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昔の阪急バスだよ。
午前8時20分から卒業検定の説明があり、検定は午前9:30分ということになった。検定の教官は光石教官だ。彼は修了検定の時の失敗(発進の時ブレーキをアクセルと間違えて踏んだ)にも関わらず、合格にしてくれた、あま〜〜〜い教官だ。やった〜〜〜
午前9:30分、いよいよ検定が始まった。今回は別館の前の発着点(食堂の建物)から出発。緊張のせいか足が普段のように動かない。いつもより慎重に、ゆっくりと、最初の方向転換へ向かう。頭に血が上った状態で、右折する。猫が獲物を狩るときのように、静かに、ゆっくりと方向転換コースに近付いて行く。左のサイドミラーが木に触れそうになりながら動いている。曲がり切ると二本目の道路を右へ。左にあるアンダーミラーにバンパーの左側が縁石と共に映っている。<ここまでは、何時も通りだ。ここで気持ちが折れてはいけない。しゃきっとしないと>と気を引き締める。
曲がり切って、そのまま直進。方向転換の定位置へ。左の縁石から1メートル開けて停車。いよいよ方向転換の始まりだ。緊張が極度に達する。前のミラーを確認しながら、左の方向指示器を出す。左右の後方目視をした直後、バスの巨体が後ろに向って動き出す。音がピ〜ピ〜と鳴っている。ハンドルは一回転左に切り左後輪が中型自動車の縁石がわりの白線に寄って行く。白線を踏み過ぎなので、ハンドルを少し右に修正すると今度は少し向こう側に行き過ぎたような感じがして不安になる。安全策をとって、前進して元の位置に戻る。二回目のトライだ。一回目と同じ手順を踏んで、発進。ハンドルを一回きり、左後輪が完璧に白線に乗った。急いでハンドルを左にいっぱい、いっぱいに切る。バスが駐車スペースに入って行く。今度は後ろを50cm以内残して駐車しなければならない。後ろのポールに当たれば即検定中止だ。緊張しながらゆっくり、ゆっくりとバックして行く。前がどれぐらいにくればいいかということを分かっているのだが、足が言うことを効かない。教官に「これで良いですか」と訊くが、検定中だから教えてくれるはずがないのだ。思い切って、また30cmほどバックして、サイドブレーキを引く。教官は減点用紙に書き込む様子がない。<よかった>と思いながらほっとする。
今度は鋭角だ。路端停止の方から回って鋭角コースへ。普段は左からの練習が中心なのに、なぜか右からだ。一種の嫌がらせか。(笑)右の方向指示器を出してバスが右の縁石から平行に少しのスペースを開けて入って行く。前のバンパーから向こう側(左側)の縁石まで1mの距離まで来た時、<えいや〜>と左に全開でハンドルを切る。バスの前部が縁石を越えて、ゴンドラ状態だ。右側に見える縁石の数を数えると9つ目だ。いつも通りなら、7つ目が前部の右端に来ていなければいけないのに、2つもこっちだ。ハンドルを切るのが早過ぎたようだ。普段はハンドルを左いっぱいに来るのだが、ハンドル2回転ほどしか切らずに、バックで左後輪が後ろの縁石のギリギリのところまで下がる。左側(内側)の三角形の縁石とのスペースがあまり開いていない。<これはやばいな。縁石を踏むぞ>と思いながら、連想<ここまで来たら、修正はきかない。10点(本当は5点)減点されても、他のミスを少なくすれば大丈夫。3回以上切り返して失格になるよりマシだ>し、そのまま行くことを決断する。案の定、縁石を少し踏んだようだ。教官が減点用紙にチェックを入れている。兎に角、場内の課題はクリアーしたようだ。
「別館の前の向かい側に停めてくだい」という教官の指示に従って駐車。バスの外に出て前と後ろをチェックして手道でドアを開いて、乗車して閉める。エアーを抜く為にレバーを押すところを引っ張ったものだから、エアーが入りドアが開いて、突き飛ばされそうになる。
