日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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渾身 KON-SHIN

 
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日本が誇る伝統行事。隠岐の島に伝わる古典相撲。ぶつかり合いと飛び交う塩の凄まじい迫力。
− 伊藤歩、親友の想いを胸に、娘の手を握り、夫を見つめる眼差しに見せる芯の強さと優しさと −
 
「古典相撲が今も残っている隠岐の島。その日、島はひとつになる」。
隠岐の島の空撮をバックに、こんな多美子(伊藤歩)のナレーションから始まるストーリー。
 
時代は移り変わっても、日本の各地には様々な伝統行事が残っています。
この作品のテーマは、隠岐の島に伝わる古典相撲。二十年に一度の大きな行事であること、
夕方から翌朝まで、夜を徹して行われ、子供から大人まで300番を超える取り組みが続くこと、
同じ相手と2番続けて対戦し、先に勝った方が2番目は相手に勝ちを譲ること。
つまり、必ず1勝1敗の引き分けとすることから、『人情相撲』と呼ばれていること等、
この伝統行事の解説も、ナレーションで語られていきます。
 
舞台は、まさに20年に一度の水若酢神社の遷宮を祝う古典相撲大会の夜。
約300番という取り組みの、その最後の最後の出番を、緊張の面持ちで待っているのは、
この相撲大会での最高位である正三役大関に選ばれていた英明(青柳翔)。
子供たちが対戦する様子などを挟みながら、物語はこの日までを回想の形で描いていきます。
 
かつて親が決めた婚約者との縁組を破談し、駆け落ち同然に島を飛び出していた英明。
それでも英明は島で暮らしたいと、妻の麻里(中村麻美)と島に戻って来ていました。
麻里は多美子の親友であり、島に戻ってきた時も、いちばんに多美子の家にやってきます。
多美子の母親(宮崎美子)が、「多美子もどっかにいい人いないかねぇ?」と冗談まじりですが、
このところの宮崎美子は、主人公の母親役というキャラでの好演が目立ちます。
 
しばらくして、英明と麻里の間には娘の琴世が誕生するのですが、
まだ琴世が幼い時期に、麻里が病に侵され亡くなってしまうのです。
幼稚園児となった琴世(井上華月)を、いつの頃からか、多美子が世話をするようになっていました。
 
次第に相手を意識するようになる英明と多美子。親友だった麻里への遠慮もあり、
正直な気持ちを伝えられない多美子ですが、ある日、募る想いを遠慮がちにも英明に伝えます。
「琴世ちゃん、お母さんが必要なんじゃないかな。いるの?いいひと」と。
そんな言葉に対して英明は、「多美ちゃんはどうなんだ?いるんだろ、いいひと」。
そんなもどかしい会話が交わされる中、周囲は多美子と英明の気持ちに気付いていて、、、。
 
伊藤歩のさりげない表情と言葉のふしぶしに見せる繊細な感情。ひさびさの主演作ですが、
嬉しい笑顔にも涙が流れる感動のシーンで見せる演技も冴え、彼女の代表作に加わりました。
 
クライマックスは、いよいよ最後の取り組み。睨み合う英明と対戦相手の敏夫(粟野史浩)。
行司の「待ったなし」の声にも、待ったをかけられ、次は待ったをかけかえす英明。
スローモーションになるカメラ。激しくぶつかり合い、腰を低くして相手の攻めに耐える英明。
なかなか勝負が決まらない白熱した対戦。まさに真剣勝負のリアルなシーンです。
 
「お父さんは負けないよ」と、手をつないだ琴世に声をかける多美子。
「ずっと手をつないでていい?ずっといっしょ、どこへも行かないよね?」と琴世。
「ずっと琴世ちゃんといっしょにいる。どんなことがあってもいっしょにいる」と多美子。
水入り後、お互いに投げを打ち合い、ほぼ同体で二人が土俵の外へと倒れ込んでいきます。

その瞬間、多美子は思わず琴世の手を離してしまいます。「お母ちゃん」と泣いている琴世。
「琴世ちゃん、ごめんね、手を離して(しまって)」と多美子。お母ちゃんと呼んでくれた琴世。
多美子を本当のお母さんとして認めてくれた瞬間でした。
 
