日本映画の女優たち

グッドモーニングショー(君塚良一監督) 10月8日公開!

日本映画

[ リスト | 詳細 ]

日本映画見てますか。
記事検索
検索
 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
仕掛けたっぷり、小ネタ満載のコミカルワールドも、ファイナルでは切なさ漂うシチュエーションに注目。
− 仲間由紀恵、いちばんの当たり役。あの決め台詞も絶妙のコンビネーションも、いよいよ見納め −
 
14年間に渡って根強いファンの支持を得て、人気を誇ってきたトリックシリーズ。
山田奈緒子(仲間由紀恵)と上田次郎(阿部寛)の名コンビが見られるのもこれが最後です。
仲間由紀恵にとっては、ヤンクミを演じたごくせんシリーズと並ぶ代表作ですが、
阿部寛の上田次郎役も、二枚目が演じる三枚目の名キャラクターと言えるでしょう。
テレビドラマからスタートし、シリーズを経て視聴率も上がり、映画版も製作されるパターンは、
ここ数年、映画のスマッシュヒットの一つの典型となっています。
 
1作目の「トリック劇場版」(2002)は、興行収入12億9千万円(同年の日本映画第14位)。
2作目の「トリック劇場版2」(2006)は、前作を上回る興収21億円の大ヒット(同13位)。
3作目の「トリック劇場版 霊能力者バトルロイヤル」(2010)は多彩なゲストキャストが揃いましたが、
第2作にわずかながら及ばず、18億6千万円(同17位)の興収にとどまりました。
しかし今回は完結編ということで、シリーズ史上最高のヒットを期待したいところです。
公開から3週間で既に12億円を突破していますが、この後どこまで伸びるか、大いに注目です。
 
さて、今回はラストを飾るべく、二人が海外へ飛び出します。その舞台は、とあるアジアの秘境。
そこで二人が出会ったのは、現地の部族に信奉される呪術師ボノイズンミ(水原希子)。
時に病を治し、時に罪を犯した人を死に至らしめるという呪術を使うボノイズンミ。
彼女の呪術にはどんなトリックが隠されているのか。山田と上田はトリックを見破ることができるのか。
さらにボノイズンミが住む洞窟の壁画に隠された謎とは、、、。
 
現地のムッシュム・ラー村でレアアースを採掘する日本企業の社員として登場する加賀美(東山紀之)。
実は加賀美が上田に声をかけ、山田と共に現地に乗り込むのですが、上田と山田が、
初めて加賀美と出会った空港で、すでに呪術の謎を解く重大なヒントが明かされていたとは、、、。
 
相変わらず随所に小ネタがちりばめられており、凝ったネーミングやセリフまわしも出てきますが、
堤幸彦監督ということで、「SPECホルダー?」などというセリフが出てきたりもしますので、
会話を聞いているだけでもニヤリと笑えるシーンも盛りだくさんです。
 
また、水原希子が演じる呪術師は、当然ながら現地人の設定のため日本語が多少おぼつかないのですが、
そのたどたどしい日本語をしゃべり通したという意味では、水原希子の演技も評価できるでしょう。
 
この世の終わりが来ると予言する呪術師。その呪術師の周囲で次々と起こる不思議な現象。
そして山田が心を開くことで、呪術師から告げられた言葉。そして辿り着いた最大の謎の真相。
「みんなが助かる方法が一つだけあるんです」と言い放った山田。
その時、すでに覚悟を決めていた天才美人マジシャン山田の運命やいかに、、、。
ほぼ同じ場所にいるにもかかわらず、隔てられた山田と上田の空間。切ない空気が支配する瞬間。
否応なしに流れていく時間。この終盤の見せ場は、寂しい山田の眼差しが印象に残るシーンとなりました。
 
ドラマに始まり映画に終わるエンタテインメント、最後まで山田と上田のボケとツッコミが冴えわたり、
ある出来事から1年後に待っていた結末も、トリックならではでしょう。
 
