日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

日本映画

[ リスト | 詳細 ]

日本映画見てますか。
記事検索
検索

じんじん

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
絵本の中にある故郷、それは遠い日の父親との記憶、どうしても聞きたかった話の続き。
− 田植えにも挑戦した小松美咲、父親への反抗心と、希望の笑顔に見せた将来性 −
 
幼い頃の本との出会いは、それは間違いなく絵本でした。自分で文字が読めるようになるまでは、
祖母や母親に読んでもらっていた記憶があります。と同時に適度にアレンジされた昔話も聴かされ、
そのストーリーに対して、なぜそうなってしまうのか、あるいはその後どうなったのかという、
話し手(読み手)泣かせをの問いかけをしたこともあります。それはできあがっている話の流れに、
わざわざ水を差すことにもなりそうですが、想像力をふくらませるのは子供の特権でもあるのですから、、、。
 
大地康雄が、2007年に訪れたという北海道の剣淵町を舞台に企画したという作品ですが、
主人公の立石銀三郎(大地康雄)は大道芸人。全国各地をめぐりながら、ガマの油売りの口上で、
毎度多くの観客を惹きつけるようになっています。銀三郎にはどことなく寅さんを思わせる人間味があり、
その話し口調はもちろん、時に勘違いをしたり、女性に惚れては振られたりという性格も似ていて、
まるで「男はつらいよ」シリーズを観ているような懐かしい感覚にも陥ります。
 
さて、剣淵町は旭川市から北へ約30㎞にある、絵本の里として知る人ぞ知る町です。
その町で庄太(佐藤B作)は、妻の聡子(中井貴惠)と息子の健(井上正大)と共に農業を営み、
毎年、田植えの時期になると、田植えの手伝いと称して、幼なじみの銀三郎がやって来るのです。
北海道の雄大な景色はもちろん、都会では見られない美しい満天の星空。さらに絵本の館で、
子供たちに絵本を読んで聞かせる地元の大人たちの優しさ。この町全体の雰囲気が、
映画を観る者の心を和ませてくれる展開です。
 
この年は東京から農業研修の高校生たちが来ており、庄太の家にも4人の女子高生が泊まり込み、
昼間は泥んこになりながら田植え作業をしていました。そこで銀三郎はその4人と出会います。
ちょっと変わった面白いおじさんとして、少しずつ心を開く女子高生たちでしたが、
彩香(小松美咲)だけは、初対面の時から銀三郎を睨み付けるような硬い表情を崩しませんでした。
 
数日後、彩香が健に打ち明けた意外な真実を、銀三郎は健の父親である庄太から知らされます。
「お前、娘がいたなぁ。いくつの時に別れたんだ?」と。「(離婚した)6歳(の時)だ」と銀三郎。
庄太は続けます。「お前の娘、今、この家にいるよ。娘の方は、すぐに気付いたらしいぞ」と。
 
「(娘のことを)一度も忘れたことなんかねえよ」と、娘の記憶が6歳のまま止まっていて、
自分の娘の成長した姿に気づかなかったことを、大いに悔やみながら涙する銀三郎。
もはや改めて自分から父親だとは言い出しにくい状況となってしまうのです。
 
そしてお互いに名乗り出せないまま、農業研修が終わる日がやってきます。女子高生たちを見送りながら、
8月に絵本のコンクールがあるので、また夏休みい手伝いに来なさいねと勧める町の人たち。
その時、銀三郎は思いついたように口にします。「俺、(コンクールに絵本を)出そうかな」と。
そして彩香に向かって、「あんたも来て(コンクールを)手伝えよ」と言いますが、、、。
 
なぜ、銀三郎は絵本を描こうと考えついたのか、、、。
その答は、銀三郎が幼い日の彩香に語って聞かせた話にありました。話の続きをせがまれながら、
その願いを叶えてやれなかった遠い日の記憶が、銀三郎の脳裏に甦ってきたのです。
そして絵本で、父親としての気持ちを娘に伝えたいと考えたのです。
 