大一番の後、まさに『人情相撲』にふさわしく、敵を讃え合うシーンも用意されており、
勝っても負けても遺恨を残さないという古き良き伝統行事の素晴らしさも伝わってきます。
 
「絆や思いやりという言葉だけでは言い表せない、日本の心がそこにある」。
こんなラストの多美子のナレーションが、心に響く感動作に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
伊藤歩
横道世之介(沖田修一監督)
2月23日公開   共演:高良健吾、吉高由里子、池松壮亮、綾野剛、井浦新、余貴美子 他
 
シャニダールの花(石井岳龍監督)
2013年公開予定  共演:綾野剛、黒木華、刈谷友衣子、山下リオ、古舘寛治 他
 
 
 

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グッモーエビアン!

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息のあったアキとヤグのコンビと、アキの娘ハツキが織り成す3人のトライアングルストーリー。
− 麻生久美子が演じる自由で粋な母親は言う。「あんたの将来はあんたが決めればいい」と −
 
  あなたが生まれたとき 
  あなたは泣いて まわりはみんな笑っていたでしょう
  だからあなたが死ぬときは 
  まわりが泣いて あなたが笑っているような
  そういう人生を歩みなさい
 
まずスクリーンに映し出さるこの言葉。これがストーリーにどうつながっていくのか、、、。
 
アキ(麻生久美子)は、17歳にして出産したという若い母親。
その娘ハツキ(三吉彩花)も、中学3年生となり、進路に悩む今日この頃。
実生活でも昨年5月に母親になったばかりの麻生久美子ですが、娘を見つめる温かい眼差しが、
これまでよりさらに真剣に見えたのは、気のせいではないはず。しかも、本作の撮影時期は、
妊娠4か月目だったとのこと。ライブシーンもあったりで、気苦労も多かったと思いますが、
娘の生き方、考え方を認め、カッコよくて愛情にもあふれる母親を好演してくれました。
 
また、ハツキ役を演じた三吉彩花は、先日発表されたばかりの第67回毎日映画コンクールで、
スポニチグランプリ新人賞を受賞。2007年の「女の子ものがたり」(森岡利行監督)で、
主人公の親友きいちゃん役を演じた頃と比べると、ぐっと成長した感があります。
その大きな瞳に特徴があり、今後のますますの活躍が期待される16歳です。
 
さて、そんなある日、ヤグ(大泉洋)から絵葉書が届きます。
「お母さん、ヤグからハガキ!」と伝えるハツキ。「マジ?なんて?」と応えるアキ。
普段からこんな会話を交わす母娘。とても仲が良い友達同士のような関係です。

ちなみにヤグというのは、ハツキが生まれる前からアキと暮らしていたという、
アキの昔のバンド仲間で、海外放浪の旅をしている自由人です。
 
ハガキが届いてから半年後、実際にヤグが帰ってきます。外国帰りだけに、
やたら英語を使いたがったり、大騒ぎしていたかと思うと、急に眠りに落ち、
「電池切れた」とアキが言ってみたり、そんなヤグをちょっとうっとおしく思い、
ヤグに甘い母親にも、ちょっとキレ気味になってしまうハツキ。
 
ヤグはハツキのことを「ハッピーちゃん」と呼ぶのですが、それもハツキは嫌でしょうがない。
でもその呼び方にこそ、心温まるエピソードが隠されていようとは、、、。
 
その後に盛り込まれるハツキと親友トモちゃん(能年玲奈)のエピソードも、
後半のストーリーに膨らみをもたせてくれます。授業中の中学校にヤグが押しかけて、
ハツキに、「さよならとありがとうは、言える時に言わないとダメ!」と叫んだり、、、。
 
ハツキの進路のことや、ヤグのことで、アキとハツキがぶつかりあったり、、、。
高校には行かずに就職したいとハツキが言いだしたり、、、。それでも、
「私は何があっても、あんたを捨てたりはせんよ。もう二度とバカなことは言わんで」
と言うアキの母親らしさも最後まで際立っています。
 
