日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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映画 深夜食堂

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常連にとっての「いつもの」料理であふれる店の中、絡み合う人間模様と味模様。
− 多部未華子、汗にまみれた食い逃げ女から、割烹着姿が似合う料理人へ −

眠らない街・新宿の夜のネオンもまばゆい光景をバックに聞こえてくるナレーション。
「人々が家路へと急ぐ頃、俺の一日は始まる。人は深夜食堂って言ってるよ」。
「客が来るかって?、それがけっこう来るんだよ」と。声の主はマスター(小林薫)。
繁華街から少し入った静かな路地裏で「めしや」という小さな店を営んでいます。

毎晩、同じような常連客が顔を揃える中、店の片隅に忘れられた骨壺が見つかり、
ミステリアスな展開も予感させる序盤。たまに一見さんも迷い込んで来るようで、
マスターにも骨壺が誰の忘れ物か思い当りませんでしたが、、、。

さて、連夜ワケあり客がやってくるこの店には、浮いた話があるかと思えば、
切ない話もあったりします。そんな客たちにマスターは絶妙の距離感をもって接し、
聞き役になってくれるばかりではなく、客たちの期待通りの味も提供し続けてくれます。
飲み物以外のメニューは「豚汁定食」だけですが、美味しそうな料理が次々と登場し、
味も匂いもスクリーンから伝わってくるようです。ほとんどがめしやの店内と、
近くの路地裏が舞台のため、演劇を見ているような感覚にも陥る作品と言えます。

「ナポリタン」がお気に入りのたまこ(高岡早紀)が、ひさびさにやってきます。
ある日、若いサラリーマンのはじめ(柄本時生)と意気投合。恋仲になるものの、
はじめはあっさりと捨てられます。「最初から(僕との関係は)遊びだったんだ」。
たまこにはそう嘆いていたはじめですが、以前のように一人で店にやって来ると、
「いい勉強させてもらいました」と、どうやら吹っ切れているようです。

「とろろご飯」を見て、「これください」とやや乱暴に注文するちはる(多部未華子)。
彼女のお腹が鳴るのを聞いたマスターは、すぐに出せる料理をいくつか差し出します。
ちはるは待ってましたとばかりがっつきます。ところがとろろご飯が出来上がった頃には、
ちはるは姿を消していました。どうやら食い逃げされたようです。

数日後、再び店に現れたちはるは、「ここで働かせてもらえませんか」とマスターに懇願。
断るマスターでしたが、やわら包丁を手に取ったちはるは砥石で丁寧に包丁を磨き始め、
それがきっかけで、めしやの2階に居候することになるのです。実は料理の腕は確かで、
その味を認めた料亭の女将(余貴美子)から、自分の店で働かないかと誘われるのです。

そんなちはるが、急に思い出したと言ってマスターに語り始める卵焼きのエピソードが、
ちょっとした感動を誘います。店を去って行くちはるに声をかけるマスター。
「これ(風鈴)もらっていいかな。この音を聞かないと何か物足りなくなってね」と。

「カレーライス」を食べる謙三(筒井道隆)。その味をしっかりと確かめると、
「この味、あんたが(あけみちゃんに)教えたのかい?」とマスターに問います。
あけみ(菊池亜希子)は、謙三の住む東北の地にボランティアで通っていた女性。
あけみを追いかけて東京に来た謙三でしたが、あけみにその気はありません。
ボランティアに通い始めた動機が不純だったあけみは、本心をマスターに打ち明けると、
「もうそろそろ許してあげてもいんじゃないのか、自分をさ」とマスターは優しく答えます。

そんなある日、骨壺の中身を偶然に見てしまったマスターと常連客たち。
そして壺の持ち主だった街子(田中裕子)が出現。壺に入ったモノにまつわるエピソードを、
店の常連客を前に淡々と語り始めるのです。

ハロウィンで仮想した常連客たちのいでたちも「めしや」には似合わないのですが、
さらに違和感を醸し出す街子の昔話。ちはる同様に食べ物に関する思い出ではありますが、
ちはるのそれとは違い、街子が若い頃の自分の仕事ぶりを思い出すシーンが、
重かった骨壺の存在を一気に軽くする効果を発揮しました。

時として姿を見せる巡査(オダギリジョー)が作品の中ではスパイスとなっており、
まさに味のある会話劇に仕上がっています。


<映画の次回作情報>

多部未華子
ピース オブ ケイク(田口トモロヲ監督)
 9月5日公開  共演:綾野剛、松坂桃李、木村文乃、光宗薫、柄本佑、菅田将暉 他


余貴美子
ソロモンの偽証 前篇・事件(成島出監督)
 現在公開中   共演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基 他

