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写真の所有者さんすいません。イメージがぴったりなので借用しました。
グゥアテマラからメキシコ経由でアメリカへXI
小さな町の夜というのは退屈なものである。特に一人ぼっちの旅行者には・・・・。
「そうだ、五回さんがここに売春バーがあるといっていたな。試しに行ってみるか」と独り言を呟く。
一人で旅をするようになってから独り言が多くなっている。話すということも人間の本能だとすれば、バランスを取るために独り言を言うのはやむをえないだろう。それで言語的バランスがとられているのかもしれない。
メインストリートは道幅が6メートルほどで、町の中央を貫いている。まだ、夜の8時なのに人通りが極端にすくない。40年内戦の副作用だろうか。隣の国メキシコでは、夜8時のソカロ(町の中心にある公園)というと、人々が溢れかえり、恋人たちの囁きや、老人たちの昔話が聞こえてくるのだが、国境を挟んで右側と左側では、こうも違うのである。国の指導者しだいでこういう違いが出るという典型的な例である。
メインストリートを歩いていると、前方の一角をオレンジ色の電灯が照らしていて極端に明るくなっている。その灯りの傍まで来ると、ドアが開け放された建物があり、数人の男女がテーブルを挟んで座っていた。中からラテン独特のロマンチックな音楽が流れてくる。
ルセロのエレクトリィシダだ。Elecutricidad cuando tu me mira , algo sobre natural, una sensacion・・・・・・ その音楽に合わせて、化け物のような太いアイラインを引いた女性が客を侍らせて歌っている。まさに、場末のバーという言葉がピッタリ当て嵌まる光景だ。
中に入りロン(ラム酒)のストレートを注文して、一気に飲み干す。しばらくすると、可愛い女性が一人寄ってきた。掃き溜めにツルとはこのことだろう。
「チーノ、チキチキは好き」
ヨーロッパ文明の影響を受けた地域では、チキチキとかジンジンとか、音の繰り返しがセックスを意味するらしい。
「ああ好きだよ」
「なら、安くしとくわ」
「で、いくらだ。US3ドルよ」
中南米の港町にある船員用バーは、10ドル〜30ドルと女性の値段が高いが、地元の男性用のバーに働く女性は1〜3ドル、日本円にして100〜300円と嘘のように安い。地元の人間にとっては安くないが、世界第二の経済大国に住む人間にとっては極端に安いのだ。地下鉄の一区間の電車賃で女性が抱けるのだから驚きだ。
「まあ、もうちょっと飲ましてくれ」
「いいわ。でも飲んだ後は、二階行きよ」と笑っている。
二階に上がるとベニア板で仕切られただけの部屋が数室あった。内部にはダブルベッドとテーブルと椅子1脚ずつあるだけのものだが、彼女の生活道具が机の上や床に所狭しと置かれていた。
ベットに座って部屋を片付けている彼女を見ていると、「コンドームを持っている」と彼女が訊いてきた。
「持っているけど」
「別にしたくなければしなくてもいいわ。ピルを飲んでいるから」
そうダイレクトにいわれると、いつもコンドーム無しでやっているんだと勘繰ってしまう。 兎に角、エィズを移されるのだけは避けなければならない。こんな事をいっているが、私の腕には一センチ四方の出来物ができており、何ヶ月も消えないでいる。逆にエィズを移すかもしれないのだ。
彼女は嬉しそうにベッドに座っている私に飛びついてきた。唇が重なり合い、舌と舌が絡まった。口いっぱいに唾液が広がり、快感が背中に走った。手が豊満な乳房を少しきつめに握りしめた。
「痛い」
「ごめん。興奮しすぎたよ」
「そんなに私って魅力的」
「ああ、魅力的だ」と歯が浮くような言葉を吐いているが、手は下半身の奥深を弄っている。
「ああーん。早くあなたのもの入れて」
せがまれると、焦らしたくなるのは男心というものだ。太古の昔から男は女をいたぶり、女性は男性をいたぶるようにできているらしい。
「最近、下の方の調子が悪いんだ。しなびてきちゃったよ」と焦らしていたが、こちらも我慢できなくなって、いそいで自分の物を彼女の中に沈めた。(もちろん、コンド〜ムは着けているよ)
「ああ〜。いい」
数十分のおよぶピストン運動のあと、背中全体に鳥肌(関西では寒イボだ)が立ち、果てた。
コンドームを取ろうとすると、自分自身の先にコンドームが被さっていない。よ〜く見ると、ゴムの横から先が突き出ている。おそらく小さな穴があり、激しいピストン運動によってその穴が広がり、亀頭が突き抜けたのだ。
彼女は気が付いたのか素早くピルを飲み込み平然としている。行為が終わってからピル(まだら飲みと飛ばし飲みには注意)飲んでも遅いと思うのだが、いかにもラテンらしく大雑把だ。
体は熱帯のむっとした気候の中で汗だくになっているが、エドワルドの心の中には寒風が吹いている。
<おいおい、病気を移されたらどうなるんだ。いや、こんなアメリカ人のこない売春バーにエィズはないよ。こっちが移した可能性のほうが高いかな? 子供ができて、その子がエィズキャリアだったらどうしよう>という声が頭に響き渡っている。止め処なく怖くなった私は、バーから凄い勢いで走り出した。
つづく・・・・・・
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