そして迎える盛り上がりのラストステージ。歌うヤグ、演奏するアキ、駆け上がってくるハツキ。
まさにハッピーな笑顔がステージ上に揃い、3人が本当にハッピーになれる言葉が、
やっとヤグの口から発せられる時、3人の家族以上の固い絆を感じさせてくれる感動作です。
 

<映画の次回作情報>
 
麻生久美子
舟を編む(石井裕也監督)
4月13日公開  共演:松田龍平、宮あおい、オダギリジョー、黒木華、渡辺美佐子、池脇千鶴 他
 
ばしゃ馬さんとビッグマウス(吉田恵輔監督)
今秋公開予定  共演:安田章大 他
 

三吉彩花
十五の春〜旅立ちの唄〜(吉田康弘監督)
今春公開予定  共演:小林薫、大竹しのぶ、早織、小久保寿人、普久原明、立石涼子 他
 

能年玲奈
ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜(及川善弘監督)
1月26日公開  共演:長塚京三、須賀健太、福田沙紀、鈴木裕樹、ヒガリノ、綾田俊樹 他
 

小池栄子
草原の椅子(成島出監督)
2月23日公開  共演:佐藤浩市、西村雅彦、吉瀬美智子、黒木華、若村麻由美、井川比佐志 他
 
許されざる(李相日監督)
9月13日公開  共演:渡辺謙、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、近藤芳正、國村隼、佐藤浩市 他
 

 
 
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男女逆転の世に生きた女将軍。求められたのは世継ぎのための愛。求めたのはプラトニックな愛。
− 菅野美穂、母としての強さ、娘としての弱さ、そして将軍としてのカリスマ性を巧みに表現 −
 
昨年10月期のドラマ「大奥〜誕生[有功・家光篇]」の終盤、三代将軍・徳川家光(多部未華子)と、
有功=ありこと(堺雅人)の弟子であった玉栄(田中聖)との間に、徳子姫が誕生しました。
今回の映画版「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]」の舞台は、それから三十数年後、
徳子姫が五代将軍・徳川綱吉(菅野美穂)となって、江戸幕府を統治している時代です。
 
前作の映画「大奥」(2010年)では、八代将軍・徳川吉宗(柴咲コウ)の時代が描かれましたが、
男女逆転のそもそもの誕生が、家光の時代であったという過去がドラマ版から描かれ、
ドラマ版の終了と共に、その次の時代が映画版で描かれるという今回の大奥プロジェクト。
 
そのテーマは、[有功・家光篇]も[右衛門佐・綱吉篇]も、男女の愛に他なりません。
ドラマでは有功と家光の愛、そして映画では右衛門佐=えもんのすけ(堺雅人)と綱吉の愛です。
架空の疫病によって男子が激減し、女性が将軍位を継ぐ時代になっても、
男女の愛が大きなテーマとして貫かれた時代劇。それが大奥の世界なのです。
 
このプロジェクトで注目すべき点の一つは、ドラマ版で有功を演じた堺雅人が、
映画版で右衛門佐を演じている点です。つまりドラマ版から観ているファンにとっては、
堺雅人の一人二役を見られるわけですが、その登場シーンは対称的で、まったく別の性格です。
しかし最終的には、共に大奥総取締という職につくことになります。
 
またドラマ版(家光の時代)では若かった玉栄が、年老いて桂昌院(西田敏行)となり、
映画版に登場してくる点も見逃せません。右衛門佐が初めて大奥に姿を現した時、彼を見た桂昌院が、
思わず「有功様、、、」とつぶやくシーンがあるのですが、それだけ右衛門佐の顔立ちが、
かつての師匠・有功に似ていたという設定に、説得力を与える堺雅人の一人二役です。
 
さて、徳川綱吉と言えば「生類憐れみの令」が有名ですが、映画の中でもこの御触書が出てきます。
しかもその発端を、綱吉の父親である桂昌院の過去に持ってきた点も興味深い設定です。
ドラマ版の中で、のちに桂昌院となる玉栄が、猫を殺生するシーンがありました。
もちろん理由があってのことですが、まさか三十数年経って、その殺生に天罰が下るとは、、、。
 
