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28年前の真実が明かされた時、すべてのわだかまりが解け、父と娘の想いもつながる。
− 波瑠、グローブを握りしめ、父親の想いに涙する大きな瞳の透明感が感動を誘う − 試合開始のサイレン、ボールを打ち返した瞬間の金属音、スタンドから湧き上がる歓声。
そんな高校野球ならではの音から幕を開ける本作は、主人公の坂町(中井貴一)が、 高校時代のチームメイトと共にマスターズ甲子園を目指すことになり、それがきっかけで、 誰も知ることがなかったチームメイトの秘密を知ることになるというストーリーです。 映画の舞台となる時代から20年ほど前、こたつで年賀状を書いている典夫(太賀)に、
娘の美枝が聞いています。「一球ひとだまって何?」。笑いながら典夫は答えます。 「一球入魂(いっきゅうにゅうこん)って読むんだよ」と。父と娘の何気ない会話ですが、 この冒頭のシーンで美枝が読み間違えた一つの漢字こそ、幼い時に離れてしまった娘を、 ずっと愛しく想っていた父親の気持ちを証明する、終盤の感動的なシーンにつながるのです。 さて、時は流れて2012年。大学生になった美枝(波瑠)が、坂町の前に姿を現します。
「坂町さん、もう一度、甲子園を目指しませんか」と、マスターズへの出場を勧める美枝。 いきなりの訪問と、思いも寄らぬ提案に戸惑うばかりの坂町でしたが、 「松川典夫の娘なんです」と言う美枝に、坂町の表情も態度も一変するのです。 そして美枝は、「父は昨年の(東日本大)震災で亡くなったんです」と続けました。 坂町の回想シーン。高校3年生の夏。甲子園まであと1勝と迫った県大会の決勝前夜。
「決勝戦は辞退することになった」と学校側から聞かされ、うなだれる坂町ら部員たち。 坂町たちの夢を奪ったのは、実はチームメイトだった典夫の暴力事件だったのです。 その話を坂町から聞かされた美枝は、当然ながら疑問を抱きます。
「父はどうしてそんな(暴力)事件を起こしたんですか」と。しかしながら、 28年が経った今も、坂町自身も、本当の事実は知らされていなかったのです。 いったい何があったのか、、、。映画を観る者も過去の真実に興味をそそられます。 そして物語は、美枝の熱心さに心を動かされた坂町が高橋(柳葉敏郎)らを誘い、
甲子園を目指す展開となります。そこにメンバー各々の家族の人間模様が盛り込まれます。 坂町は、離婚のため一人娘の沙奈美(門脇麦)とは疎遠でしたが、久しぶりに娘を尋ねます。
ところが二人の間にはぎこちない空気が流れ、沙奈美に追い返されてしまうのですが、、、。 いっぽうチームはマスターズの県予選に出場。ところが、美枝が典夫の娘だとわかった途端、
野球部OB会長の柳田(西岡徳馬)は、怒りをあらわにします。しかも、 当時の父親の良からぬ噂を聞かされた美枝は、その場から逃げ出してしまうのですが、、、。 それから数日後、典夫の過去を知る唯一の人物、マネージャーだった裕子(和久井映見)が、
美枝の前に姿を現すのです。そして裕子は、野球部のOB全員に向かって、
誰にも話していなかった真実を語り始めるのです。
「ぜんぶ私がいけなかったんです。本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げる裕子。 大人になった元高校球児たちは、誰よりもチームを大切に想っていた典夫に対し、
感謝の気持ちが沸き起こります。そして再びチームは甲子園を目指して一つになるのです。 もちろん美枝も、父親がどんな想いで高校野球に向き合っていたかを知ることになるのです。 県大会の決勝戦の後、東北の地に典夫の墓参りに来る坂町と美枝。その場所で、
生前の典夫が大事にしていたものを、偶然にやって来ていた典夫の元同僚から渡された美枝。 残されていた言葉、敢えてそう書いてあった言葉に坂町が男泣きし、美枝も涙を隠せません。 観る者にとっても涙をこらえ切れないシーンです。 本作では、当時の人物が現在の人物にオーバーラップする手法が随所でとられていますが、
坂町にとっての思い出の砂浜でも、そんな映像が効果的に使われています。 そして最大の感動はクライマックスシーン。甲子園球場での涙のキャッチボールでしょう。
思わぬ人物が目の前に現れ、グローブをかざし、坂町のボールを受ける。そして坂町も、 一球一球かみしめながらボールを受け、ボールを投げる姿が印象に残ります。 自分に対する父親の愛を知り、父親に誇りを感じることになる娘を演じた波瑠の熱演はもちろん、
父親に対する反抗心をあからさまに見せつける門脇麦の演技も、将来性を感じさせるものでした。 娘に対する父親の愛情と、父と娘の絆がひしひしと伝わってくる感動作に仕上がっています。
<映画の次回作情報>
波瑠
:流れ星が消えないうちに(柴山健次監督) 2015年公開予定 堀内敬子 :たまこちゃんとコックボー(片岡翔監督) 3月28日公開 共演:廣田あいか、阿久圭介、椎名琴音、津田寛治 他 久保田紗友 :先生と迷い猫(深川栄洋監督) 今秋公開予定 共演:イッセー尾形、染谷将太、北乃きい、ピエール瀧、岸本加世子 他 |

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「一球ひとだま」も活かされる展開には、つい泣かされてしまいました。
これまでマスターズ甲子園というものは知らなかったのですが、実に素晴らしい大会ですね。
若い頃果たせなかった夢というものは、いつまでも心のしこりになってしまいます。
僕ももう一度、甲子園を目指したくなりました(←オイオイ、映画部で、高校球児じゃないだろう・笑)。
2015/2/16(月) 午前 6:05
のびた先生♪、あのシーンは泣かされますよねぇ。
どんな形であっても夢を実現する素晴らしいさを教えてくれる映画でもありますね♪。
2015/2/16(月) 午後 11:15
結構感動させられ、びっくりでした。笑
ラストのキャッチボールも、言葉はなくとも素晴らしかったですね〜
トラバお願いします。
2015/2/17(火) 午後 3:08
ミニドラゴンさん♪、言葉のキャッチボールではなく、気持ちのキャッチボールが、
キャッチボールのシーンから伝わってきましたね。期待通りの感動作でした♪。
2015/2/18(水) 午前 0:36
まだ観てませんが、、良かった!と友人が言っていたので楽しみにしています。
観たらまた参ります<m(__)m>
2015/2/18(水) 午後 2:08
結局これ観に行けなかったですよ〜
もう近くでは上映してません〜〜あぁ〜残念だったなあ〜。
2015/2/18(水) 午後 11:53
ふぇいさん♪♪、この映画は野球のシーンが多いですが、
劇的な試合ではなく、キャッチボールが泣ける作品です。
また、娘を想う父親の気持ちが大きな感動を呼びます。
ぜひ期待してご覧になってください♪。
2015/2/19(木) 午前 1:10
なみぺーさん♪、観ようと思っていた映画を見逃すことは僕も多いですが、
この映画は観ておいて良かったです。自信を持っておススメできる感動作なので、
機会を見つけて観てくださいね♪。
2015/2/19(木) 午前 1:46
重松清が好きで野球が好きで娘がいるといった自分に接点が多くて感情移入が出来たのもありますがとても感動的でした。
TBお願いします!
2015/4/30(木) 午前 7:55
かずさん♪、これは野球がテーマですが、父親と娘の絆の物語でもあるので、
娘さんを持つお父さんに観てほしい作品になってますよね。感動作でしたね♪。
2015/5/3(日) 午前 10:09