日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

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紙の月

 
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人間を導くのは本能か、欲望か。それともお金か、自由か。サスペンスの結末にも注目。
− 宮沢りえ、熱い眼差しと冷めた視線が交錯する女性像。情熱的なラブシーンも −
 
映画での主演は、2007年の「オリヲン座からの招待状」以来、約7年振りという宮沢りえ。
第27回東京国際映画祭最優秀女優賞をはじめ、山路ふみ子映画賞第28回女優賞、
第39回報知映画賞主演女優賞、第27回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞、
第36回ヨコハマ映画祭主演女優賞と、ほとんどの映画賞で主演女優賞を受賞。
今後の主演女優賞レースでも、最有力候補と言っていいでしょう。
 
さて、平凡な主婦・梨花(宮沢りえ)が、巨額横領事件に手を染めていく物語。
仕事にも真面目、夫に対しても素直だった女性を、犯罪者にしてしまう人間の恐ろしさ。
何が彼女をそうさせたのか。どんな条件が重なったのか、そのきっかけから、
犯罪が明るみに出た後までを、サスペンスフルに描いた作品に仕上がっています。
 
夫婦関係のすれ違い感覚、職場の人間関係の型にはまった風景、情熱的な恋愛模様、
時に漂う緊張感など、吉田大八監督の演出手腕がすみずみまで発揮されています。
吉田監督と言えば、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(2007)で、
永作博美に多くの女優賞をもたらしたことでも実証済みのように、
女優の、それまでになかった側面を引き出してくれる監督です。
今回も、その演出力が大島優子の報知、ヨコハマでの助演女優賞、
さらに小林聡美のヨコハマでの助演女優賞につながったのではないでしょうか。
 
銀行でパート勤めをしていた梨花が、その仕事ぶりが評価されて契約社員となり、
外交員としてお得意の平林(石橋蓮司)の自宅に来ています。
強面で難しそうな顧客の平林ですが、外見とか言葉使いだけで人を判断してはいけません。
それが後に、梨花を勘違いさせる結果につながったりします。
 
また、そこで平林の孫で大学生の光太(池松壮亮)と出会いますが、
偶然の再会が続く中、二人はただならぬ関係となってしまい、光太は借金があると言います。
顧客から預かった大金を、解約したことにして横領してしまう梨花。
時を同じくして、夫(田辺誠一)は上海に転勤になり、一人暮らしとなった梨花は、
自宅を定期預金証書の偽造や偽チラシ印刷、証拠隠滅のための作業場に変えてしまうのです。
 
梨花が担当する顧客は、どちらかと言えばお金に余裕のある人ばかり。
また、若い行員の相川(大島優子)は、いろいろと割り切って仕事をしている女性で、
相川の本音の言葉は、梨花にとってはすべてが悪魔のささやきになってしまうのです。
直接は加担していなくても、梨花にとっての支援者的な役割を大島優子が好演です。
また、先輩行員の隅(小林聡美)は、その鋭い観察眼から、梨花を怯えさせる存在です。
終盤で梨花と隅が対峙するシーン。「どうして月が消えるの」「ニセモノだから」。
そんな会話の緊迫した雰囲気を打ち破るのは、、、。
 
どんな大金であっても、しょせんは紙でできたもの。いったん火がつけば燃えて無くなる。
大きなガラスであっても、たったひとつの大きな衝撃で簡単に壊れてしまう。
そんな紙やガラスの脆さが、人間の心の弱さを象徴するかのようなクライマックスですが、
その後の梨花の行動に意外性がありました。
 
破滅に向かったはずの主人公に一筋の光が差しこむラストシーン。
梨花の前に姿を現す人物が、彼女にとってのせめてもの救いと言えるでしょう。
 
 
<映画の次回作情報>
 
平祐奈
案山子とラケット〜亜季と珠子の夏休み〜(井上春生監督)
 2015年4月4日公開 共演:大友花恋、星田英利、小市慢太郎、関めぐみ、柳葉敏郎 他

伊勢志摩
ジヌよさらば〜かむろば村へ〜
(松尾スズキ監督)
 2015年4月4日公開 共演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行 他

 
 

想いのこし

 
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どうしても果たしかった4人の想い、その瞬間を目の当たりにする度に揺れる青年の想い。
− 広末涼子、華やかに踊るポールダンスの充実感と、息子を見つめる眼差しの喪失感 −
 