座席に座って、座席、ミラーの調整、シートベルトを締める。そしてエンジンを始動して、アロハだ。左合図、ギアを2カンド(ロはロウのことだが、大型車はロウは使わない)、サイドブレーキを下ろしながら、ルームミラーで車内、サイドミラーで後方を確認。最後に左右後方を目視で確認して発進だ。
右方向指示器を切ることなく反対側の道路を逆走(それが大型が出て行く手順)して出口へ。車が数台通り過ぎた後、流れが切れたので、「えいや〜」と右ハンドルを切る。サードにチェンジした後、バスが道路の左サイドを直進していく。まず、次の交差点を右折だ。曲がってサード、フォースとギアチェンジと共にバスが勢いよく坂を登って行く。左折を一度、次の右折して直ぐの二本目の街路樹をバス停に見立てて停車。木が、バスの真ん中辺りにある二本の鉄パイプ(四角い)の中に収まったようだ。それから、同じ道路沿いにある警戒標識、水銀灯を停留所に見立てて停車。なんとかクリアしたようだ。3つ目の水銀灯のところは上がりの坂道になっていて、サイドブレーキを完全に下ろしていないことが原因で、何回もエンストしている鬼門だ。しかし、今回は上手く行った。勝間田駅に通じる道で、老女が歩いていたので、スピードを落として徐行をして、駅に向かって走る。ブレーキを踏む時もまずルームミラーで車内を確認、ポンピングブレーキを使っている。光石教官は減点用紙に手を触れる仕草さえみせない。後は車線を出来るだけ踏まないようにして走行するだけだ。しかし、物事はそう簡単には行かない。青色で交差点に入ろうとした時、急に黄色に変わったのだ。停まらないと信号無視になるかなと思いながら、思い切って交差点に入り、渡ってしまった。「信号無視ですか」と訊くが教官は何も答えないし、減点用紙にチェックを入れようともしない。<しめた>と思う。学校に帰ってきて方向転換、鋭角をした時のスタート点へ。サイドブレーキを引き、方向指示器を直し、エンジンを切り、ギアをバックに入れる。シートベルトを外し、エア抜いてドアを手動で開閉。左右を確認してから降車。それで終わりと思いきや、ドアを閉めてくださいと教官に注意される。どこまでいっても俺は完璧にできない人間なのだ。(笑)
その後直ぐに、普通車の卒検の後ろに乗る。彼は奈良市出身で今年関西大学入ったそうだ。オートマということもあるのか路上はなかなか上手かった。しかし、学校に戻って来てからの方向転換で、5回も切り返してようやく成功。普通なら3回以上切り返すと、即検定中止なのだが、光石教官が「切り返しを多くすればするほど点数がなくなりますよ。3回以上切り返しをしたら失格になることを知っていましたか」と訊くとと、彼は「知りません」と答えたので。俺も、教官も笑ってしまった。5回も切り返しをしたけれど、最後までやり遂げたので、合格の可能性は70〜80%と思っていたが、やはり、彼は合格した。俺はもちろん合格だ(笑)光石教官に「おどおどしないで、どんと構えなさい。運転手が不安になると、乗客も不安になりますよ」というお言葉を頂いて、終わり。
卒業式の後、午後2時48分のJRバスに乗って、中国自動車道をひたすら大阪へ。JR環状線で鶴橋まで行き、近鉄奈良線に乗り換え、生駒で学研登美ヶ丘線に再び乗り換えて、学研登美ヶ丘駅にようやく着いた。やはり地元はほっとする。17日ぶりだ。家へ帰りながら奈良交通の路線バスを見ていると右折の時、中央線を踏んでいた。あの教官東内の「中央線を踏まないようにしてください」という注意はいったい何だったんだ!俺より下手な奴がストレートで卒業したにも関わらず、俺は東内に見極めで一回落とされているし・・・野郎!怒りがこみ上げて来た(笑)しかし、何回も補修になってお化け屋敷(サンライズ)に回されなくて良かった。(ハハハハハ・・・さあ、明日は新ノ口の運転免許試験場に行かなければ。
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