晩年、世継ぎを産むことができず、精神的に追い詰められていく綱吉。しかしある時、
「上様、生きるということは、ただ家の血をつないでいくことではございますまい」と、
右衛門佐から諭され、愛に生きることを決意する綱吉。
 
クライマックスでは、綱吉が、もう父親からは一人立ちし、自分の意志で後継を決め、
思うがままに生きるという姿を見せるのですが、菅野美穂の解き放たれた笑顔のアップが、
他人や境遇に左右されることなく、自分の意志で生きていくことの幸せを感じさせます。
 
派手な争いごとのない時代劇で、江戸時代版ラブストーリーとも呼べる作品なのですが、
愛がテーマゆえ、登場人物たちの切ない気持ちや嫉妬心が、この物語に効果を与えています。
特にその感情を見事に表現できていたのが、綱吉を支える側用人・柳沢吉保役の尾野真千子。
男ばかりの大奥に確実に花を添えてくれた彼女の存在感も、この作品で強調しておきたい点です。
 

<映画の次回作情報>
 
菅野美穂
奇跡のリンゴ(中村義洋監督)
6月8日公開  共演:阿部サダヲ、池内博之、笹野高史、伊武雅刀、原田美枝子、山努 他
 

尾野真千子
探偵はBARにいる2(橋本一監督)
5月11日公開  共演:大泉洋、松田龍平、渡部篤郎 他
 
謝罪の王様(水田伸生監督)
9月28日公開  共演:井上真央、阿部サダヲ、岡田将生、高橋克実、松雪泰子、竹野内豊 他
 
して父になる(是枝裕和監督)
10月5日公開  共演:福山雅治、真木よう子、リリー・フランキー、風吹ジュン、樹木希林 他
 
 

綱引いちゃった!

 
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綱引き。その地味な競技をめぐり、個性あふれるキャスト陣が派手に生み出す笑いと涙と感動と。
− 松坂慶子のボケに井上真央のツッコミが冴える、綱引きも会話も、母と娘の息がピッタリ −
 
綱引きチームのコーチを引き受ける公雄(玉山鉄二)が、綱引きを熱く語るシーンがあります。
「綱引きほど合理的なスポーツはねえ(ない)!」と。つまりいくら優秀な選手が揃っていても、
団体競技となると、チームワークが良くなければ、決して勝つことができないのだ、、、と。
 
スポーツの中でも、たとえば野球やサッカーのような球技ならば、チームプレーだけでなく、
個々のプレーも勝敗に大きく影響を及ぼします。しかし、綱引きは8人の選手全員が、同じ瞬間に、
同じプレーをする。綱を力強く引くときは引く、引きながら耐える時は耐える、その同じ動きを、
8人の選手全員が寸分違わずやり遂げた時こそ、チームは勝利をつかみとることができるのです。
 
さて、これが綱引きの映画とは思えない、カッコいいオープニングシーン。もちろんその場面にも、
ちゃんとオチがあるのですが、メインタイトルからコメディ感覚があふれています。
 
大分市の給食センターで働く7人の女性たちと、市役所の広報課に勤める千晶(井上真央)は、
当初、大分市のPRのため、そして母親の容子(松坂慶子)らが勤める給食センター存続のため、
そんな一石二鳥の理由で、女子8人の綱引きチームを結成することになります。
 
しかし、同じ職場で働いていても個性も世代もバラバラな女性たち。みんな問題を抱えていたり、
いろいろな誘惑があって、なかなか綱引きの練習に集中することもままなりません。
 
美香(渡辺直美)の父親(笹野高史)は認知症で、美香は父親の介護もしなければなりません。
自分の娘のことまで忘れてしまっても、教師という仕事だけは忘れていないその父親が、
いろんな場面で効果的な台詞を繰り出します。この父親は、笹野高史の持ち味が光るキャラです。
 