トリックに笑い、トリックを暴き、トリックで泣く、まさに最後までトリックづくしのエンタテインメントでした。
 
 
<映画の次回作情報>
 
仲間由紀恵
ジョバンニの島(西久保瑞穂監督)
2月22日公開 共演(声の出演):市村正親、柳原可奈子、ユースケ・サンタマリア、八千草薫、仲代達矢 他
 
 

 

永遠の0

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
 
「たとえ死んでも、それでも僕は戻ってきます」。その約束に込められた語り継がれるべき戦争の記憶。
− 井上真央、終戦後、女手一つで幼い娘を育てる強い母。帰ってきた魂に向けた言葉と託した願い −
 
終戦間際、太平洋上を低空で飛んで行くゼロ戦。そのゼロ戦を誰よりも巧みに操っていた搭乗員こそ、
現代になって彼の信念と当時の葛藤を語られることになる宮部久蔵(岡田准一)、その人物なのです。
その瞬間の宮部の、家族と国家を想う気持ちはクライマックスまでお預けとなりますが、
再びこの映像が映し出される時こそが、感動が最高潮に達するシーンと言えるでしょう。
 
太平洋戦争における特攻隊は、爆弾を搭載した軍用機が敵艦船に体当りし、まさに自爆する作戦。
戦死を前提とした攻撃部隊です。そんな当時の特攻隊員の気持ちは、平和な現代に生きる者には、
なかなか想像もつきません。それでも日本映画は、数々の作品で特攻隊が描かれてきました。
 
本作では、亡くなった祖母・松乃の四十九日からしばらく経ち、祖父・賢一郎(夏八木勲)から、
宮部久蔵という実の祖父の存在を知らされた佐伯健太郎(三浦春馬)と、健太郎の姉の慶子(吹石一恵)が、
宮部とはどんな人物だったのか、そしてなぜ彼は特攻を志願し、特攻で亡くなったのか、
そこに興味を持つところから、物語はスタートします。
 
「享年26歳。(父が死んだのは)今のあんたと同じ歳」と母親(風吹ジュン)から言われた健太郎は、
当時、まだ希望も多いはずの若者だった祖父の想いを知ろうと、祖父の戦友だった人たちを尋ね歩きます。
しかし誰に聞いても、「あいつは臆病者だった」「誰よりも命を惜しむ者だった」などと言う人ばかり。
そんな話ばかりでうんざりしかけていた頃、宮部の意志を受け継いで今も生きている人たちに出会うのです。

井崎(橋爪功)という老人は病院で寝たきりで、余命わずかと宣告されており、
話すことさえままならないにもかかわらず、これだけは伝えたいと、宮部から言われた言葉を語ります。
『どんな苦しいことがあっても、生き延びる努力をしろ!』と言われたと。そして今の私があると。
「誰よりもつええ人です。だからあの生き方を貫けたんです。決して臆病者なんかじゃねえんです」と。
 
部下のことを想う立派な教官だったと語る武田(山本學)という大企業の会長もいました。
忙しいにもかかわらず、健太郎が宮部久蔵という名前を出して武田を呼びかけた途端、
すべての仕事の予定をキャンセルしてくれて、当時の痛々しいエピソードを聞かせてくれたるのです。
そして言います。「あの人こそ生き延びるべき人だった」と。
 
当時は国家のために死ぬことは名誉だという考え方があったという一方で、こんな人物もいました。
景浦(田中泯)という豪邸に住む老人は、「こんな作戦を考えるようでは日本は負けると思った」と、
当時を振り返ります。実は景浦は当時のゼロ戦乗りとしては、宮部の最大のライバルでもあり、
特攻で飛び立つ宮部を最後まで守るべき任務を負った人物でもあったのです。
その景浦から、健太郎は驚くべき真実を聞かされるのですが、、、。
 
その後、賢一郎から戦後の話を聞かされる健太郎。亡くなった祖母の戦後の苦しい生活が、
回想シーンで綴られていきます。大阪のとあるバラックに住み、ボロボロの服を着て、
内職をしながら、かろうじて生計を立て、娘の清子を必死で育てている松乃(井上真央)。
その松乃と賢一郎の出会いに込められた、宮部久蔵と松乃との約束とは、、、。
そして戦後いっさい口にしなくとも、松乃と賢一郎が絶対に忘れたことのない真実とは、、、。
 