ソロモンの偽証 後篇・裁判(成島出監督)
 4月11日公開  共演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基 他

寄生獣 完結編(山崎貴監督)
 4月25日公開  共演:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、東出昌大、浅野忠信 他


菊池亜希子
グッド・ストライプス(岨手由貴子監督)
 5月30日公開  共演:中島歩、臼田あさ美、井端珠里、相楽樹、山本裕子、中村優子 他

海のふた(豊島圭介監督)
 今夏公開予定  共演:三根梓、小林ユウキチ、天衣織女、鈴木慶一 他


安藤玉恵
ソロモンの偽証 前篇・事件(成島出監督)
 現在公開中   共演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基 他

ソロモンの偽証 後篇・裁判(成島出監督)
 4月11日公開  共演:藤野涼子、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基 他

ピース オブ ケイク(田口トモロヲ監督)
 9月5日公開  共演:綾野剛、松坂桃李、木村文乃、光宗薫、柄本佑、菅田将暉 他


谷村美月
白河夜船(若木信吾監督)
 4月25日公開 共演:安藤サクラ、井浦新、高橋義明、紅甘、伊沢麿紀、竹厚綾 他

種まく旅人 くにうみの郷(篠原哲雄監督)
 5月30日公開 共演:栗山千明、桐谷健太、三浦貴大、音月桂、根岸季衣、豊原功補 他

罪の余白(大塚祐吉監督)
 今秋公開予定 共演:内野聖陽、吉本実憂、葵わかな、堀部圭亮、利重剛、加藤雅也 他


吉本菜穂子
人の望みの喜びよ(杉田真一監督)
 3月28日公開 共演:大森絢音、大石稜久、大塲駿平、渡邉享介、河野律子、西興一朗 他


平田薫
原宿デニール(タカハタ秀太監督)
 5月16日公開 共演:武田莉奈、BEE SHUFFLE、麻宮彩希、山本浩司、今野浩喜 他


篠原ゆき子
Zアイランド(品川ヒロシ監督)
 5月16日公開 共演:哀川翔、鈴木砂羽、木村祐一、鶴見辰吾、宮川大輔、中野英雄 他





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28年前の真実が明かされた時、すべてのわだかまりが解け、父と娘の想いもつながる。
− 波瑠、グローブを握りしめ、父親の想いに涙する大きな瞳の透明感が感動を誘う −

試合開始のサイレン、ボールを打ち返した瞬間の金属音、スタンドから湧き上がる歓声。
そんな高校野球ならではの音から幕を開ける本作は、主人公の坂町(中井貴一)が、
高校時代のチームメイトと共にマスターズ甲子園を目指すことになり、それがきっかけで、
誰も知ることがなかったチームメイトの秘密を知ることになるというストーリーです。

映画の舞台となる時代から20年ほど前、こたつで年賀状を書いている典夫(太賀)に、
娘の美枝が聞いています。「一球ひとだまって何?」。笑いながら典夫は答えます。
「一球入魂(いっきゅうにゅうこん)って読むんだよ」と。父と娘の何気ない会話ですが、
この冒頭のシーンで美枝が読み間違えた一つの漢字こそ、幼い時に離れてしまった娘を、
ずっと愛しく想っていた父親の気持ちを証明する、終盤の感動的なシーンにつながるのです。

さて、時は流れて2012年。大学生になった美枝(波瑠)が、坂町の前に姿を現します。
「坂町さん、もう一度、甲子園を目指しませんか」と、マスターズへの出場を勧める美枝。
いきなりの訪問と、思いも寄らぬ提案に戸惑うばかりの坂町でしたが、
「松川典夫の娘なんです」と言う美枝に、坂町の表情も態度も一変するのです。
そして美枝は、「父は昨年の(東日本大)震災で亡くなったんです」と続けました。

坂町の回想シーン。高校3年生の夏。甲子園まであと1勝と迫った県大会の決勝前夜。
「決勝戦は辞退することになった」と学校側から聞かされ、うなだれる坂町ら部員たち。
坂町たちの夢を奪ったのは、実はチームメイトだった典夫の暴力事件だったのです。

その話を坂町から聞かされた美枝は、当然ながら疑問を抱きます。
「父はどうしてそんな(暴力)事件を起こしたんですか」と。しかしながら、
28年が経った今も、坂町自身も、本当の事実は知らされていなかったのです。
いったい何があったのか、、、。映画を観る者も過去の真実に興味をそそられます。

