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久しぶりに書庫を新設しました。
映画に関する書籍や雑誌、懐かしいプログラム(パンフレット)など、
最近のものから古いものまで(実は最近のものは、あまりないのですが)、 僕のコレクションから個人的な趣味で取り上げ、紹介したいと思います♪。 その第1回目は、ちょうど1年ほど前に刊行された本。
「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」を取り上げました。 ところで、現在の映画館の一般興行の入場料金1,800円(大人)。 いつからこの1,800円という金額になったか、覚えていますか? 1,800円になった時期は、自分は大人ではなかった(まだ学生、いや子供だった)という人も、
もちろんいるかもしれませんね。残念ながら僕はもう大人でしたけど。 では、劇場で映画を見始めた頃の料金を覚えていますか?
ちなみに、僕が一人で(親に連れられてではなく)、劇場に行くようになった時、
大人の入場料金は、1,300円でした。 さて、冒頭の質問の答えですが、1,800円になったのは、実は1993年なんです。
もっと言うと、17年間、1,800円の料金に変動がないのです。 今の時代に、17年間も価格の変動がないモノなんて、珍しいとは思いませんか? ちなみにこの年の代表作は、外国映画ではジュラシック・パーク(スティーヴン・スピルバーグ監督)。
全世界的に大ヒットした作品ですね。日本における配給収入は断トツの83億円でした。 当時は、興行収入ではなく、配給収入で発表されており、現在のような興収に換算すると、 128.5憶円とされ、本邦公開の外国映画において、歴代興収第8位の作品となっています。 その他には、ボディガード(ミック・ジャクソン監督/興収68億円/歴代44位)などがあります。 なお歴代順位は昨年末時点です。 いっぽうの日本映画と言えば、1990年代は終盤までずっと冬の時代。
大きなヒット作はなく、たまにヒットするのはアニメ映画くらいでした。 同年の日本映画の配給収入第1位は、前年末に公開となった、いわゆる冬休み映画の、 ゴジラvsモスラ(監督:大河原孝夫/特撮監督:川北紘一)で、配給収入22.2億円でした。 その他、REX 恐竜物語(角川春樹監督)や、水の旅人 侍KIDS(大林宣彦監督)などがありますが、 これと言ったヒット作はありませんでした。 そんな日本映画が苦しんでいた時代に、
映画業界はその存続をかけるべく、入場料金の値上げを繰り返していたのです。 その料金ですが、上述の通り、僕が一人で劇場に行くようになった頃は、
大人料金は1,300円でした。では1,300円になったのはいつなのか。それは1977年です。 実は恐ろしいことに、1970年代以降、入場料金は毎年のように値上げを続けていました。
そのあたりは本書に詳しいのですが、その推移は下記の通りです。 1970年:550円(この年も前年から50円上がりました)
1971年:600円 1972年:700円 1973年:800円 1974年:950円 1975年:1,000円 1977年:1,300円 1980年:1,400円 1981年:1,500円 1989年:1,600円 1992年:1,700円 1993年:1,800円 といった状況です。
こんなに上昇し続けていた料金が、17年間も変わらないとは、いったいどうしたことでしょう? これを良心的と見ますか? いいえ、僕は違うと思います。 こんな値上げを繰り返していたからこそ、この時代、映画人口は減ってしまったのです。 もちろん21世紀に入って劇場に足を運ぶ世代も変わり、
1,800円が当り前となってしまった今日、映画館に観客は戻ってきています。 例年、それなりの大ヒット作も出現しています。 特に日本映画が頑張っています。そんな今だからこそ、 世界一高いと言われる日本の映画料金について、考え直してほしいと思いませんか? 本書では、映画というソフトの製作にかかる費用、その流通プロセスから興行における経費など、
また、シネコンをはじめとした映画館のハード面の充実度合いとの関係、さらに、 さまざまな割引サービス(映画サービスデーや6本観たら1本無料など)等を、 著者は詳細に分析、検討しています。 そして、映画ファンは、現在の料金に甘んじてしまっていいのか、サービスは今のままでいいのか、
3D映画だからといって高い料金に納得してよいのか、突き詰めて1,800円が本当に妥当なのか、 いや、この1,800円という料金を、今こそ見直す時期ではないのかと、著者は訴えます。 著者の個人的な見解があふれ、強引な意見もあり(笑)、映画や映画館の写真など一切ない、 いわゆる文章とデータだけの地味な本ですが、その一方で資料的価値も高い一冊となっています。 「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」/斉藤守彦 著 2009年11月27日発行/ダイヤモンド社/B6判269ページ/定価(本体1,600円+税) |

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