賢一郎は健太郎に言います。
「生き残った者がしなければいけないのは、その死を無駄にしないことだ」と。
映画のテーマを同じでしょう。現代に生きる者たちが肝に銘じるべきは、多くの戦死者によって、
今の平和な日本という国家が成り立っているという現実にほかなりません。
 
現代パートと戦時中パートに分かれ、回想シーンを効果的に織り交ぜながらストーリーが展開しますが、
現代では芸達者なベテラン俳優が、その存在感を十分に発揮しています。
また戦時中パートでは、岡田准一はもちろん、濱田岳、三浦貴大、新井浩文、 染谷将太ら若手が熱演し、
緊張感が支配する基地内や戦闘のシーンを盛り上げている点も見逃せない感動作に仕上がっています。
 
 
<映画の次回作情報>
 
井上真央
白ゆき姫殺人事件(中村義洋監督)
3月29日公開 共演:綾野剛、菜々緒、金子ノブアキ、小野恵令奈、谷村美月、染谷将太、蓮佛美沙子 他
 

吹石一恵
銀の匙 Silver Spoon(吉田恵輔監督)
3月7日公開 共演:中島健人、広瀬アリス、市川知宏、黒木華、西田尚美、吹越満、石橋蓮司、中村獅童 他
 
神様のカルテ2(深川栄洋監督)
3月21日公開 共演:櫻井翔、宮あおい、藤原竜也、要潤、吉瀬美智子、濱田岳、池脇千鶴、柄本明 他
 

風吹ジュン
抱きしめたい 真実の物語(塩田明彦監督)
2月1日公開 共演:北川景子、錦戸亮、上地雄輔、斎藤工、平山あや、佐藤江梨子、佐藤めぐみ、國村隼 他
 
 

利休にたずねよ

 
イメージ 1
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
謎多き人物、千利休。後に茶聖と言われるまで茶の湯に没頭するきっかけと、究極の愛の形。
− 中谷美紀、夫の想いを尊重し、理解者たる妻の理想像を、佇まいとナレーションで表現 −
 
冒頭。切腹の朝から幕を開けるストーリー。
自刃したとされる千利休(市川海老蔵)ですが、今もって諸説ささやかれています。いずれにせよ、
仕えていた豊臣秀吉(大森南朋)の怒りを買ったことが、死に追いやられた原因のようです。
春の嵐の朝。死を決意した利休の傍に座っている妻の宗恩(中谷美紀)は、おそらく長年、
心に秘めていたであろう言葉を発します。「あなた様にはずっと想い人が、、、」と。
この宗恩の言葉に込められた利休の過去は、後に大胆な仮説と共に描かれ、そして終盤、
時代はこの日へと戻ってくるのです。
 
多くを語らない妻ゆえに、その所作や表情で心情を語る中谷美紀の演技は特筆に値します。
夫を尊敬し、ずっと寄り添い、夫の最期の時まで、その意志を尊重する女性像を好演しました。
ほぼ同時期に公開されていた「清須会議」(三谷幸喜監督)とはまったく違った妻の姿を見せています。
しかも「清須会議」で演じていたのは豊臣秀吉の妻。そして本作で演じたのは、
豊臣秀吉に自刃に追い込まれた千利休の妻。そんな巡り合せも、中谷美紀ならではでしょうか。
「嫌われ松子の一生」(中島哲也監督)でキネマ旬報賞をはじめ、多くの主演女優賞に輝いた実力派。
来夏公開の「渇き。」で久々に中島監督作品に出演しており、この次回作にも期待したいところです。
 
さて、メインタイトルの後、物語は切腹の21年前に遡ります。利休が織田信長(伊勢谷友介)に、
水に浮かぶ月を披露するのですが、これこそ利休の独創性や芸術性を表現するにふさわしいシーンで、
本作の中でも、ところどころで芸術家としての利休のアイデアが発揮される場面があります。
 