人間はいつどんな事故に遭うかなんてわかりません。誰にだってその危険と隣り合わせです。
たとえば大きな自動車事故だったら、一瞬にして命を落とすことだってあるのです。
普通に生活している自分が明日からいなくなったとしたら、、、。考えたくもないことですが、
それは自分だけのことにとどまらず、周りの人間に及ぼす影響の方が大きいのかもしれません。
 
好きな人に対して、家族に対して、あるいは仕事に対して、想いのこしたことがある。
だからこそすんなり死ぬわけにはいかない。そんな強い気持ちが、死んでしまった4人を、
幽霊としてこの世に存在させることになるのです。そして4人が想いのこしたことをやり遂げる、
いや、もう自分自身ではできないので、やり遂げてもらうと言ったほうがよいでしょうか。
 
その想いを請け負うことになるガジロウ(岡田将生)。生きることをナメていたような青年が、
死んだ人間の「最期の生きざま」を見ることで、彼自身も成長するストーリーとなっています。
 
仕事に出かける前、せかせかとハンバーグを焼いているユウコ(広末涼子)。
帰ってきた息子の幸太郎(巨勢竜也)に、「(勉強の方は)最近どう?」と声をかけると、
「まあ、順調だけど」とそっけない返事。冷めた親子関係にも見える冒頭のシーンですが、
シングルマザーのユウコはいつも幸太郎を気にかけていました。一方の幸太郎にも、
母親に対する秘めた想いがあったのですが、それが終盤の感動的なシーンへとつながります。
 
ポールダンサーのユウコ。その仕事帰り、ジョニーさん(鹿賀丈史)が運転する車に、
ルカ(木南晴夏)、ケイ(松井愛莉)と一緒に乗っています。車内から幸太郎に電話をかけますが、
母親からだとわかっている幸太郎は電話に出ません。そして留守番電話に残るメッセージ。
「お母さんです。あと30分くらいでうちに帰るからね」。
ところが、ユウコは二度と生きて幸太郎の前に姿を現すことはなかったのです。
 
広末涼子、木南晴夏、松井愛莉らが演じるポールダンスは、クライマックスでも重要なシーンで、
約3ヶ月間の練習をこなして撮影に臨んだという3人のダンスが作品を盛り上げてくれます。
 
さて、その電話からほどなく、ふらふらっと道路に飛び出してきたガジロウが原因で、
4人は交通事故に遭い、一瞬にして命を落としてしまのです、、、が、幽霊となって、
安置されている病院に、そして火葬場にと姿を現すのです。
ひとりぼっちになった幸太郎を寂しそうに見つめるユウコでしたが、、、。
 
そんなある日、幽霊であるはずのユウコの姿が見える、声が聞こえるというガジロウが、
ユウコの家にやってきます。いかにも不真面目でいいかげんな青年なのですが、
想いのこしたことをやってもらいたいと、ルカ、ケイ、そしてジョニーさんは、
死んでしまったがためにもう使うことができない多額の貯金をすべて差し出し、
ガジロウに頼みごとをします。もちろん大金に目がくらんだガジロウはその依頼を引き受けます。
 
本作で岡田将生は女と金にだらしない役柄をこなし、花嫁姿になったり、男性とキスしたり、
さらにポールダンスにも挑戦したりと、いろいろと大変な役をきっちりとこなしました。
 
ルカの頼みで花嫁姿になり、「ルカに会わせてくれてありがとう」と花婿に感謝されたり、
ケイの頼みで、手紙を野球部のキャプテン(川籠石駿平)に渡し、彼の最後の打席に向かって、
「ケイがここにいるぞ!ここで見てるから打て!!」とガジロウが叫び、試合後には、
「俺たちずっと仲間だから、おまえは一人じゃないから」というキャプテンの言葉を聞いたり、、、。
 
そしてジョニーさんの頼みで、大渋滞で立ち往生する消防車に救いの手をさしのべます。
現場でジョニーさんが放水の準備をしている姿を目撃し、「えっ?」と驚く後輩(佐藤二朗)。
しかし燃え盛る炎を前に、驚いている暇はありません。急いで消火にあたって鎮火させるのです。
「最後にもう一度いい仕事ができましたから」と言い残すジョニーさんの表情が満足そうでした。
 
最後に一人残ったユウコ。「私は消えない。幸太郎を置いて、いなくなれるわけないでしょ」と、
ガジロウに向かってきっぱり。しかし、幸太郎の母親に対する気持ちを知ったガジロウは、
幸太郎のために、ある仕事ぶりを見せる決心をするのです。
最初は嫌々ながら4人の頼みを聞いて動いていたものの、ガジロウの態度が少しずつ変わり、
やがて自ら動くことになるのですが、、、。
 