仕事もそっちのけで絵本の制作にとりかかる銀三郎。ところがコンクールの数日前、
別れた妻(手塚理美)から銀三郎に電話が入ります。「私たち家族の邪魔はしないで」と。
 
果たして銀三郎は、娘への想いを伝えることができるのか。
自分が今、娘に伝えなければならないことは何なのか。
そして今、どういった形で伝えるべきなのか、、、。
 
考えに考え抜いて、銀三郎が出した答とは、、、。
そして彩香が、そんな父親から教えられたこととは、、、。
 
クライマックスで映し出される絵本の主人公の言葉からは、
大きな感動が押し寄せてきて、まさに心をじんじん揺さぶられる秀作に仕上がっています。
 
そして映画を観終わった時、誰もが思い出すはずです。
子供の頃、いちばんの記憶に残る絵本は何だろうかと、、、。
 
 
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
南の島に育った娘の複雑な心境と、父親の愛情が交錯、そして描かれる家族の絆の力強さ。
− 自ら三線を奏で、島唄をフルコーラス歌い上げた三吉彩花、その奥ゆかしさと繊細さと −
 
「沖縄から東へ360Kmの位置にある南大東島には高校がない。進学する者は15歳の春に島を旅立つ」。
そんなナレーションから始まるストーリー。ボロジノ娘という民謡グループが奏でる卒業コンサートは、
毎年恒例の島の一大イベントのようです。この年、中学3年生になったばかりの優奈(三吉彩花)は、
コンサートの日、卒業していく先輩から、「明日から優奈が(ボロジノ娘の)リーダーだからね」と、
声をかけられます。物語はそれからの優奈の、いろんな意味で人生の岐路を経験する1年間を描きます。
 
2か月間の練習を積んで三線を演奏し、島唄「アバヨーイ(さようなら)」を歌った三吉彩花は、
昨年度の毎日映画コンクールでスポニチグランプリ新人賞を受賞した「グッモーエビアン!」とは一転、
南の島育ちの純粋な中学生役で、美しい歌声を披露し、その大きな瞳がいちだんと輝きました。
「グッモーエビアン!」で共演していた能年玲奈は、いまや『あまちゃん』で大ブレークですが、
その演技力は能年玲奈に負けずとも劣らず、若手女優の有望株の一人には間違いありません。
 
さて、優奈は南大東島でさとうきび農家を営む寡黙な父親(小林薫)と二人暮らし。
兄の正志(小久保寿人)も仕事で、姉の美奈(早織)も結婚で島を出て沖縄本島に移り住み、
そして母親(大竹しのぶ)も仕事のため、やはり沖縄本島のアパートで暮らしていたのですが、
高校入学で沖縄にやってくる優奈を迎えるため、アパートの一室は優奈のために準備をしていました。
 
南大東島での最後の一年。優奈はいろんな経験をします。北大東島との南北親善競技大会で、
北大東島からやって来た青年・健斗(手島隆寛)から声をかけられ、遠距離恋愛が始まります。
携帯番号ではなく、住所を書いたメモを渡し、「よかったら手紙ください」とぼそりと言う健斗。
携帯電話を持たない二人の遠距離恋愛は、文通で深まっていくのですが、、、。
 
そんなある日、南大東島のPR活動で那覇でミニコンサートを開いていた優奈たちボロジノ娘を、
母親が観に来てくれます。ところがその後、母親に紹介されたのは、いっしょに住んでいるという男性。
優奈はそんな母親に腹を立て、夜の街に飛び出していくのですが、行く場所もなく、、、。
 
また、姉の美奈は赤ん坊のメイを連れて島に帰ってきていましたが、離婚の危機を迎えているようです。
そんな姉に優奈は問いかけます。「ねぇねは、おかあのこと、許せるの、、、?」と。
「家族はさ、離れてると、しんどいよ」と答えるのが精一杯の美奈。
 