切腹の10年前には、こんな場面があります。宗恩のナレーションの言葉を借りると、
「思い詰められたご様子の秀吉様が(利休の)茶室においでになりました」と。
当時は信長に仕えていた秀吉が、利休に稗の粥を出され、涙を流しながら食べています。
「子供の頃を思い出しました」と言う秀吉に対して、利休は語りかけます。
「すべての重荷を、一度降ろされらたよろしいのです」と。
 
ところが、切腹の9年前、本能寺の変により、秀吉が天下人となるのです。その後、
秀吉は関白となりますが、利休の名は世に響き、利休の催す茶会が盛大に行われるようになり、
秀吉もそれが面白くありません。「お主、茶人でなければ天下をも取れたのではないか」と、
皮肉めいた言葉さえ秀吉の口から出てくるようになるのです。
 
そして迎える利休切腹の年。ここで若き日の利休の回想シーンが盛り込まれます。
ある女性と出会い、恋に落ち、死をも覚悟する利休。その女性に最後の茶をたてるシーン。
作法もそっちのけで泣きながら茶をたてる利休。市川海老蔵の切迫した演技も見事でした。
 
回想シーンが終了すると、今度こそ本当に最後の茶をたてる、落ち着いた利休の姿。
最後まで茶の湯に生きた利休。そして利休が残したある物を手にとった宗恩の想いとは、、、。

今年9月、第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した本作は、
時の天下人と対峙する千利休の卓越した生きざまを描きながらも、
その本質は究極のラブストーリーに仕上がっていると言えるでしょう。
 

<映画の次回作情報>
 
中谷美紀
渇き。(中島哲也監督)
2014年夏公開    共演:役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー 他

 
成海璃子
武士の献立(朝原雄三監督)
現在公開中     共演:上戸彩、高良健吾、西田敏行、余貴美子、夏川結衣、緒形直人、鹿賀丈史 他
 
ニシノユキヒコの恋と冒険(井口奈己監督)
2014年2月8日公開 共演:竹野内豊、尾野真千子、木村文乃、本田翼、麻生久美子、阿川佐和子 他
 
 
 
 

開く トラックバック(2)

劇場版SPEC〜結〜爻ノ篇

イメージ 1
 
イメージ 2
 
 
最強のスペックホルダーは、果たして誰か。守るべきは、全世界の存続か、たった一つの命か。
− 戸田恵梨香、3年間に及ぶ当麻紗綾としてのラストステージにふさわしいスペックバトル −
 
テレビドラマからスタートし、そのヒットを得て劇場版が作成され、またテレビに戻る作品もありますが、
本作のように、最後はスクリーンで完結という作品。ここ数年、よく見かけるスタイルとなっています。
 
独特な世界観を約3年間に渡って築き上げてきた当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)。
若い男と女という相棒でありながら、そこには愛情を超える強い絆が存在するという関係性の妙。
 
また登場人物たちの他にはない個性。それを生み出すエンタテインメントの鬼才・堤幸彦監督。
映画はもちろん、ドラマ、舞台など幅広い分野で多彩な演出手法を次々と繰り出してくる堤監督は、
シリアスからコメディまで幅広くこなせる日本映画界の第一人者。
今年も本シリーズ以外に、「くちつけ」という秀作が記憶に新しいところです。
また来年早々に公開される「トリック劇場版 ラストステージ」も見逃せません。
 
さて、その堤ワールドの代表作とも言える「SPEC」シリーズの最後を飾る作品。
今回は最後にふさわしく、歴代のスペックホルダーが勢ぞろいといったシーンも用意されています。
 
その登場人物は、感情を激しく表現するキャラクターと、常に冷静なキャラクターが混在し、
その起伏の変化が常に繰り返されることによって、観る者を飽きさせることがありません。
もちろん、交わされる会話も普通の刑事ドラマとは違い、想像を超える言葉がぽんぽんと飛び出します。
それがコメディ的要素を強めることにもなるのですが、今回はシリアスな面が前に押し出され、
全世界の滅亡という危機を救うために命を賭け、仕事を賭ける当麻と瀬文の活躍が描かれていきます。
 
