お気楽な詩人の真似事と日常

失敗ばっかりですが、気楽によんで下さい

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米沢順子「分娩」

或る日の枕邊に まこと私の分身が 花のやうに 置かれてあった  それは 精巧な玩具のやうに小さく 熟れた果実のやうに にほってゐる  私の心はまだ 識んな苦痛の記憶に彷徨し 乳房には 奇怪な熱気  そして 涯しない幻想は そこから 虹のやうに生まれるのであった                                                          米沢順子(のぶこ)を知る人は少ないだろう。私も知らなかった。1931年に亡くなっているから 知らないのも 当然だが (生きている詩人も知らない)この作品は昭和3年に書かれている。もちろん 出産直後の作品で 出産したのはその当時35歳なのだから その当時 高齢出産か?         作品は 現在の私たちの詩の技法とあまり変わらない。 作品の技法が進んでいないのは 詩人の怠慢のせいでもあるが この作品の背後には女性共通の感情が込められていると思う。          

詩集をつくる(2)

岩井 昭さんから 詩集「ひしゃげた空き缶」が届いた。
B5横長変形で総ページ数52。作品数21篇のもの。
これは パソコンでの入力から プリントアウト、丁合、製本までを自分一人で行って、無線綴りと表紙カバーだけを 印刷所にたのんだもので これは 自分だけでやるのだから 安くあがるが、ほぼ3ヶ月くらい本の制作にあたったらしい。ともかく、丁合だけでも自分の部屋を 一杯にするのだからこれは大変である。
岩井さんは 製本 印刷の経験があるからできたのだと思うけど。
見開きで読んで貰いたいという気持ちから 横長にしたらしい。
ともかく 詩を一度に読むのは20編前後がいいと思う。

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詩集をつくる

「通販生活」夏号 に 自費出版について 書いてあった。(180円で発売中ですので詳しくはそちらを見てください)
詩を書いていると ネットでだけでなく 形のある本にしたくなる。そこで 書いてあったことの要約を。
1.まず、原稿をまとめる。まあ、作品がないと どうにもなりませんから。
 この時に字の間違い 事実の誤認などあった場合は訂正する。できれば 本人だけでなく誰かに見てもらうとよい。
2.配列を考える。 作品には出来不出来がありますし、全体の統一感が必要ですから 当然です。
 詩集の場合は 一編が20行ぐらいだったら 30から40編ぐらいか。40行だったら 20編前後がまとめやすい。
3.題名を付ける。これも重要です。題名で全体の印象が違います。普通は作品の中の一編の題をつけることが多いのです。題名によって 装丁が違ってきます。
 
ここまでが 作者がすること。

いよいよ 本の制作に入ります。
まず、判型を決める。多いのはB5サイズ。これですと14ポイント全角で一ページ12行程度。
まあ、いいなと思う詩集をまねするのが簡単です。
それから 台割を決める。
目次と見返しなども計算してください。
そうすると 大体の本の総ページ数がわかります。

これからが 印刷製本になります。
印刷所は 近くの方がよいように思います。
判型の差はあまり費用に関係ないのですが ハードカバーか並制か ビニールコーデングかカバーにするのかで費用は随分変わります。紙質でも変わります。
見積もりをとったほうがよいと思います。
部数の問題もあります。
詩集の場合本屋さんで並ぶということを考えない。まず売れない。自分の知り合いと読んで欲しい人に送るのですから、300部程度がいいでしょう。

B6サイズ 並制 カバーなし 120ページで ほぼ 40万円ぐらいの見積もりでいいでしょう。
印刷前に半分。完成 納本後に残りを支払うというのが普通なようです。
意外に忘れがちなのが 送料です。メール便の方が安いのですが それでも10万程度は必要です。

送り先リストで意外に忘れがちなのが 図書館。資料として残してくれる 県立と国会は最低で 地元の図書館も押えておいたほうがよいでしょう。

以上が 要約。詳しくは「通販生活」で。

カーネーションの不在

枯れた花を花瓶から抜くと そこに花の形の影が残る ざらり と手に触れそうな生の名残り 濃紅 白 淡黄色 華やかな色彩の陰で隠れるように だが くっきりと立っていた 虚ろ

かって存在し 今は不在のものの痕跡は 残像と呼ばれる 知覚心理学の実験室で 学生だった私は 白い画用紙の上に現れる 幻の図形や色彩を懸命に追いかけていた「網膜上の後れ」は様々な図形残像や残留感覚 それから沢山の課題レポートを生んだが 人の中に散らばる無数の痕跡の意味や 一茎の花が持つ虚ろを 説明することは出来なかった

食事会に誰かが持ってきた花束は 喜ばれ 玄関に活けられて 皆に見られた 「わあ きれい」「良い香りだね」運ばれて来た時間は そのまま花を包み 私たちが駅の階段を駆け上がったり 書類の数字を直したりしている間に ゆっくりと当たり前のように崩れ 花びらをしぼませたのだ

花瓶は今 空になった 何かが散っていく カーネーション という花の名前を思い出して呟くと 虚ろは消え そこには 名札をはずし どこかへ出かけて行った者の空席が残された

昨日は母の日だったので 岡野 絵里子さんの「発語」から カーネーションの不在を転載しました。
わたしはこの作品を「ERA」で読んでいる。存在と不在の間を埋めるような作品だと思ったことがある。詩集のなかでは 「通り過ぎる少女」もよいと思った。
発語は 日本詩人クラブ新人賞を受賞している。

村上昭夫の ねずみ

本屋さんで 貰える雑誌には なぜかしら 詩のコラムがある。
普通の雑誌には 載っていないのに。今回も「本の窓」(小学館)5月号から。

  ねずみ  村上 昭夫

ねずみを苦しめてごらん
そのために世界の半分は苦しむ

ねずみに血を吐かしてごらん
そのために世界の半分は血を吐く

そのようにして
一切のいきものをいじめてごらん
そのために
世界はふたつにさける

ふたつにさける世界のために
私はせめて億年ののちの人々に向って話そう
ねずみは苦しむものだと
ねずみは血をはくものだと

一匹のねずみが愛されない限り
世界の半分は
愛されないのだと

「本の窓」では 井坂洋子さんが 詩の木陰で というタイトルで毎月一編の作品を紹介しながら エッセイをかいている。
作者の村上昭夫は シベリア抑留後 帰国。肺結核にかかり 療養生活を送るなかで 詩作をはじめる。
ねずみ は 彼の第一詩集「動物哀歌」の中の一編である。この詩集で土井晩翠賞、H氏賞を受賞している。この詩集を発表後亡くなっているので 現在では 手に入れにくくなっている。

わたしは この詩集の中では 鶴 という作品がいいように思った。
詩の題には すずめ、雁、鴉、とんぼ などの 飛ぶものをあつかったものが 多い。

詩なんか 書かない方が幸せだよ と 言われたことがある。詩は 自分の不幸をバネに書くものだから 詩を書けないというのは 幸せなんだよ という意味らしかった。

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