そして年が明け、卒業の日が刻一刻と近づいてくる中、高校の入学試験の面接を受ける優奈。
「これからおとおが一人で暮らしていくことを考えると、おとおが心配です」と話しながら、
思わず涙してしまう優奈。父親を想う優奈の優しさが伝わってくる感動的なシーンです。
 
やがて迎える卒業コンサートの日。父親、母親、そして全体が家族のようだと言う島民に見守られる中、
堂々とステージに立った優奈は、父親の笑顔に頷き、この島での最後の演奏の瞬間を迎えるのです。
 
小林薫の父親らしい素振り、そして大竹しのぶの母親らしい気遣いのシーンも、さすがベテランの名演で、
家族の絆と、父親と娘の距離感をテーマに仕上がった作品は、島の周囲に雄大に広がる海の景色や、
BEGINの歌うテーマ曲が効果的に花を添えてくれています。
 

<映画の次回作情報>
 
大竹しのぶ
風立ちぬ(宮崎駿監督)
現在公開中   共演(声の出演):庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、風間杜夫、竹下景子 他
 
  
女たちの都 ワッゲンオッゲン(禱映監督)
今秋公開予定  共演:松田美由紀、杉田かおる、西尾まり、ブラザートム、遠藤憲一、中村有志 他
 

早織
瀬戸内海賊物語(大森研一監督)
2014年公開予定 共演:柴田杏花、大前喬一、伊澤柾樹、葵わかな、内藤剛志、石田えり、中村玉緒 他
 
 
 

真夏の方程式

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
受け継がれていく家族の秘密の連鎖か、解いてはいけない方程式の答は、15年前の事件にあった。
− 素肌美が夏の海に映える杏、隠し続けた秘密を後悔し、明かされた秘密に悲しむ涙の美しさ −
 
1998年の東京、冬の夜。誰かが走っています。その揺れる映像と伝わってくる激しい息使いは、
その人物の心の乱れを表現しているのでしょうか。どうやらある女性を追いかけていたようで、
人通りのほとんどない歩道橋の上で追いつくと、持ってきたナイフで、その女性を刺殺するのです。
果たして、冒頭のこの事件はストーリーとどうかかわってくるのか。そして犯人は何者なのか、、、。
 
その事件の数日後でしょうか。
少し思い詰めたような表情の成実が、母親の節子(風吹ジュン)から言葉をかけられています。
「ごめんね、成実。母さんのせいで、、、。このことは一生の秘密よ」と。この母と娘の約束とは、
まだ中学生の成実が、一生、隠さなければならないのは、いったいどんな秘密なのか。
そして数字前の刺殺事件と、この母娘はどうかかわっているのか、、、。
 
終盤、この母娘の冒頭のシーンが回想される時、映画を観る者は、ある大きな真実を知らされ、
一人の男性の優しさと、自らの人生を捨ててでも守ろうとしたものの大きさに気付かされます。
と同時に、15年後に海沿いの町で起きた不可解な事件の解決篇へと突入。自首してきた人物に対し、
湯川(福山雅治)が自らが立てた仮説を聞かせる本作最大の見せ場を迎えます。そしてその時、
もう一人の男性の家族への深い愛情を知らされることになるのです。
 
さて、時代は現代、東京の冬の刺殺事件から15年後の海沿いの町を舞台に物語はスタートします。
海底資源開発計画の説明会に招かれた湯川が、玻瑠ヶ浦という海の美しい町へ電車でやってくる途中、
一人の少年・恭平(山光)と出会います。普段から、子供嫌いを宣言している湯川。
電車内で携帯電話で話している恭平に対し、電源を切らなくても電波を遮断できる方法を教え、
恭平を黙らせます。もちろんこの時点では、まだ小学生の恭平が後に秘密を抱えることになるなど、
誰も知る由はありませんが、、、。
 
