日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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そして父になる

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明かされるのは、偶然ではなかった取り違えの真実。息子の行動が教えるのは、血は争えない真実。
− 尾野真千子 & 真木よう子、妻としての性格は違えど、母親としてお互いを理解する女性像 −
 
5月に第66回カンヌ国際映画祭で、審査員特別賞を受賞した作品。
公式上映後には、約10分間スタンディングオベーションが鳴り止まず、それが話題にもなりました。
また先月には、スペインの第61回サンセバスチャン国際映画祭でも観客賞を受賞しました。
 
過去にもカンヌでは「誰も知らない」(2004)で柳楽優弥が主演男優賞を受賞しており、
サンセバスチャンでは「奇跡」(2011)で是枝裕和監督自身が脚本賞を受賞したように、
ヨーロッパでの是枝監督の人気の高さが伺えます。
 
さらにハリウッドでも、スティーブン・スピルバーグ監督率いるドリームワークスによって、
リメイクされることが決定し、日本でも今年の映画賞レースのトップを走ることは間違いないでしょう。
 
是枝監督は家族の日常風景を描く中で、家族間のなにげない会話をたっぷりとシナリオに盛り込みます。
それは夫婦の会話であったり、親子の会話であったりするのですが、たったひとことの中にも、
相手の感情を大きく揺さぶるシーンもあります。本作でも野々宮良多(福山雅治)が、
妻のみどり(尾野真千子)に言ったひとこと、斎木雄大(リリー・フランキー)に言ったひとこと、
あるいは終盤に息子だった慶多(二宮慶多)に投げかけた言葉も、相手の心に突き刺さりました。
 
また是枝演出は、子供たちからありのままの演技を引き出す手腕が高く評価されていて、
本作でも随所にそんなシーンが見られました。雄大が子供たちとお風呂に入っているシーンや、
ゆかり(真木よう子)が子供たちを叱るシーンなど、子供たちの反応はいつもリアルです。
 
さて、小学校入学のための面接の日から始まる物語。まだ11月なのに受験戦争が始まっているようです。
しっかりとしつけられた息子・慶多は「(お父さんは凧揚げが)とても上手です」と受け答えをします。
合格のためにはマニュアル通りというか、野々宮家では息子をお受験塾にまで通わせています。
住まいも都心の高級マンションの高層階であることから、裕福な家庭のようです。
 
そんなある日、みどりが慶多を出産した病院から電話が入ります。
「(病院が)何か話したいことがあるんだって」と良多に伝えるみどり。
出産から約6年後のことでもあり、「面倒なことじゃなきゃいいんだけどな」と呟く良多でしたが、
その予感が的中してしまい、数日後、病院で赤ちゃんの取り違えを伝えられるのです。
もっともその取り違えにも、当時の若い看護師のある想いがかかわっていたのですが、、、。
 
6年間育てた息子が、自分の子供じゃないと告げられた二人。
「だから言ったんだよ。あんな田舎の病院で大丈夫かって」と苛立つ良多。
「なんで気づかなかったんだろう、私は母親なのに」と自責の念に駆られるみどり。
そこから野々宮夫妻の葛藤が始まりますが、慶多の本当の両親も、やはり困惑していました。
 
それでも少しずつ両家は交流を深め、やがて息子同士の交換へと進むのですが、
斎木家の息子だった琉晴(黄升)は、都会生活になかなか慣れず、一人で群馬の家に帰ったりします。
一方の慶多は、弟や妹ができたこともあり、少しずつ斎木家に馴染んでいるようですが、、、。
 
果たしてそれぞれの両親は、血のつながった息子を、6歳から自分たちの息子として、
迎え入れることができるのか、、、。新しい家族の絆は生まれるのか、、、。
 
是枝監督が丁寧に描く二つの家族。その対称的な家族の形を見せることで、
子育てにおける父性の重要性が伝わってくる秀作に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
尾野真千子
謝罪の王様(水田伸生監督)
現在公開中     共演:阿部サダヲ、井上真央、竹野内豊、岡田将生、高橋克実、松雪泰子 他
 
