殴られるのですが、
そんな時、久門教官(佐々木蔵之介)が助けてくれたりもします。教官といっても、
いろんな人間がいることを知るHは、人間的にも少しずつ成長していくのです。
 
戦況が悪化し、神戸の町の上空にも敵機の姿が多くなり、Hの妹の好子(花田優里音)は疎開。
そして1945年3月。神戸大空襲が発生。犠牲者は8千人を超え、負傷者も15万人以上と言われています。
空襲の中、消防士となった盛夫は真っ先に仕事に向かいます。自宅では、逃げるよりも先に、
父親のミシンを守ろうと二階から降ろすHと母親。しかし空襲は激しくなるばかり。
「お母ちゃん、走れるな」と、母親の手を引き、Hはミシンを置いたまま、
炎に包まれた町から駆け出すのです。本作の中で、戦争の怖さがもっとも伝わってくるシーンでした。
 
あたり一面が焼け野原となった神戸の町に立ち、自宅が建っていたであろう場所に戻ったHは、
使っていたフォークを見つけます。そして、焼け焦げても形だけは残しているミシンを見つける盛夫。
まさに何もないところから、家族はやり直さなければならないのです。
 
1945年8月。玉音放送が聞こえてきます。
「この戦争、なんやったんや、、、」。そんな気持ちになったのは、Hだけではないはず。
多くの日本国民の感情をHが代弁します。
 
翌年春、妹が疎開先から帰ってきますが、生活は苦しいまま。それでも敬虔なクリスチャンである母親は、
他人に食べ物を与えたりします。その行為に納得がいかないHは、父親に言い寄ります。
「なんでお母ちゃんを止めんへんのや!、なんで黙ってるんや!父親らしいことゆうてくれよ!」と。
大人になれば、この両親の立派さは理解できるでしょうが、まだ中学生のHには無理なのです。
 
そしてHは、ある決心をするのですが、、、。
 
自分自身の目で見ること、耳で聞くこと、そして自分の頭で考えて、自分の言葉で表現すること。
そんな当たり前のことの大切さを、Hの父親の生きざまから、改めて教えられる秀作に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
伊藤蘭
くじけないで(深川栄洋監督)
11月16日公開  共演:八千草薫、武田鉄矢、檀れい、芦田愛菜、上地雄輔、ピエール瀧、鈴木瑞穂 他
 
 
 

閉じる コメント(18)

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「H」は、はじめの頭文字だったようですね。

何も知らない時は、未成年の犯罪者のようなよびかたでしたが(笑)。実際の夫婦が夫婦役というのも、珍しいですね。

水谷豊がこの映画のオファーを受けた時に「妻役」は伊藤蘭がいいと思ったようで、一応誰が妻役をと聞いたところ、「まだ確認はとっていませんが、伊藤蘭さんに」ということだったようで、息がぴったりだったようですね。

2013/9/2(月) 午後 5:53 fpd

まさに「少年H」の目線で語られる妹尾一家、特に父の生きざまでしたねv
このお父さんが素晴らしかった!お母さんもクリスチャンらしい慈悲の心を持っていて。。
H少年の成長譚でもあるのですが…戦中、戦後の全てを映画の尺に収めてあり感心しました。
水谷夫妻の演技が嫌みなくて、とても良かったです。他の皆さんも素晴らしい〜
いい映画でした。 TBさせて下さいませ<(_ _)>

2013/9/2(月) 午後 8:03 ふぇい

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fpdさん♪、あくまでも少年Hですからね。少年Aではありましぇん(笑)。
夫婦が演じる夫婦は完璧でしたが、少年Hも妹も好演でした♪。

2013/9/3(火) 午前 0:02 ffa**77

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ふぇいさん♪♪、父親の生き方が素晴らしかったですね。
もちろんクリスチャンの母親も立派な生き方で、夫婦そろって熱演でしたね。
トラバありがとうございます♪。