シンプルプランのウィルスによって、スペックを持つ多くの子供たちが殺された光景を目にした当麻は、
怒りに震えながら、「許せねえ、絶対許せねぇ、、、」と。そして「使いますよ、スペック」と言い切ると、
包帯を取り去り、封印していたその左手を振り上げるのです。
 
飛び立つ無数の八咫烏。数多くのシーンでCGが効果的に使われており、映像に臨場感を与えます。
現実と仮想世界がクロスオーバーするストーリーの中で、いよいよ始まる最終決戦。
対峙するセカイ(向井理)と当麻。絶体絶命のピンチが訪れた時、叫ぶ当麻。「瀬文ぃー!」。
 
驚異の身体能力で、再びその場に戻ってきた瀬文に向かって当麻は、
「(私を)撃ち殺してください、早く!それしかないんです!!」と。
戦いながら必死に訴える当麻を見て、否応なしに銃を構える瀬文。
銃口を当麻に向けると、瀬文の眼には涙がにじんでくると同時に、
過去の当麻のさまざまな表情が、瀬文の脳裏をよぎるのです。
究極の選択を迫られた瀬文でしたが、、、。
 
一瞬の沈黙を置いて瀬文の口から出た言葉は、「来世で待ってろ!」。そして空に響き渡る銃声。
 
一発の銃声が、世界を変える、いや世界を戻す、と言った方がいいかもしれませんが、
すべての謎が明らかになり、すべての人類が救われる瞬間が、そこにはありました。
 
その後、現実の世界で瀬文がどんな目に遭おうと、当麻との絆は確実に強くなったことを証明する余韻。
そんな余韻と、苦悩から解き放たれた当麻の笑顔が印象に残るエンタテインメントに仕上がっています。
 
 
<映画の次回作情報>
 
栗山千明
チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像(星野和成監督)
2014年3月29日公開 共演:伊藤淳史、仲村トオル、松坂桃李、西島秀俊、生瀬勝久、桐谷美玲 他
 

真野恵里菜
THE NEXT GENERATION -PATLABOR-(押井守監督 他)
2014年4月公開予定 共演:筧利夫、福士誠治、太田莉菜、千葉繁 他
 

香椎由宇
大人ドロップ(飯塚健監督)
2014年4月4日公開 共演:池松壮亮、橋本愛、小林涼子、前野朋哉、渡辺大知、馬渕英俚可、美波 他
 

堀北真希
麦子さんと(吉田恵輔監督)
12月21日公開    共演:松田龍平、余貴美子、麻生祐未、ガダルカナル・タカ、ふせえり、温水洋一 他
 
蜩ノ記(小泉堯史監督)
2014年公開予定   共演:役所広司、岡田准一、原田美枝子 他
 

 

清須会議

 
イメージ 1
 
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
三谷流エンタテインメント時代劇に見る、歴史を動かした人物たちの根回しとしたたかさ
− 鈴木京香、眉を剃ったお歯黒の妖しい佇まいも、好き嫌いのはっきりした女性像 −
 
本能寺の変から始まる物語。追い詰められた織田信長(篠井英介)が自ら刀をふりかざします。
その刀が柱に刺さり、刀を抜くことに焦っている信長の姿は、冒頭からコメディ色全開ですが、
本筋とは関係ないところで、余計な力を使ってしまうのが、三谷作品のキャラの特徴でもあります。
 
時代は信長亡き後、織田家の後継者問題が持ち上がった頃です。そこで開かれる跡継ぎ選びの評定。
その評定に参加する信長の天下統一に尽力した4人の武将たちは、それぞれに思惑があるようです。
筆頭家老の柴田勝家(役所広司)は、盟友の丹羽長秀(小日向文世)と共に、
「猿に織田家を乗っ取られてたまるか。これは評定という名の戦だ。」と意気込みます。
 
戦国時代や、戦国武将を主人公とした映画が製作されることは多いですが、戦ではなく評定、
つまり会議がメインとなっており、どんな仕上がりかと楽しみでしたが、さすがに三谷監督らしく、
会議そのものはもちろん、その前の根回しの段階から、巧みな会話劇として成立しています。
 