4人のエピソードから4つの感動が伝わってくる展開は、4人が仕事仲間だったことと、
そこにガジロウが存在することで、ぶつ切りのオムニバスではなく流れのあるストーリーとなり、
各々のクライマックスに感動が生まれる仕上がりとなっています。
 
ラストでガジロウと幸太郎がお互いに心を開く会話を交わすシーンにも好感が持て、
成仏した人間がいつも空から見守ってくれていると思わせるエンディングも爽やかです。
 
 
<映画の次回作情報>
 
広末涼子
くるみ割り人形(増田セバスチャン監督)
 11月29日公開  共演(声の出演):有村架純、松坂桃李、市村正親、由紀さおり、板野友美 他

木南晴夏
エイプリルフールズ(石川淳一監督)
 2015年4月1日公開 共演:戸田恵梨香、松坂桃李、ユースケ・サンタマリア、富司純子 他
 
 
 

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二度とできない夫婦喧嘩。もう一度言われたかった言葉は「バカだねぇ、おまえは」。
− 新垣結衣、初めての母親役で、慣れない子育てに孤軍奮闘の初々しさに好感 −
 
「(すでに自分は)この世の人間ではございません」。
落語家のユウタロウ(大泉洋)が、スクリーンから語りかけるシーンから始まる物語。
自らの葬儀のシーンと並行させながら、妻との出会いと結婚、そして妻の出産を、
ダイジェスト的に見せてくれます。
 
ユウタロウのウケない落語に静まり返った観客席の中で、ただ一人、
声を出して笑っている女性・サヤ(新垣結衣)に目が留まります。
舞台の後でサヤを呼び止めると、「あの〜、何で笑ったのかな?」と問いかけます。
「一生懸命だったから」。そんなサヤからのあっけない返答。
落語が面白かったという言葉こそ聞けなかったものの、
その日から、ユウタロウとサヤとの付き合いが始まるのです。
 
「一生懸命だったから」。何気ないひと言ですが、そう感じて笑ったサヤ自身も、
何事にも一生懸命な女性だと伝わってくる言葉に他なりません。
 
いずれにしても息子のユウスケが生まれたばかりで、さあこれからという時に、
交通事故で亡くなってしまったユウタロウが、サヤとユウスケのことが気になって、
成仏できないのです。この「気になって」という言葉のしつこいまでの繰り返しから、
ユウタロウの二人への想いがひしひしと伝わってきます。
 
そんな中、葬儀に顔を出すユウタロウの父親(石橋凌)。
棺の中で眠るユウタロウに向かって、「バカもん!」と怒鳴る声が聞こえてきます。
厳しい父親像が伝わるシーンですが、実はこのシーンは終盤への伏線になっており、
そこにはユウタロウと両親との思い出、親子の絆がたくさん詰まっていました。
 
さて、ストーリーはユウタロウがサヤの周りの人間たちに次々と乗り移りながら、
サヤを見守る展開となるのですが、特にお夏(富司純子)との掛け合いに注目です。
 
生前のことで夫婦喧嘩となる二人。赤ちゃんができたという報告が後回しになったサヤに、
腹を立てるユウタロウがいるかと思えば、真打昇進の報告が遅れたユウタロウに、
今度はサヤが怒ってみたりと言い争いは絶えません。しかしながら、
結局は、「死んでからの夫婦喧嘩はよそう」と冷静になるユウタロウでした。
 
そしてユウタロウの父親の話になり、「夫婦だって秘密の一つや二つくらいはあるもんだよ」と、
開き直るユウタロウだったのですが、、、。
 
この夫婦喧嘩のシーンでは、ユウタロウが乗り移った富司純子の、
熟練した演技が見事です。とにかくユウタロウに成り切った言葉使いや立ち居振る舞いは、
捨て身の熱演とも言え、今年度の助演女優賞に匹敵するのではないでしょうか。
 
さらに終盤、ユウタロウが佐野(中村蒼)というささら駅の駅員に乗り移ります。
やはり夫婦喧嘩になってしまうものの、やがて、
「私にはちゃんとユウちゃんが見える」というサヤから発せられる言葉と、
中村蒼が大泉洋の姿に変わり、サヤを抱きしめるシーンは感動的でした。
 