実は恭平は、湯川が宿泊予約をしていた旅館の女将・節子の甥っ子で、夏休みで遊びに来ていたのです。
しかし節子の娘の成実(杏)は、海底資源開発に反対しており、湯川をあまり好ましく思っていません。
その夜、居酒屋で成実と顔を合わせた湯川は「僕は誰の敵でも味方でもない」と答えていました。
同じ頃、恭平は節子の夫である川畑重治(前田吟)と旅館の庭で花火を楽しんでいたのですが、、、。
 
ところがその翌朝、海沿いの堤防の下に、元警視庁刑事の塚原(塩見三省)の死体が発見されます。
前夜、塚原とも顔を合わせていた湯川も、否応なしにその事件捜査にかかわることなるのですが、、、。
 
やがてこの事件が15年前の事件とつながり、東京から岸谷刑事(吉高由里子)がやって来ます。
少しずつ明らかになってくる川畑家の秘密と、今回の不可解な事件とのかかわり。
そしてある真実を見抜いた湯川が口にした言葉は、「ある人物の人生が捻じ曲げられようとしている」と。
 
天才的な人間像・ガリレオ湯川の存在感をはじめ、ミステリアスな展開、謎解きの面白さに加えて、
大ヒットした前作(49億2千万円という興行収入をたたき出した「容疑者Xの献身」)さながらに、
人間ドラマとしても見応えがあり、明かされた秘密に泣き崩れる成実の涙が感動を誘う仕上がりです。
 
真夏の海の美しさが待っていたのは、ガリレオ湯川の方程式によって導き出された答。
その方程式を解くカギは、夏の海、夏の花火、夏休みの少年。すべては夏にあったのですが、
この夏の事件が15年前の冬の事件につながっているところに、切なすぎる真相が隠されていました。
 

<映画の次回作情報>
 

劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日(中尾浩之監督)
8月31日公開 共演:要潤、夏帆、時任三郎、上島竜兵、小島聖、カンニング竹山、嶋田久作、宇津井健 他
 

風吹ジュン
そして父になる(是枝裕和監督)
9月28日公開 共演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、樹木希林、夏八木勲 他
 
永遠の0(山崎貴監督)
12月21日公開 共演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、濱田岳、染谷将太、三浦貴大、上田竜也、新井浩文 他
 

西田尚美
江の島プリズム(吉田康弘監督)
8月10日公開 共演:福士蒼汰、野村周平、本田翼、未来穂香、吉田羊、赤間麻里子 他
 
陽だまりの彼女(三木孝浩監督)
10月12日公開 共演:松本潤、上野樹里、玉山鉄二、大倉孝二、谷村美月、菅田将暉、夏木マリ、塩見三省 他
 
 
 

さよなら渓谷

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
愛情か憎悪か、理解しづらい夫婦の関係の根本にあった事件と、それから15年後の約束とは、、、。
− 遠くを見つめる寂しげな眼差しの奥に、哀しみと憎しみをためこんだ真木よう子の瞳の表現力 −
 
東京の西のはずれ、長閑な渓谷の近くで暮らしているかなこ(真木よう子)と夫の俊介(大西信満)。
冒頭から二人が激しく抱き合うシーンが用意され、愛し合う普通の夫婦関係に見えるのですが、、、。
 
真木よう子は、ラブシーンはもちろん、やつれた姿を見せたり、怒りを爆発させる場面があったり、
時として何を考えているかわからない素振りを見せるなど、心理描写が難しいキャラクターを熱演。
ひさびさとなる単独主演を堂々とこなし、エンディングテーマも彼女自身が歌っています。
 
さて、そんなある日、夫婦の隣家の女性が、まだ幼い自分の子供を殺害した容疑者として連行され、
静かな町がざわめき立ちます。外を見た俊介も、「外、(取材陣で)すごいことになってるよ」と、
かなこに声をかけながら、あくまでも客観的に、第三者としてその事件を遠くで見ている様子です。
 