ニシノユキヒコの恋と冒険(井口奈己監督)
2014年2月公開   共演:竹野内豊、成海璃子、木村文乃、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子 他
 
魔女の宅急便(清水崇監督)
2014年3月1日公開 共演(声の出演):小芝風花、広田亮平、山本浩司、宮沢りえ、筒井道隆 他
 
神様はバリにいる(李闘士男監督)
2014年5月公開   共演:堤真一、玉木宏 他

 
真木よう子
ゲノムハザード ある天才科学者の5日間(キム・ソンス監督)
2014年1月24日公開 共演:西島秀俊、キム・ヒョジン、伊武雅刀 他

 
風吹ジュン
永遠の0(山崎貴監督)
12月21日公開    共演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、三浦貴大、新井浩文 他
 
抱きしめたい(塩田明彦監督)
2014年2月1日公開 共演:北川景子、錦戸亮、上地雄輔、斉藤工、平山あや、佐藤江梨子、國村隼 他
 
 

凶悪

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闇に埋もれた事件を掘り起こす時、見えてくるものは、悪か正義か、仕事か家族か、それとも、、、。
− 池脇千鶴、夫にないがしろにされ、姑の介護を押し付けられ、嘆き疲れた横顔に見せる演技力 −
 
「今回は自分のために来てくださって、ありがとうございます」。東京拘置所の面会室。分厚いガラス越しに、
死刑囚の須藤純次(ピエール瀧)が、スクープ雑誌記者の藤井修一(山田孝之)に語り始めます。
そんな二人の面会は、須藤からの一通の告発文書がきっかけでした。
 
「どうしても許せねえ奴が娑婆にいるんです。すべての事件の首謀者は私が先生と呼んでいた男です」。
さらに、「自分の話を記事にしてもらって、先生を追い詰めたい」と須藤の表情は真剣です。
藤井は上司にかけあい、その真偽を確かめるため取材したいと希望しますが、いかんせん死刑囚の話ゆえ、
そう簡単に許可はもらえません。仕方なく藤井は、自ら事件の形跡を追い求めることになるのです。
 
本作は、実際に起きた殺人事件が基になっています。
R15+指定作品ということで、狂気なまでの殺人シーンや、遺体を処分する残忍なシーンなど、
目を覆いたくなる惨劇も多いのですが、それを敢えて映像で見せることで、
この事件の異常さが、映画を観る者に伝わってきます。
 
死刑囚の告発によって名前の挙がった首謀者と、死刑囚が徐々に思い出す数々の証拠から、
一人のジャーナリストが事件の真相を追いかけます。それがやがて警察をも動かし、
犯人逮捕につながるのですが、そのジャーナリストを演じた山田孝之の演技が本作では特筆に値します。
作品が後半に進むにつれて、普通の記者としての仕事の顔から、事件に向き合う眼差しが確実に変貌し、
果ては取材の域を超えて、警察の捜査さながらの行動をとるのです。
一心不乱のジャーナリストを山田孝之が渾身の演技で見せます。
 
さらに告発する死刑囚を演じたピエール瀧。そして事件の首謀者を演じたリリー・フランキー。
この二人の悪役へのハマリ具合も見事で、かなり過激に容赦なく殺人を次々と犯していく凶悪犯。
意外なキャスティングかと思いましたが、山田孝之同様に、二人の悪役ぶりも見逃せません。
 
また、ジャーナリストの一面とは別に、藤井家の家庭環境を、つまり夫としての藤井を描いている点も、
この作品の評価を高めるところです。もっとも夫とは言っても、告発された事件にのめり込んでいるため、
夫らしい姿はほとんどありません。いつも妻の洋子(池脇千鶴)から、姑の介護の辛さを聞かされてばかり。
死んでしまった人のためとも思える事件の取材に対し、洋子はいつも疲れた表情で嘆きます。
 
連日遅い時間まで帰って来ないどころか、その取材が行き過ぎて藤井自身が警察の世話になる始末。
「もう少しだけ取材を続けさせてくれないかな」と言う藤井に対し、洋子は反論します。
「私だけにお母さんを押し付けて、きれいごと並べないでよ。私は生きてるんだよ」と。
藤井の母親(吉村実子)は認知症で、食事したばかりなのに、すぐに冷蔵庫から食べ物を取り出したり、
洋子に世話をしてもらっているにもかかわらず、誰だかわからななり、頭をなぐったりするのです。
そして洋子は限界を感じ、離婚届まで用意するのですが、、、。
 
