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日本の戦後史は、この瞬間から始まった。その時間、その場所こそ、現代の平和国家日本の礎。
− ハリウッド映画のヒロインに大抜擢された初音映莉子、日本人の心を英語で繊細に表現 − 1945年8月6日、マリアナ諸島のテニアン島から原子爆弾を積んだB-29が飛び立っていく映像、
そして眼下に出現するキノコ雲。「原子爆弾を投下され、日本は降伏した」というナレーション。 そんなシーンから始まる本作は、まるでドキュメンタリーを見ているようですが、 唯一の被爆国日本という、その過去は永遠に消えることはありません。 しかし、この太平洋戦争の敗戦まで、何度も他国と大きな戦争を起こしていた日本という国が、
その後、戦争放棄の平和国家になったことも紛れもない事実です。これはつまり、 この敗戦が日本という小さな島国に、いかに大きな影響を及ぼしたかという現実の裏返しと言えるでしょう。 さて、1945年8月30日、厚木飛行場に降り立ったマッカーサー(トミー・リー・ジョーンズ)は、
日本をよく知る部下のフェラーズ准将(マシュー・フォックス)に、 この戦争の責任者を追及し、容疑者全員を逮捕するようにと命令を出します。
また、天皇の処遇によって日本国民の怒りが再燃することを恐れていたマッカーサーは、 「天皇を免責するか逮捕するか、結論を出せ!」と指示するのです。 また、この日、フェラーズ准将は、運転手兼通訳の高橋(羽田昌義)に、
「これは私事だ。彼女を探せ」と、一枚の写真と情報書を手渡していたのですが、、、。 フェラーズ准将は、東条英機(火野正平)、近衛文磨(中村雅俊)、木戸幸一(伊武雅刀)、
関屋貞三郎(夏八木勲)ら関係者から熱心に聞き取り調査を行いますが、 天皇に戦争の責任がないという事実を、なかなかつかみ切れません。 そんな困難な任務に取り組む中、フェラーズ准将の心の支えになっていたのが、
アヤ(初音映莉子)という日本人女性の存在でした。何度も回想シーンが登場するのですが、 アメリカの大学に留学していたアヤと楽しく過ごした記憶、そして開戦直前に日本に来た時、 アヤの叔父の鹿島大将(西田敏行)を紹介され、鹿島から日本の文化、日本人の考え方や、 天皇陛下への忠誠心なども教えられるのです。 ところがアヤは日本人、フェラーズはアメリカ人。その恋愛はあまりにもタイミングが悪く、
「日本はすぐに戦争に突入する、(アメリカに)帰れ!」と鹿島から諭されるフェラーズ。 最後の言葉を交わすこともできなかったアヤとフェラーズだったのですが、、、。 しかし、アヤの想いは、戦後に再会した鹿島からフェラーズにしっかりと伝えられます。 「すべて君宛だ」と。山ほどの手紙を渡され、何度も読み返し涙するフェラーズ。 真実を描いた作品の中で、ストーリーにドラマ性を盛り込むために設定されたのが、
アヤという架空の人物ですが、ドキュメンタリータッチになりそうな戦犯追及というテーマに、 恋愛のスパイスを添えることで、映画にエンタテインメント性も加わりました。 そしてやがて訪れる天皇(片岡孝太郎)とマッカーサーの面会の時、その時の天皇の言葉こそ、
焦土と化していた日本国家の、後の繁栄につながったことは間違いありません。 かつて、中国やロシア等の大国と戦いながら、負けることがなかった日本。小さな島国でありながら、
勝ち続けたのは日本人の知力、精神力の強さがあったから、と言えるのかもしれません。 そして太平洋戦争でも、原子爆弾という史上最悪の兵器を使用されるまで交戦し続けたのも事実です。 しかしながら、もし象徴天皇と言われた昭和天皇がいなかったら、それは考えたくはないことですが、 日本という国家自体が完全に滅んでいたのかもしれない。そんな恐ろしさも伝わってくるような、 歴史的真実を描いた貴重な作品に仕上がっています。 <映画の次回作情報> 初音映莉子
:ガッチャマン(佐藤東弥監督) 8月24日公開 共演:松坂桃李、綾野剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平、光石研、中村獅童、岸谷五朗 他 |

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