まずは一日目。清須城にやってきた勝家は、さっそく信長の妹のお市(鈴木京香)に接近します。
お市に熱を上げる勝家は、らっきょうの漬物を山ほど持ってくるのですが、それにはお市もウンザリ。
しかしお市も勝家には好意的で、後に二人が結婚することになるのは、よく知られた史実です。
 
一方の羽柴秀吉(大泉洋)も、やはりお市の許にやってきて、高価なおみやげを差し出すのですが、
それをあっさりと外に放り投げられてしまい、「お、おーっ」と驚嘆の声をあげるのです。
今回の秀吉のキャラは、まさに大泉洋にはぴったりの役柄にできあがっています。
 
信長の三男・信孝(坂東巳之助)を後継者に担ぎ出す勝家と長秀。
その一方で、信長の次男・信雄(妻夫木聡)を推す秀吉。ところが信雄は大うつけ。
妻夫木聡のゆるすぎるキャラが、本作最大の笑える人物像となっています。
 
二日目になっても会議は始まりません。実は会議に出席予定だった滝川一益(阿南健治)が、
なかなか到着せず、というか清須に向かってひたすら走っていて、とても間に合いそうにありません。
気の毒なキャラですが、途中で意外な人物にばったり。これは三谷監督流のサービス精神でしょう。
またその頃、秀吉は信長の弟・織田三十郎信包(伊勢谷友介)を味方につけようと働きかけます。
 
そして三日目。この日は紅白対抗旗取り大会です。単純に足が速い方が勝ちそうなのですが、
そう簡単には勝負はつきません。池田恒與(佐藤浩市)は脚がつったと動きが鈍くなったり、
勝家は、秀吉の側近である黒田官兵衛(寺島進)に邪魔をされてしまったり、
しかも信雄はルールさえ知らず、いずれにしても会議の前の息抜きといった雰囲気で、
三谷監督らしい一日の見せ方と言えるでしょう。
 
いよいよ四日目。やっと会議が始まります。この日までの入念な根回しが功を奏するのは誰か、、、。
微妙に絡み合う思惑の中で、誰よりもしたたかな策士は誰なのか、、、。
 
周知の通り、時代はこの後、豊臣秀吉政権になるわけですが、戦乱の世に生きた男たちだけでなく、
表舞台に出てこない女たちも、戦国時代を生き抜くため、一度決めたら絶対にあきらめないという、
強すぎる意志があった。そんなことを感じさせてくれたのは松姫(剛力彩芽)でした。
 
本作では三谷作品初参加のキャストも多いですが、熱演を見せた中谷美紀もその一人です。
めったに見せない明るいキャラで、恥ずかしげもなく踊りを披露するなど秀吉の妻に徹していました。
 
どの人物も憎めない個性的なキャラで、群像劇としても楽しめるコミカルな時代劇に仕上がっています。
 

<映画の次回作情報>
 
鈴木京香
ジャッジ!(永井聡監督)
2014年1月公開予定 共演:妻夫木聡、北川景子、リリー・フランキー、豊川悦司、玉山鉄二、竹中直人 他
 
救いたい! Doctor's wish(神山征二郎監督)
2014年秋公開予定  共演:三浦友和、貫地谷しほり、中越典子、渡辺大、宅麻伸、藤村志保、津川雅彦 他
 

剛力彩芽
黒執事(大谷健太郎/さとうけいいち監督)
2014年1月18日公開 共演:水嶋ヒロ、優香、山本美月、大野拓朗、橋本さとし、伊武雅刀、岸谷五朗 他
 
L・DK(川村泰祐監督)
2014年春公開予定  共演:山崎賢人、中尾明慶、岡本玲、福士誠治、桐山漣、石橋杏奈、白石美帆 他
 

中谷美紀
利休にたずねよ(田中光敏監督)
12月7日公開    共演:市川海老蔵、市川團十郎、伊勢谷友介、大森南朋、成海璃子、福士誠治 他
 
渇き。(中島哲也監督)
2014年夏公開予定  共演:役所広司、小松菜奈、妻夫木聡、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー 他
 
 

 

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事