信じられないほどの凶悪すぎる一連の犯罪と、どこの家庭にでも起こりうる介護の問題。
そんな現実を対比させたシナリオですが、特に取材中に事件現場が見えてしまう藤井の心象風景。
そして、現在から7年前へとなめらかに移行していくシナリオ構成も秀逸。
 
凶悪さばかりが目立つ殺人事件ですが、実在の事件と告発を基にしたストーリーだけに説得力もあります。
追及されていく事件の真相、人間の心理の微妙な揺れ、それらすべてのシーンから目が離せない展開で、
十分すぎるほどに見応えある人間ドラマに仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
池脇千鶴
潔く柔く きよくやわく(新城毅彦監督)
10月26日公開   共演:長澤まさみ、岡田将生、波瑠、中村蒼、、平田薫、田山涼成、高良健吾 他
 
そこのみにて光輝く(呉美保監督)
2014年春公開予定 共演:綾野剛、菅田将暉、高橋和也、火野正平 他
 
神様のカルテ2(深川栄洋監督)
2014年公開予定  共演:櫻井翔、宮崎あおい、藤原竜也、柄本明、原田泰造、要潤、吉瀬美智子 他
 

吉村実子
おしん(冨樫森監督)
10月12日公開  共演:濱田ここね、上戸彩、岸本加世子、井頭愛海、小林綾子、稲垣吾郎、泉ピン子 他
 

 

許されざる者

 
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日本流リメイク西部劇。引き金を引くのでなく、刀を振り下ろす時代における男たちの決闘の美学。
− 忽那汐里、顔じゅうに、そして心に傷を負いながら生きていく覚悟のナレーションが印象的 −
 
オリジナルはクリント・イーストウッド監督のアカデミー賞受賞作「許されざる者」(1992年)。
映画史にも名を残す西部劇の名作が、このたび日本でリメイクとなりました。
大西部から北海道に舞台を移し、渡辺謙を主演に、同じ時代設定でシナリオ化された本作は、
一瞬で相手を倒すガンファイトとは大きく違った決闘の形。引き金を引いて撃ち殺すのではなく、
刀を振り回し、防御しながら相手を斬り倒すという決闘シーンこそが、最大の見どころとなります。
 
1880年。蝦夷地の鷲路村。お梶(小池栄子)が鬼の形相で叫ぶ声が、女郎宿に響きます。
「この男、討ち首にしておくれよ!」と。仲間の若い女郎なつめ(忽那汐里)が客の怒りを買い、
顔じゅうに傷痕が残るほどに短刀で切りつけられたことに対し、お梶の怒りは収まりません。
 
しかし、その裁きを決定するのは、その村を牛耳る警察署長の大石一蔵(佐藤浩市)。
なつめに傷を負わせた堀田兄弟に対し、宿の亭主に馬6頭を差し出せという寛大な裁きを下します。
お梶は、「ちょっと待ちなよ!こんな裁きがあるもんか!」と一蔵に言い寄りますが、
当然受け容れてもらえず、腹を立てたお梶は、自分たちの手で復讐することを企てるのです。
 
堀田兄弟に千円の賞金が懸けられたと知った金吾(柄本明)は、十兵衛(渡辺謙)の家にやってきます。
二人の子供たちに十分な食事を与えることもできていない十兵衛は、思案した挙句に金吾の誘いを受け、
かつて人を斬った刀を久しぶりに手に取り、子供たちを残して家を出ていくのです。
仲間に五郎(柳楽優弥)というアイヌ出身の青年が加わり、3人が馬にまたがって草原を移動する姿は、
さながら西部劇のひとコマを見ているようで、画になるシーンです。
 