サヤを支えてくれる温かい人たちが生きる町・ささら。シフトレンズを使った俯瞰撮影で、
ささらの町をファンタジックな空間に仕立てあげた深川監督の映像へのこだわり。
そしてこのささらの地で、息子と共に生きていく決心を告げる亡き夫へのサヤの最後の言葉。
母親としての自信と、生きる希望を感じさせるエンディングも印象的。
そんなコミカルでファンタジックな人間ドラマに仕上がっています。

 
<映画の次回作情報>
 
新垣結衣
くちびるに歌を(三木孝浩監督)
 2015年2月28日公開 共演:木村文乃、桐谷健太、渡辺大知、石田ひかり、木村多江 他
 
 
 

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ふしぎな岬の物語

 
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家族を越えたつながりと、コーヒーの香りが漂う、ふしぎな岬のふしぎな人間模様。 
− 周囲の人間たちを包み込む温もりオーラを発散、吉永小百合の際立つ存在感 −
 
冒頭、岬の喫茶店から出てくる主人公の悦子(吉永小百合)の目には、
海を見下ろすベンチで絵を描く男性の後ろ姿が映っています。
しかし、その男性の姿が、悦子の幻想だと観る者はすぐに気づかされます。
「えっちゃんは毎朝、不思議な時間を過ごす」というナレーションが流れてくるのですが、
この映画はファンタジーですよと宣言しているようで、そこは違和感があります。
しかも、「俺はこの人を守ってやる義務がある」と阿部寛の声で聞こえてくるものの、
阿部寛が演じる浩司と悦子の関係が後半まではっきりしない点も、消化不良感が残ります。
そんな違和感に序盤から支配され、最後までその「ふしぎな」感覚から抜け出せませんでした。
 
物語が進むにつれ、悦子の周りにいろんな人物も登場してくるのですが、
シナリオが全員をさばき切れていません。どの人物も十分に描き切られておらず、
完成度の低いシナリオと言わざるを得ません。
裏を返せば、小さいエピソードを盛り込み過ぎたというべきか、
芸達者が顔を揃えていますが、もったいないキャストの使い方になってしまいました。
 
たとえばタニさん(笑福亭鶴瓶)。その登場シーンは、
「この30年、何も変わらへん、ここにおれるだけで、わしは幸せなんや」と、
悦子に対する言葉はけっこう重いのですが、そこまでの深い関係性が伝わってこないのです。
しかも中途半端な失恋?と船出ですから、深々と頭を下げる悦子に向かって、船上から、
「頭を下げるのはこっちや、ありがとう」と言われても、その言葉に説得力がありません。
 
また、深夜に泥棒(片岡亀蔵)が登場するシーン。
この岬の小さな喫茶店に泥棒というのも意外ですが、泥棒が壁の絵を見ていたのを、
悦子が気づいていたというのも違和感です。しかも悦子の言葉で泥棒の態度が変わり、
しかも最後にまた姿を現すというのは、ちょっといいシーンにも見えますが、無理があります。
 
中盤、浩司の幼なじみのみどり(竹内結子)が都会から戻ってきます。
竹内結子の優しい微笑とやわらかい語り口で、ある夜、みどりは浩司に語ります。
「高校生の私から見ても(浩司が悦子を好きだという気持ちは)バレバレだったよ」と。
「俺とえっちゃんは血がつながってんだぞ」と反論する浩司でしたが、この時点では、
まだ浩司と悦子の関係が明らかにされておらず、ここもちぐはぐさを感じるシーンです。
 
それでも、みどりの父親の徳さん(笹野高史)との父娘関係は救いでした。
虫の知らせという言葉も出てきましたが、離れていた家族とひさしぶりに再会すると、
なぜかその日に不幸が訪れたりする。似たような経験、誰にでもあるのではないでしょうか。
徳さんが倒れた時に、「お前は自分のことだけ考えろ」とみどりに強がってみたり、
生命保険証書を手にみどりが涙するシーンは、親子の絆を感じました。
 
そして終盤、岬の喫茶店に再びやって来た父親(井浦新)と幼い娘。
父親が、この娘は霊感のようなふしぎな力を持っていると言っていましたが、
その少女が出会ったという男性の存在と、そこから絵を持って行く流れがやや強引で、
どうも納得しづらい展開です。
 