そして物語は、美枝の熱心さに心を動かされた坂町が高橋(柳葉敏郎)らを誘い、
甲子園を目指す展開となります。そこにメンバー各々の家族の人間模様が盛り込まれます。

坂町は、離婚のため一人娘の沙奈美(門脇麦)とは疎遠でしたが、久しぶりに娘を尋ねます。
ところが二人の間にはぎこちない空気が流れ、沙奈美に追い返されてしまうのですが、、、。

いっぽうチームはマスターズの県予選に出場。ところが、美枝が典夫の娘だとわかった途端、
野球部OB会長の柳田(西岡徳馬)は、怒りをあらわにします。しかも、
当時の父親の良からぬ噂を聞かされた美枝は、その場から逃げ出してしまうのですが、、、。

それから数日後、典夫の過去を知る唯一の人物、マネージャーだった裕子(和久井映見)が、
美枝の前に姿を現すのです。そして裕子は、野球部のOB全員に向かって、
誰にも話していなかった真実を語り始めるのです。
「ぜんぶ私がいけなかったんです。本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げる裕子。

大人になった元高校球児たちは、誰よりもチームを大切に想っていた典夫に対し、
感謝の気持ちが沸き起こります。そして再びチームは甲子園を目指して一つになるのです。
もちろん美枝も、父親がどんな想いで高校野球に向き合っていたかを知ることになるのです。

県大会の決勝戦の後、東北の地に典夫の墓参りに来る坂町と美枝。その場所で、
生前の典夫が大事にしていたものを、偶然にやって来ていた典夫の元同僚から渡された美枝。
残されていた言葉、敢えてそう書いてあった言葉に坂町が男泣きし、美枝も涙を隠せません。
観る者にとっても涙をこらえ切れないシーンです。

本作では、当時の人物が現在の人物にオーバーラップする手法が随所でとられていますが、
坂町にとっての思い出の砂浜でも、そんな映像が効果的に使われています。

そして最大の感動はクライマックスシーン。甲子園球場での涙のキャッチボールでしょう。
思わぬ人物が目の前に現れ、グローブをかざし、坂町のボールを受ける。そして坂町も、
一球一球かみしめながらボールを受け、ボールを投げる姿が印象に残ります。

自分に対する父親の愛を知り、父親に誇りを感じることになる娘を演じた波瑠の熱演はもちろん、
父親に対する反抗心をあからさまに見せつける門脇麦の演技も、将来性を感じさせるものでした。

娘に対する父親の愛情と、父と娘の絆がひしひしと伝わってくる感動作に仕上がっています。


<映画の次回作情報>

波瑠
流れ星が消えないうちに(柴山健次監督)
2015年公開予定

堀内敬子
たまこちゃんとコックボー(片岡翔監督)
3月28日公開 共演:廣田あいか、阿久圭介、椎名琴音、津田寛治 他

久保田紗友
先生と迷い猫(深川栄洋監督)
今秋公開予定 共演:イッセー尾形、染谷将太、北乃きい、ピエール瀧、岸本加世子 他




百円の恋

 
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ボクシングと別れた男。ボクシングに出会った女。百円コンビニが生んだ二人の愛の行方は。
− 安藤サクラ、32歳ニートのだらしなさと、演技を超えるボクシングシーンの壮絶さ −
 
中学生の頃にボクシングジムに通った経験があったという安藤サクラですが、
主人公の一子(いちこ)役は、自らオーディションに応募して勝ち取ったとのこと。
リング上での激しい戦いぶりは、本作最大の見せ場となっていますが、
そのクライマックはボクサーとしての演技を超越した生身のボクシングであり、
絞り込んだ肉体から繰り出されるパンチには、安藤サクラの女優魂が伝わってきます。
 
さて、引きこもりの一子(安藤サクラ)は、子連れで出戻って来た妹の二三子(早織)と、
まったくそりが合いません。一子の実家は弁当屋で、二三子は店の手伝いをしていますが、
一子は甥っ子(二三子の息子)の面倒を見るふりをして、テレビゲームに熱中しています。
 
一子と二三子は口喧嘩が絶えませんが、それがエスカレートして時には取っ組み合い、
殴り合いになります。一子は頭からケチャップをかけられたり、食卓もめちゃくちゃです。
そんな娘たちに母親(稲川実代子)は呆れ、「出ていきなさい!」と声を荒げる始末。
大人の女同士とはいえ、派手な喧嘩のシーンは、相手に少しも遠慮することなく、
安藤サクラ同様、ここは早織も体を張った演技を見せてくれています。
 