そして村に到着する3人。十兵衛を見つけた一蔵は「おめおめと生きてたか」と、
手を出さない十兵衛を容赦なく痛めつけ、権力を誇示するのですが、、、。
 
十兵衛の当初の目的は賞金稼ぎ。子供たちに満足な食べ物を与えたい。そんな気持ちから始まった旅で、
当初の目的も達成したかと思われた頃、十兵衛にとって予期せぬ事態が起こります。
そしてその時、十兵衛は、今は亡き妻との出会いによって封印した刀を、再び手に取り、
映画は最大のクライマックスを迎えるのです。
 
女郎として生きながらも、決して男の言い成りではなく、対等な人間として復讐を誓った女たち。
アイヌ人と和人、生まれ育った環境こそ違っても、心を通わせることができると知った女と男。
そして旧友のため、もう一つの復讐を誓った男。まさにその相手こそ、本当の許されざる者なのです。
 
終盤、聞こえてくるなつめのナレーション。
「私は決めた。この場所で生きていこうと。いつかあの人が戻ることを信じて」。
果たしてあの人は、この地に再び戻ってくることがあるのでしょうか、、、。
その男の去っていく姿も、本場の西部劇を思わせるシーンでした。
 
渡辺謙と佐藤浩市。ほぼ同世代にして日本映画界を長く支えてきた名優二人が、50歳を過ぎて初の共演。
その記念すべき作品は、二人の熱演もさることながら、登場人物たちの肉体的痛みと精神的痛みが、
観る者にじわじわと伝わってくる李相日監督の演出も見事で、名作ウエスタンを彷彿とさせながらも、
時と土地を加味して日本流に生まれ変わった復讐アクション活劇に仕上がっています。

 
<映画の次回作情報>
 
忽那汐里
オー! ファーザー(藤井道人監督)
2014年公開予定  共演:岡田将生、佐野史郎、河原雅彦、村上淳、宮川大輔、賀来賢人、柄本明 他
 
 

上京ものがたり

 
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大嫌いだった東京が好きになるまで。辛く悲しく、そして優しき成長の日々と、思い出の人たちと。
− 北乃きい、セーラー服からホステスまで、悩みながら、励まされながら生きる笑顔の明るさ −
 
高校時代、高知の海を見つめる菜都美(北乃きい)。セーラー服の後ろ姿。
『小さな子供の頃、私にはきっと違うものがあるから、東京に行くと、毎日自分に話しかけてあげた』。
そんな菜都美のナレーションから始まるものがたり。
 
2009年の「女の子ものがたり」(森岡利行監督)は、西原理恵子が36歳の時のスランプの話を、
少女時代、高校時代を共に過ごした二人の友人たちの回想と共にノスタルジックに描き、
爽やかな感動を与えてくれました。この前作で主演の菜都美を演じた三世代の女優たち、
森迫永依、大後寿々花、深津絵里の笑顔が印象に残る作品でした。
 
今回の「上京ものがたり」は、再び森岡監督が、若き日の西原理恵子を描きます。
時代は前作より十数年前になるでしょうか、菜都美が上京し美大に通っている時代です。
主演に北乃きいを迎え、回想による高校生時代と、苦しい生活だった大学生時代を演じます。
前作から4年後の発表作ではあるものの、内容は続編ではなく、前作の前日譚となります。
 
大学時代、居酒屋でバイトしている菜都美。光熱費や家賃など生活費でバイト代が消えてしまい、
絵の具を買うお金さえままなりません。着ている服はいつも同じで、さりげなくゴミ捨て場をあさり、
まだ使えそうなものは拾って持って帰ったりしています。
 
そんなある日、友人から「時給のいいバイト、紹介しようか?」と声をかけられます。
キャバクラでホステスのバイトをするのですが、そこで同僚の良介(池松壮亮)と出会います。
しばらくして店を辞めた良介は、菜都美の部屋に転がり込んできて、同棲が始まります。
仕事もせず、猫を拾ってきてじゃれあっているだけの良介に、菜都美も呆れるばかりですが、、、。
 
またその店で、先輩のホステス・吹雪(瀬戸朝香)に出会うのですが、彼女はシングルマザーで、
娘の紗希ちゃん(谷花音)を学童に預けながら仕事をこなしています。ある日、店の裏で、
寂しそうに母を待っている紗希ちゃんに出会い、菜都美は猫の絵を描いて見せるのですが、
それを紗希ちゃんは気に入ったようで、菜都美のファン第1号となるのです。
 