メンバーの中でも若い麗子(ソニン)は、町に気になる男性がいるようで、、、。
かおる(犬山イヌコ)は、綱引きよりギャンブルが大好きで、、、。
沙織(中鉢明子)はいつも煙草を吸っていて、運動には良くないとコーチから言われ、、、。
 
和枝(浅茅陽子)は、いつも練習を早退しがち。その理由は何なのか。
それがわかった時、親友の容子は言います「私が和枝でも、誰にも言わんかったと思う」と。
そして、「何も言わんでも助けてあげるんが、ほんとの親友っちゃ」と、、、。
 
絵美(西田尚美)は、亡くなった主人の連れ子だった息子となかなかうまくいきません。
しかし、反抗期の息子もそんな母の気持ちを悟っていて、ある時、感情が爆発します。
「俺さえおらんかったら自由になれるんやろ!、(俺はバイトして)1人で生きていくけん!」と。
そんな息子に対し「許さんよ!そげんこと!」と、絵美は秘めていた想いを打ち明けるのですが、、、。
 
そんな和枝と絵美の家族のエピソードは、ストーリーの終盤で大きな感動を誘いました。
 
若手からベテランまで多くの女優陣が顔を揃えたこの作品にあって、やはり特筆すべきは、
母と娘を演じた井上真央と松坂慶子。遠慮のない会話の中に生まれる母娘ならではの空間と時間。
その息のあったコンビネーションは、さすがアカデミー賞女優二人の、絶妙なる共演です。
 
愛すべき仲間たちや、それぞれの家族の気持ちに込められたいろんな感動があり、
あらゆるシーンに、ちょっとした笑いもちりばめられたハートフルコメディ。
 
綱引きのシーンもトレーニングを積んで、すべて自分たちで演じたという女優たちに拍手です。
 

<映画の次回作情報>
 
井上真央
謝罪の王様(水田伸生監督)
2013年9月28日公開 共演:阿部サダヲ、岡田将生、尾野真千子、高橋克実、松雪泰子、竹野内豊 他
 
永遠の0(山崎貴監督)
2013年12月公開予定 共演:岡田准一、三浦春馬、濱田岳、染谷将太、三浦貴大、吹石一恵、風吹ジュン 他
 

松坂慶子
牙狼<GARO>〜蒼哭ノ魔竜〜(雨宮慶太監督)
2013年2月23日公開 共演:小西遼生、久保田悠来、蒼あんな、螢雪次朗、影山ヒロノブ、渡辺裕之 他
 

西田尚美
図書館戦争(佐藤信介監督)
2013年4月27日公開 共演:岡田准一、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、橋本じゅん、栗山千明、石坂浩二 他
 
 
木南晴夏
百年の時計(金子修介監督)
2013年初春公開予定 共演:ミッキー・カーチス、中村ゆり、木内晶子、宍戸開、水野久美、井上順 他
 
 
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タナダユキ監督が女性の視点で描く群像劇。肉体的に精神的にも悩める人間たちの生きざま。
− きわどいシーンも恥ずかしい台詞も躊躇なくこなす田畑智子の、大胆かつ繊細な演技力 −
 
人間は過ちから成長するものですから、将来のためには、強い人間として生きていくためには、
ある程度の失敗なら経験することも必要です。生きているのが辛いとか、人生どん底だとか、
そんな気持ちに苛まれても、その状態から這い上がることができれば、それまで以上に、
大きな生きる希望が湧いてくるのではないでしょうか。
 
アニメキャラのコスプレに身を包み、ベッドを共にする里美(田畑智子)と卓巳(永山絢斗)。
二人の激しいベッドシーンから幕を開ける物語は、この二人をストーリーの中心に据えながら、
周囲の人物たちが置かれた立場にも目を向け、悩める人間たちの群像劇となっています。
 
専業主婦の里美は、夫(山中崇)との間に子供ができず、姑(銀粉蝶)がやってくる度に、
いつになったら孫の顔が見られるのかと責められるばかり。不妊治療を受けさせられたり、
体外受精を強いられたりするのですが、夫は非協力的であり、夫婦生活にもうんざりしています。
 