「私が出てく!!」と一子。「できるの!あんたに一人暮らしが!」と容赦ない二三子。
それでも独り暮らしを始めた一子は、夜は行きつけの100円コンビニでバイトを始め、
通り道にあるボクシングジムを遠目にのぞくようになります。
 
そんなある日、ボクシングジムで見かけていた狩野(新井浩文)から声をかけられ、
動物園にやってくる二人。「あのぉ、どうして私なんかを(誘ったんですか)?」。
尋ねる一子に対し、「断られないような気がした」と、狩野からはそっけない返事。
動物園でもほとんど会話もなく、いかにもつまらなそうなデートでしたが、、、。
 
数日後、狩野は一子の働くコンビニにやって来ると、お金を忘れたといって、
ボクシングのチケットをレジに置いていくのです。初めてボクシングの試合を観る一子。
狩野は一方的にやられてしまいますが、この日を最後に狩野はボクシングを辞めるのです。
新井浩文もこの役が決まってジム通い始めたとのことで、意気込みが伝わってきます。
 
その後、今度は一子がボクシングに目覚め、ジム通いを始めます。それからしばらくして、
ある朝、道端に倒れている狩野を介抱した一子。それがきっかけで同棲が始まるのです。
しかし狩野は外に女ができ、一子はあっさりと捨てられてしまうのですが、、、。
 
何があっても一子のボクシング熱は高まるばかり。安藤サクラのシャドーボクシング姿も、
確実にサマになっていきます。コンビニ内でいつの間にかシャドーをやっていたり、
エプロン姿でランニングしたり、練習もハードになり、やがて試合の日がやってくるのです。
 
本格的なボクシング映画を観ているようなスローモーションで緊張感を高める演出も効果的。
その緊迫感を緩めてくれるのが、一子の登場曲。それは100円コンビニのテーマソングでした。
「なんだ?この歌」と言うジムの会長に対し、「(しょせん私は)100円程度の女だから」。
そう答えながらも、一子はかなり気合いを入れてリングに出て行くのです。
 
ところがさすがに相手は強く、いきなり一子はダウンを食らい、その後もやられっぱなし。
家族も心配そうに観客席から見つめています。体も顔もボロボロの状態になっていく一子。
3ラウンド目、温存していた左のパンチを繰り出しますが、すぐに相手のパンチが炸裂。
崩れ落ちる一子。「立てよ!この負け犬」とリングの横で叫ぶ狩野が見えるのですが、、、。
 
ボクシングシーンは見応えたっぷりですが、決してそれだけの作品ではありません。
何かに打ち込むことによって家族との付き合い方も変わり、念願だった試合に挑むことで、
それまで味わったことのない充実感を得た一子。人間だれしも変わることができるという、
そんなヒントを与えてくれるストーリーは、シナリオも十分に練られています。
安藤サクラのガチのボクサー姿と、二人の新たな関係を思わせるラストが印象的です。
 
 
<映画の次回作情報>
 
安藤サクラ
娚(おとこ)の一生(廣木隆一監督)
 2月14日公開  共演:榮倉奈々、豊川悦司、向井理、前野朋哉、落合モトキ、根岸季衣 他
 
白河夜船(若木信吾監督)
 GW公開予定  共演:井浦新、谷村美月、紅甘、高橋義明、伊沢麿紀、竹厚綾 他

 
根岸季衣
娚(おとこ)の一生(廣木隆一監督)
 2月14日公開  共演:榮倉奈々、豊川悦司、向井理、安藤サクラ、前野朋哉、落合モトキ 他
 
でーれーガールズ(大九明子監督)
 2月21日公開  共演:優希美青、足立梨花、須賀健太、甲本雅裕、白羽ゆり、安蘭けい 他
 
種まく旅人 くにうみの郷(篠原哲雄監督)
 初夏公開予定  共演:栗山千明、桐谷健太、三浦貴大、谷村美月、永島敏行、豊原功補 他
 
 
 

バンクーバーの朝日

 
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激動の時代、異国の地で見せた日本人のフェアプレー精神と、スモールベースボールの原点。
− 高畑充希、長回しでもブレない集中力、感情の高まりと涙ながらに歌うシーンに注目 −
 