その後の火事は、映画的にはクライマックスとなるシーンのはずですが、
燃え盛る炎を瞬きひとつせず、睨むように見つめる吉永小百合の表情だけが印象的で、
残念ながら今ひとつ盛り上がりに欠けるシーンでした。もちろん安定した演技力は、
吉永小百合が常に主演女優であり続ける理由でもあるのですが、、、。
 
いずれにしても、モントリオールで映画賞を獲った作品のため期待が大きかっただけに、
個人的には総合的な評価は低くなってしまいました。
 
 
 
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日本映画史にも残る壮絶なるクライマックス。5人がぶつかり合う死闘に見る殺陣の迫力。
− 武井咲、土屋太鳳、高橋メアリージュン。慕う女たちの、それぞれの想いにも注目 −
 
「るろうに剣心 伝説の最期編」は、公開6週目で観客動員が300万人を超え、
ロングラン中の「るろうに剣心 京都大火編」も公開12週目で観客動員は400万人を突破、
夏から秋へのるろ剣人気は衰えを見せません。
 
前作「京都大火編」でも見応える決闘シーンがいくつも繰り広げられましたが、
本作では、剣心(佐藤健)にとっての最強の敵・志々雄(藤原竜也)を相手に、
剣心ら4人が次々と挑んでいく死闘こそ、本作の、いや本シリーズ最大の見せ場となっています。
この約14分間に及ぶ流れるような殺陣は、日本映画史にも残るといっても過言ではありません。
 
さて、志々雄の船から荒れ狂う海に飛び込んだ剣心は浜に流れ着きましたが、
その剣心を拾ったのは比古清十郎(福山雅治)。三日間の眠りから目覚めた剣心は、
「薫どの!」との口にするや、すぐにその場を立ち去ろうとしますが、
「久しぶりだな、馬鹿弟子」と声をかける師匠・清十郎に再会し、想いを吐露します。
そして剣心は飛天御剣流の奥義を伝授してほしいと、清十郎に懇願するのです。
 
何度も清十郎と刀を交える剣心。かつての師匠と弟子という関係ながら、
剣心は最強の敵を倒す技を身に付けるため、師匠は弟子にもう一歩成長してもらうため、
そんなお互いの真剣な想いが刀に乗り移ったかのような竹林での対決のシーンは、
緊張感も高まる序盤の見せ場となっています。
やがて自分に欠けていたものを見い出し、満を持して出て行く剣心に、清十郎は言います。
「生きようとする意志は何よりも強い。お前のその命、決して無駄にしないと約束しろ」と。
 
東京の神谷道場に帰ってきた剣心を迎えてくれたのは恵(蒼井優)でした。
ところが束の間、「恵どの、先を急ぐでござるよ」と剣心はすぐに出て行こうとします。
「人を生かすことより、自分を生かすことを考えて」と恵にも同じようなことを言われ、
苦笑いの剣心。ところが出て行く直前、剣心は大勢の警察に取り囲まれてしまうのです。
しかし、警察本部へ連れてこられた剣心は、確信を持って伊藤博文(小沢征悦)に言い放ちます。
「伊藤さん、志々雄に近づきさえすれば勝機はある」と。

そして、志々雄の巨大な船が沖に停泊する浜辺に、剣心は連行されて来るのです。
やっとの思いで薫(武井咲)たちも追いかけてきます。
そこには剣心の公開処刑の場所が用意されていたのですが、、、。
 
ほどなくクライマックスの死闘へと突入。剣心と志々雄だけでなく、
そこに斎藤(江口洋介)、左之助(青木崇高)、さらに蒼紫(伊勢谷友介)も加わり、
スリルとスピード感あふれる決闘シーンが流れるように繰り広げられます。
 
生き残る者、死んでいく者。死んだことにされる者。激動の時代に生きた男たちの意志は、
時代と共に生まれ、その時代に翻弄され、そして時代と共に葬られていくのです。
 
戦争であれ政治であれ、何らかの戦いが終わると、いつも新しい時代が始まる。
そんなことを感じさせられながら、時代劇エンタテインメントは完結しました。
 

<映画の次回作情報>
 
武井咲
クローバー(古澤健監督)
 11月1日公開  共演:大倉忠義、永山絢斗、夏菜、上地雄輔、木南晴夏、西村雅彦 他
 
 
蒼井優
花とアリス殺人事件(岩井俊二監督)
 2015年2月公開 共演(声の出演): 鈴木杏 他
 
家族はつらいよ(山田洋次監督)
 2016年公開予定 共演:橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣中嶋朋子、妻夫木聡 他
 
 
 

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