そんなある日、アニメのイベントで出会った卓巳が近くに住んでいることを知ると、
卓巳を自宅のマンションに誘い、お互いにコスプレを着て情事を繰り返すようになるのです。
里美にとっては、現実逃避したいため、自らの欲望を満たすための性生活だったのですが、、、。
 
里美のそんな生活を夫と姑に知られてしまったところから、里美と卓巳の関係が崩れていくのです。
後悔してもすでに遅いのですが、二人の後悔の気持ちが、お互いに出会った時からの回想の形で、
しばらく描かれていきます。同じ時間経過を、それぞれの立場からとらえることで、
女性と男性の、そして主婦と高校生の、考え方の違いが伝わってくるシナリオと言えるでしょう。
 
映画はこの二人だけではなく、やはりいろんな問題を抱えた他の人物たちも丁寧に描かれています。
脇役と言えども、その細かい演出によって、彼らの気持ちがひしひしと伝わってくるのです。
 
卓巳の親友の良太(窪田正孝)は、認知症の祖母と団地での二人暮らし。
自分のコンビニでのバイト代だけが頼りで、生活は、かなり苦しい様子です。
祖母が外で草を食べてしまったり、部屋を水びたしにして周囲に迷惑をかけてしまったり、
そんな腹の立つであろう状況にも耐えて、祖母の面倒を見なければなりません。
 
良太の空腹を満たすのは、コンビニの弁当の匂いであったり、一粒のチロルチョコだったり、、、。
それでもバイト仲間の純子(小篠恵奈)や卓巳の母親(原田美枝子)は良太の状況をわかっていて、
時に力を貸してくれるという、人間の温もりを感じさせるシーンも随所に盛り込まれます。
 
ある日、いよいよ食費もなくなった良太が、家を出て行った母親(峯村リエ)のアパートを訪ね、
部屋の外からドア越しに、ぼそっと声をかけるシーンも象徴的です。
「ねぇ、なんで俺を産んだの?ほしくもないのに、できちゃったんでしょ」と、、、。
 
その一方、助産師である卓巳の母親が、妊婦と出産について語り合うシーンも何度か登場するなど、
いろんな形で、命について訴えかけてくるストーリーとなっています。
 
しかしこれは、そんな新しい命を生み出せるようになる世代とでも言うのでしょうか、
高校生である卓巳の成長の物語でもあり、それを感じさせる卓巳の最後の台詞と、
そのラストカットが印象的な作品に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
田畑智子
鈴木先生(河合勇人監督)
2013年1月12日公開 共演:長谷川博巳、臼田あさ美、土屋太鳳、風間俊介、斉木しげる、富田靖子 他
 
つやのよる(行定勲監督)
2013年1月26日公開 共演:阿部寛、小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、大竹しのぶ 他
 
くちづけ(堤幸彦監督)
2013年5月25日公開 共演:貫地谷しほり、竹中直人、宅間孝行、橋本愛、麻生祐未、平田満 他
 

小篠恵奈
ももいろそらを(小林啓一監督)
2013年1月12日公開 共演:池田愛、藤原令子、高山翼、桃月庵白酒 他
 
四十九日のレシピ(タナダユキ監督)
2013年公開予定   共演:永作博美、石橋蓮司、岡田将生、二階堂ふみ、原田泰造 他
 
ほとりの朔子(深田晃司監督)
2013年公開予定   共演:二階堂ふみ、鶴田真由、杉野希妃、太賀、渡辺真起子、志賀廣太郎 他 
 

原田美枝子
奇跡のリンゴ(中村義洋監督)
2013年公開予定   共演:阿部サダヲ、菅野美穂、池内博之、笹野高史、伊武雅刀、山努 他
 

銀粉蝶
R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私(竹中直人監督)
2013年2月2日公開 共演:平田薫、安藤政信、綾部祐二、津田寛治、山内圭哉、馬渕英俚可 他
 
すーちゃん まいちゃん さわ子さん(御法川修監督)
2013年3月2日公開 共演:柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶ、木野花、染谷将太、井浦新 他

 

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