昨年10月、第33回バンクーバー国際映画祭で観客賞を受賞した本作。
1914年にバンクーバーで誕生したバンクーバー朝日という日本人の野球チームが、
さまざまな逆境を乗り越え、体力では及ばない相手に立ち向かう一生懸命さと、
戦争という時代に翻弄されたながらもたくましい生きる姿を熱演した若手演技陣。
また当時のバンクーバーを再現した巨大なセットも見どころの作品となっています。
 
レジー(妻夫木聡)は製材所で働いていますが、同僚のケイ(勝地涼)ともども、
日本人は常にカナダ人から睨まれ、仕事中はもちろんのこと、
休憩時間でさえ落ち着く暇がありません。そんなレジーたちの楽しみは野球。
メンバーには、豆腐屋で働くトム(上地雄輔)やホテルで働くフランク(池松壮亮)がいます。
そしてチームのエースであるロイ(亀梨和也)は、漁業に従事しています。
しかしどの職場でもカナダ人からの風当たりは強く、日本人は安い賃金で働かされています。
 
レジーの妹のエミー(高畑充希)は、カナダ人の家庭で家政婦として働いていて、
その仕事ぶりが気に入られているようです。少し高いお給料を受け取ることもあり、
「ね、(カナダの人も)悪い人ばかりじゃないでしょ」と兄に話していましたが、、、。
 
兄の試合をいつも観に来ていたエミー。そして多くの日本人がチームを応援していました。
しかしバンクーバー朝日は毎年最下位に甘んじるような弱小球団。ところがある日、
レジーに作戦がひらめきます。打席に立つ前、何かを感じたロイがレジーに言います。
「何かやるつもりだろ?」と。「うん、やってみる」と答えるレジー。
そこでレジーが見せたのは三塁線へのバント。そして二塁、さらに三塁への盗塁。
 
現代の野球なら、瞬足のバッターが野手の守備位置を見てセーフティバントを試みるのは、
ごくごく普通の戦術であり、バッターによっては、当然野手もバントを警戒してきます。
しかし当時のバンクーバーでは、一つのバントがチームを変える画期的な戦法となったのです。
 
日本人チームの活躍が目立ち始めると、カナダ人たちは嫌がらせをしてきます。
ビーンボールを投げつけられるレジー。それに腹を立てたロイはベンチを飛び出し、
相手ピッチャーにつっかかってしまうのです。出場停止処分を受ける朝日軍でしたが、
数日後、出場停止に抗議が殺到し、出場停止の処分が解けます。しかも、
日本人よりも白人からの抗議が多かったという言葉に、レジーたちも勇気づけられるのです。
 
映画は、決してカナダ人を一方的な悪者にはしていません。どのシーンにおいても、
カナダ人である前に同じ人間として同じ時代に生きていたという人々の想いが伝わってきます。
激動する世界の片隅で必死に生きる人間たち。それが本作のテーマにもなっているようです。
 
再び集結する朝日軍のメンバー。その場にやって来ていたエミーが、心の丈を打ち明けます。
「頑張ってもどうしようないことも多いけど、くじけちゃダメだし、泣いてちゃダメだし」と。
そしてエミーは目にいっぱいの涙をため、その涙をあふれさせながら歌うのです。
訴えかけるように、かろうじて声を出して歌いあげる高畑充希の見せ場となっています。
 
やがて頭脳的な野球で勝利を重ねた朝日軍が、優勝争いに名乗りを挙げる時、
そのひたむきなプレースタイルは、日本人からも相手チームの観客席からも讃えられるのです。
 
『野球にカナダ人も日本人もない。多くの人がそう思った』。
そんなナレーションと共に、新たな時代の幕開けを感じていたレジーたち日系移民。
ところが一転、1941年12月7日の真珠湾攻撃を機に太平洋戦争が勃発。
日本人は「敵性外国人」とみなされ、強制的に収容所に送り込まれてしまうのですが、、、。
 
『僕たちが自由を取り戻したのは、日本が戦争に負けた4年後』というナレーションと、
「あれから61年後の2003年に、バンクーバー朝日がカナダ野球殿堂入り」というメッセージ。
 
時代の闇に埋もれかけていた戦前のバンクーバーにおける真実を取り上げた本作は、
日本人の知恵とフェアプレーの精神が、爽やかな感動を呼ぶ作品に仕上がっています。
 
 
<映画の次回作情報>
 
宮あおい
世界から猫が消えたなら(永井聡監督)
 2016年公開予定   共演:佐藤健、濱田岳、奥田瑛二、原田美枝子 他

貫地谷しほり
悼む人(堤幸彦監督)
 2015年2月14日公開 共演:高良健吾、石田ゆり子、井浦新、椎名桔平、大竹しのぶ 他
 
 
 