ところが、事態は一転、その事件の共犯者が夫の俊介だと、かなこ自身が警察に通報するのです。
当然、事件には一切関係のないはずの俊介ですが、いったん警察で取り調べを受けることになります。
面会に来たかなこが問います。「そっちは食べてる?」と。「ちゃんとめし食ってるから」と答える俊介。
なぜ、二人は事件のことに触れないのか。通報した妻を、なぜ夫は問い詰めないのか。
しかも、その後の取り調べで俊介は、「かなこが証言した通りです」と供述してしまうのですが、、、。
 
事件の取材で現場に何度も来ていた週刊誌記者の渡辺(大森南朋)は、容疑者の隣家の住人とはいえ、
幸せそうに見えていたかなこと俊介に疑いを抱くはずもなかったのですが、かなこが通報したことから、
俊介の過去について調査し、ある過去の事件と、意外すぎる現実を知ることになるのですが、、、。
 
映画はこのあたりから回想シーンが効果的に盛り込まれ、かなこと俊介の15年前、
二人が再会した3年前、そして現在の二人の生活をシンクロさせながら展開していきます。
実はかなこと俊介は、高校時代、一生ぬぐいきれないであろう事件にかかわっていたのですが、、、。
 
3年前の回想シーン。かなこが入院していた病院にやってきた俊介は、やつれきったかなこに、
15年ぶりに再会します。患者として苦しんでいるかなこと、普通に会社員として働いている俊介。
あれから15年後、まったく立場の違っていた二人は、この瞬間を機に、同じ境遇へと導かれていくのです。
 
しかしそれは、愛とは言えないようです。冒頭のシーンでは、二人に深い愛情があるようにも見えますが、
かなこにしてみれば、なんとしても憎しみ晴らしたい感情だったのかもしれません。そして俊介にしてみれば、
一生をかけてでも償いをしたい気持ちから生まれた行動だったのかもしれませんが、いずれにしても、
二人は同じ電車に乗り、東京のはずれの渓谷のある町へと流れつくのです。
 
ではなぜ二人は夫婦となったのか、、、。普通の夫婦は幸せになるためにいっしょになるものでしょう。
しかし、この二人は違いました。そこにはまったく正反対の目的があり、、、。
 
事件が解決した数日後、ひさびさに現場の町にやってきた渡辺が、渓谷で見かけた俊介に声をかけます。
「かなこさん、お元気ですか」と。その時、俊介の口から、3年前のかなことの約束が明かされます。
その言葉によって、それまでの謎めいた二人の関係性が、ややすっきりと見えてくるものの、
その後、かなこと俊介がどうなるのか、そしてラストの渡辺の問いかけに、俊介がどう答えたのか、、、。
 
それは映画を観る者の判断に委ねられそうですが、緊張感あふれる映像がスクリーンを常に支配し、
登場人物の台詞ひとつひとつに、そしてちょっとした表情の変化に、彼らの微妙な心理状態が映し出され、
鈴木杏、鶴田真由、井浦新、新井浩文ら、脇役陣の好演も光る作品に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
真木よう子
そして父になる(是枝裕和監督)
9月28日公開  共演:福山雅治、尾野真千子、リリー・フランキー、風吹ジュン、樹木希林、夏八木勲 他
 
 
 
 
 

奇跡のリンゴ

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
諦めかけた時、いや、10年間も諦めなかったからこそ、山の神様が奇跡を叶えてくれたのか、、、。
− 菅野美穂、子育てしながら夫を支え続けた妻の津軽魂、その芯の強さを汗と涙で表現 −
 
今では当たり前のように食べているリンゴですが、明治初期にアメリカから日本に持ち込まれた時は、
国策として全国に苗木が配布されたものの、その栽培の難しさから、青森県や長野県などを除けば、
栽培を断念する農家が続出したという、そんなリンゴの歴史紹介に始まるストーリー。
 