数日後、菜都美の部屋に思わぬ訪ね人がありました。みさちゃん(高山侑子)です。
「なっちゃん、うち結婚すんねん。いま妊娠してるんよ。ちょっとでええから貸してくれへん?」と。
事情を察した菜都美は、ノートに「結婚祝」と書いてお金を包み、みさちゃんに差し出すのです。
 
前作で、緑色がイメージカラーだったみさちゃん。今回も同じカラーで同じキャスティング。
「女の子ものがたり」を観たファンには嬉しい、みさちゃんとのひさびさの再会となりました。
そういえば、今回も菜都美のイメージカラーは黄色。バッグやエプロンや、いろんな服が黄色です。
 
映画は、父親(岸部一徳)との回想シーンが何度か登場したり、良介の元カノなのか、
少し昔を知るヨウコ(木村文乃)という女性が突然現れて、良介を日本酒の瓶でなぐったりと、
いろいろと振り回されながらも、菜都美の夢はぶれることなく、出版社へと、カットを持ち込みます。
何度も断られ、下手くそとけなされても、あきらめません。東京は出版社がたくさんあるからと、
アダルト雑誌の出版社にまで持ち込み、少しずつ仕事をもらうようになり、連載が始まります。
それでも決して順風満帆ではありませんが、やがて本を出版できる日がやってくるのです。
 
初めての出版記念サイン会には、ざいぜん君も来てくれました。前作で、
「中学時代は先生のファンでした」と言ったざいぜん君は、後に菜都美の担当編集者になりましたが、
このサイン会でも、菜都美は「ざいぜん君」ではなく「ぜんざい君へ」と書いており、
これも「女の子ものがたり」を観たファンには懐かしい名前でした。
 
夢を叶え、東京の空を見つめる菜都美。その充実感あふれる笑顔の表情。
『大嫌いだった東京に、ありがとう』。
そんな菜都美のナレーションで幕を閉じるものがたり。
 
夢をあきらめない、夢を実現するためには努力を惜しまない、そして、
たった一人でも自分のファンができたら、そのファンをずっと大事にしていきたい。
そんな気持ちの大切さが、少しずつでも確実に伝わってくる秀作に仕上がっています。
 
 
<映画の次回作情報>
 
北乃きい
ケンとメリー 雨あがりの夜空に(深作健太監督)
11月9日公開    共演:竹中直人、フー・ビン 他
 
ヨコハマ物語(喜多一郎監督)
11月16日公開    共演:奥田瑛二、市毛良枝、佐伯めぐみ、忍成修吾、ミッキー・カーチス 他
 
僕は友達が少ない(及川拓郎監督)
2014年1月公開予定 共演:瀬戸康史、大谷澪、高月彩良、神定まお、久保田紗友、山田萌々香 他
 

木村文乃
すべては君に逢えたから(本木克英監督)
11月22日公開    共演:玉木宏、高梨臨、東出昌大、本田翼、市川実和子、時任三郎、大塚寧々 他
 
小さいおうち(山田洋次監督)
2014年1月25日公開 共演:松たか子、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子 他
 
ニシノユキヒコの恋と冒険(井口奈己監督)
2014年2月公開予定 共演:竹野内豊、尾野真千子、成海璃子、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子 他
 

黒沢あすか
渇き。(中島哲也監督)
2014年夏公開予定  共演:役所広司、妻夫木聡、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー、中谷美紀 他
 

井村空美
埼玉家族(監督:福山功起/加瀬聡/角川裕明/完山京洪)
10月12日公開    出演:森田涼花、美山加恋、伊藤かずえ、入来茉里、鶴見辰吾、水崎綾女、大野拓朗 他
 

荒井萌
スイートプールサイド(松居大悟監督)
2014年公開予定   共演:須賀健太、刈谷友衣子 他
 

 