寄生獣

 
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問いかけてくるのは、生態系の頂点に立つ人間の責任か、命へのこだわりか、母性本能か。
− 冷酷な視線と冷静な思考で周囲を操る知的パラサイト、深津絵里の顔面にも注目 −
 
「人間の数が半分になったら、燃やされる森の数も半分で済むのだろうか」
「人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか」
そんなナレーションから始まるストーリー。
 
深海から浮上してくる奇妙な生物。耳の穴から人体に侵入し、
人間の脳を破壊して人体に寄生し、人間を捕食して生きる寄生獣(パラサイト)。
人間にとってみれば、恐るべき無数の敵の出現に、恐怖感を煽るオープニングです。
しかも寄生獣は、人間の頭の中から不気味な正体を現し、一瞬で人間を食い尽くすのです。
その瞬間の映像は、グロテスクさを抑えつつスピードを感じさせるという工夫が見られます。
 
高校生の新一(染谷将太)の前に姿を現した寄生獣は、新一の脳に入り込むことができず、
鼻の穴から入り込もうとしたところで眠っていた新一は目覚め、慌てて追い払うものの、
新一の右腕の中に強引に入り込んできます。そして新一と共生することになり、
その寄生獣はミギー(阿部サダヲ)と名付けられるのです。
 
ある日、新一の高校に新任教師の田宮良子(深津絵里)が赴任してきます。
良子が寄生獣だと新一に知らせるミギー。すでに寄生獣の怖さを知っていた新一でしたが、
「全校生徒が人質と思いなさい!」と、良子から恐ろしい言葉を聞かされるのです。
 
その後、新一の母親(余貴美子)が、不運にも寄生獣に襲われてしまったり、
良子の妊娠を知って訪ねてきた両親を、良子が食べてしまうエピソードが盛り込まれる中、
新一の高校に転校生の秀雄(東出昌大)がやって来ることで、事態が急変します。
美術部で暴れる秀雄。新一のクラスメイトの里美(橋本愛)も危うく襲われそうになりますが、
間一髪で新一が里美を救い出すというスリルあるシーンにも緊張感が漂います。
 
終盤、「人間の子を産み育てるつもりなのか?」と、ある男にたしなめられても、
「これもまた実験だ」と答える良子。果たして良子の考えとは、、、。
 
エンディングで再び聞こえてくる良子の声。
「人間の数が半分になったら、燃やされる森の数も半分で済むのだろうか」
「人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか」
「地球上の誰かがふと思った。」
 
生態系が破壊される原因が、森林伐採や環境汚染と言われる中、
当たり前のように森林を伐採し、環境を汚染し続けるわれわれ人間たちに対し、
少なからず警鐘を聞かせるメッセージに余韻が残るラスト。
 
里美の入院している病院の窓に、外からカメラを向けられている新一。
果たして新一を見ている人物の正体とは、、、。
 
明確なテーマが貫かれたストーリーは、CGやVFXを駆使したエンタテインメントとしても、
十分に見応えるのある仕上がり。来年4月公開の完結編も大いに期待できそうです。
 
 
<映画の次回作情報>
 
深津絵里
寄生獣 完結編(山崎貴監督)
 2015年4月25日公開 共演:染谷将太、阿部サダヲ、橋本愛、國村隼、浅野忠信 他
 
岸辺の旅(黒沢清監督)
 2015年公開予定   共演:浅野忠信 他

 
余貴美子
繕い裁つ人(三島有紀子監督)
 2015年1月31日公開 共演:中谷美紀 、三浦貴大、片桐はいり、黒木華、杉咲花 他
 
映画 深夜食堂(松岡錠司監督)
 2015年1月31日公開 共演:小林薫、綾田俊樹、不破万作、松重豊、安藤玉恵、田中裕子 他
 
寄生獣 完結編(山崎貴監督)
 2015年4月25日公開 共演:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、浅野忠信 他

 
橋本愛
ワンダフルワールドエンド(松居大悟監督)
 2015年1月17日公開 共演:蒼波純、稲葉友、利重剛、町田マリー、大森靖子 他
 
リトル・フォレスト 冬・春(森淳一監督)
 2015年2月14日公開 共演:三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん 他
 
寄生獣 完結編(山崎貴監督)
 2015年4月25日公開 共演:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、國村隼、浅野忠信 他
 
 
 

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