リンゴ栽培を実現させたのが農薬で、いろんな農薬が1年間に10〜16回も散布されていることなど、
この映画を観るまで知りませんでしたが、農薬がなければリンゴは育たないというのが常識であり、
それを打ち破ったのが、木村秋則(阿部サダヲ)という人物だったのです。
 
映画は秋則の少年時代から始まりますが、「笑いは人間だけが持ってる性能だ」と考えていたり、
機械モノを分解するのが大好きな彼は、ちょっと変わった少年でした。母親(原田美枝子)からは、
「答を見つけねば気がすまねえのが、あんただ」とも言われていました。
いつも秋則をやさしく見守る母親像。原田美枝子の演技はいつ見ても安定感があります。
 
そんな秋則が、リンゴ農家の娘で、同級生でもあった美栄子(菅野美穂)と結婚して養子に入ります。
当然リンゴ栽培が日々の仕事になりますが、農薬を散布した日、美栄子の体調の異変に気付く秋則。
美栄子の父親・征治(山努)から、「美栄子は農薬に敏感でな」という言葉を聞かされた秋則は、
「だったら農薬なんてやめたらいい!」と提案します。つまり、無農薬リンゴのキッカケは、
秋則の妻への愛だったのですが、「(農薬を止めたら)リンゴは育たない!」と征治から一喝されます。
 
そんなある日、本屋で自然農法についての本を偶然にも手にした秋則は、周囲の反対を押し切り、
無農薬リンゴへの挑戦を始めるのですが、当然、1年や2年では結果は出ません。それでも征治は、
戦争でラバウルに行った時に、不毛の地で野菜を育てた土を秋則に見せながら、
「戦地さ行く覚悟だぞ」と、秋則が無農薬栽培に取り組む姿勢に理解を示してくれていました。
 
5年目になっても答が出ず、秋則の実家の父親(伊武雅刀)が木村家に謝罪に訪れたり、
6年目には収入もなくなって車を売り、リンゴ畑まで2時間かけて歩いて行くようになったり、
やがて周りの住民たちからも、次第に秋則たち家族は見放されていきます。
7年目には親友のもっちゃん(池内博之)から、「いい加減、諦めろ!」とたしなめられるのですが、
秋則は躊躇なく言い返します。「俺が諦めるってことは、人類が諦めるってことだ!」と、、、。
 
ところがそれでもリンゴは育たず、8年目にはとうとう秋則も、美栄子に弱音を吐きます。
「(無農薬栽培を)諦めよう」と。しかしそれを聞いていた娘の雛子(畠山紬)が、
「やめたら、何のために私はこんな貧乏してるの!」と、父親につっかかってきて、、、。
 
そしてある夜、妻にも3人の娘たちにも迷惑をかけ続けたことを後悔し、
絶望を感じた秋則は、ある決意を持って山の奥へ奥へと入っていくのですが、、、。
 
どちらかと言えばコメディのイメージが強い阿部サダヲのシリアスな演技と、
都会的な女性が似合う菅野美穂が演じる東北地方のリンゴ農家の妻像。
そんな二人が演じる10年超に及ぶ苦闘は、実話だけに観る者に大きな感動を与えてくれます。
 
どんなことがあっても諦めないことの大切さ、そして少しでも普段と違ったところがあれば、
それが何かのヒントになるかもしれないという観察力の重要性も、この映画は教えてくれるのです。
 

<映画の次回作情報>
 
畠山紬
ペコロスの母に会いに行く(森崎東監督)
11月公開予定  共演:岩松了、赤木春恵、原田貴和子、竹中直人、加瀬亮、温水洋一 他
 
原田美枝子
蜩ノ記(小泉堯史監督)
2014年公開予定 共演:役所広司、岡田准一、堀北真希 他
 
 
 
 

 

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事