夏の終り

 
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ズルいのは男か女か、求めるのは男か女か、満たされない三角関係のその先にあるものとは。
− 妻子ある男と若い男を相手に奔放に生きる女、その難役をこなす満島ひかりの対応力 −
 
直面している戸惑いや悩みに必死に耐えながら、自ら道を切り開き、苦難を乗り切り、
その後の生きる希望につなげていく女性。こんなキャラクターを満島ひかりが演じたら、
誰よりも威力を発揮し、個性を輝かせてくれます。
 
しかし今回の役柄は、どちらかと言えば、自分の思いのままに生きる女という印象が強く、
彼女にとっては、かなりの難役だったであろうことが想像できます。
それでも本作の最大の見どころは、その演技力と言っていいくらい彼女が輝いており、
自分なりの愛を求め続ける女性像を巧みに演じ切りました。
 
作品そのものは、全体的にゆったりとした流れで、フェードアウトで時間をまたぎ、
いつの間にか回想シーンとなる演出とシナリオ構成に、やや理解しづらい点もありましたが、
時に雨のシーンや印象的なカットを挿入することで、観る者に刺激を与えてくれます。
 
ただ男女の愛の話でありながら、目に見えるラブシーンは極力抑えることで、
おとなしい映画になってしまった印象もぬぐえません。夫と子供を捨てる妻、
若い男との駆け落ち、妻子ある男性との不倫、不倫しながらの若い男との情事や、
不倫相手と若い男性との対面、また不倫相手の妻との電話での修羅場などなど。
どこからでもいくらでも派手に切り崩せそうなものを、あえて映像として見せることなく、
映画を観る者に想像させる静かな表現方法をとりました。これには物足りなさも残りますが、
それが熊切和嘉監督らしさとも言えるでしょうか。
 
相澤知子(満島ひかり)は、慎さん(小林薫)といっしょに暮らしていますが、
正式な夫婦関係でないことは、二人の間の空気から伝わってきます。
「月曜には戻る」と言って家を出る慎さん。「風邪ひいちゃイヤよ」と送り出す知子。
実は慎さんには妻子があり、毎週そちらへ帰っているようなのです。
どうやらそんな関係が長く続いているようですが、知子は今の生活に満足しています。
 
そんなある日、昔の駆け落ちの相手である涼太が久しぶりに姿を見せるのです。
慎さんが家を留守にしている間に電話をかけ、「今からいらっしゃらない?」と。
そこから涼太との関係も再開するのですが、中盤、回想シーンが登場します。
 
それはかつての夫(小市慢太郎)と幼い娘に別れを告げるシーンです。
「ごめんなさい。好きな人がいるんです」と。夫に思いっ切り頬をぶたれる知子ですが、
当時は涼太への愛をどうすることもできなかったようです。
怒りというよりも半ば呆れた表情で、娘を抱いて去っていく夫の背中を見送りながら、
「だって(涼太が)好きなのよ!」と叫び、立ち尽くす知子。印象的なシーンです。
 
夫と娘を捨ててまで若い男と駆け落ちするという自分勝手な生き方をしてきた知子ですが、
その後に涼太と別れ、今は妻子ある慎さんと同棲しているわけですから、
わがままというか、まさにその瞬間の愛のままに生きてきたのです。
 
しかし、別れて10年以上経って目の前に現れた涼太にも、心が完全に奪われることはなく、
また慎さんの許へと戻っていく知子。そんな中途半端な知子に対し、涼太が問い詰めます。
「俺のことは浮気か!」と。言い返す知子の口から出た言葉は「憐憫よ!」と。
 
涼太との話を慎さんに伝える知子。「あの人、慎と別れて一緒になってほしいって言うの」と。
それに対して慎さんは、「(涼太は)おかしな奴だ。人のものばかり欲しがる」と答えるのですが、
この言葉こそ、きっちりそのまま知子にも当てはまるようで、、、。
 
瀬戸内寂聴が50年前に発表した原作は、自らの恋愛経験を綴ったストーリーとのこと。
愛という感情に悩み、人間の本能に苦しむ、とある時代の女性の物語ではあるものの、
どんな人間にも、想像しがたい過去があるかもしれないと教えられる作品とも言えそうです。
 

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