2013/9/3(火) 午前 0:40 ffa**77

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原作ではHの体験したエピソードがかなりたくさんあり、Hが確かに主人公でしたが、映画では水谷豊が主役でしたね。
多くのエピソードの中から、古沢良太は上手い具合に家族の物語中心に脚本をまとめて見事だと思います。
手前みそですが、のびた出演作は、良い映画が多いなぁ。僕も作品選んで出てますから…(←たまたまでしょ・笑)。

2013/9/3(火) 午前 4:58 出木杉のびた

今年は「風立ちぬ」「終戦のエンペラー」といった 戦争時を背景にした映画が集まり、どの作品も 真摯な良質な映画ばかり〜
この映画も 水谷豊さんの 奥ゆかしい妙演もあって、画面のひとつひとつ 奥深いところまで 今のわれわれに問いかけるような思いが伝わってきました。

2013/9/3(火) 午前 11:29 たんたん

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のびた先生♪、なるほど原作をうまくまとめるのも脚本家の手腕ですから、
さすが古沢良太ですね。あと、さすがのびた先生出演作ですね(笑)♪。

2013/9/4(水) 午前 0:13 ffa**77

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たんたん先生♪、真面目な作品で、かつエンタテインメント性もある作品揃いですよね。
水谷豊、伊藤蘭ともに好演でしたね♪。

2013/9/4(水) 午前 0:17 ffa**77

いい映画でしたね〜。
戦争の恐ろしさばかりを伝える映画が多い中、心情的に訴える作品だったと思います。
トラバしていきます〜。

2013/9/8(日) 午後 1:45 nami

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なみぺーさん♪、時代はまさに太平洋戦争まっただ中でしたが、
戦争の恐ろしさ以上に、生き抜いた家族の強さに焦点が当てられていましたね♪。

2013/9/8(日) 午後 11:53 ffa**77

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希望を感じるラストで良かったですね。
水谷豊&伊藤蘭の夫婦での共演もピッタリでした!笑
トラバお願いします。

2013/9/12(木) 午後 5:24 mini_dragon

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ミニドラゴンさん♪、あの絵が、この家族のその後のすべてを物語るようで、
まさに希望あふれるエンディングでしたね。そして夫婦共演もナイスキャスティングでした♪。

2013/9/13(金) 午前 0:01 ffa**77

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ふぁろうさん、こんばんは。
私はやはりタイトル通りH少年が主人公ではないかな?と思って
みていました。そんな中でも父親の存在が一番大きいわけですが、
近隣の親しい人たちや学校の先生、戦争の只中と敗戦後の考え方の
違いなど考えさせられる部分はたくさんありました。
なんか、こんなふうに回想していくともう一度観てみたくなって
きました(笑)TBしていきます。

2013/9/13(金) 午前 2:50 エルザの大聖堂への行列に並ぶ人

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エルザさん♪、少年Hの目を通して見た父親の姿、母親の姿、そして世間の動きでしたが、
なによりも父親の偉大さが伝わってきましたね♪。

2013/9/14(土) 午前 0:28 ffa**77

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遅ればせながら、TBさせてもらいました。
この作品が大ヒットすることを期待したのですが、、、。
でも、素晴らしい内容となり、満足、満足。
ナイス!、クリック

2013/11/18(月) 午前 7:04 ぴくちゃあ

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ぴくちゃあさん♪、今年を代表する作品の一本で、夫婦共演も話題でしたね。
興行的には伸びなやんだようです、興行収入15億円程度でしょうか。
トラバありがとうございます♪。

2013/11/19(火) 午前 0:42 ffa**77

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有名な原作ですよね。
Hの成長を凄く良く描いていたなって思います。
軍事教育を受けたあとの父親に対する物足りなさやいら立ちを巧く演じていましたね。
TBお願いします!

2013/11/27(水) 午前 7:32 かず

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かずさん♪、少年から見た父親の姿、まさに尊敬すべき父親だったと思います。
少年Hの吉岡竜輝くんも好演でしたが、水谷豊&伊藤蘭夫婦の息がぴったりでしたね♪。

2013/11/27(水) 午後 11:54 ffa**77

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