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イメージがあまりにもぴったりなので、画像を借用させていただきます。ありがとうございます
情報の少ない旅行書を見ているとエルタヒンに壁龕(壁が箱形になっているという意味だと思う)ピラミッドがあるというので、行くことにする。
ベラクルスからエルタヒンへ行く前進基地であるパパントラまでバスで約4時間。二等バスに乗る。バスはボンネットが突き出た骨董ものだ。車内は、野菜やニワトリまで乗客になっていて立錐の余地すらなく、座ることができない。立っていると視線が窓の上にあるので風景が見え難い。残念だ。しかし、腰をかがめてみると椰子の木が等間隔に植えられていて、根元の方が白いペンキで塗られている。虫除けなのだろうか、自然が破壊されているように思えて悲しい気持ちになる。なんと表現したらいいのだろう。香港や台湾で極彩色の観音様を見たような感じだ。
湿気の多い貧困地域へ行けばよくあることなのだが、乗客の服から水カビの臭いが漂ってくる。洗った服を何日も半乾きのまま放置しておくからそうなるのだろう。乾燥機が普及しているアメリカや乾燥しているメキシコ中央高原では、まず嗅げない臭いだ。
パパントラに着くと、ピラミッド行きのバスは出てしまっていた。次のバスは何時間も待たなければならないし、ここから12キロほどあるので歩くわけにもいかず、3万ペソ(10ドル)を払ってタクシーを取った。タクシーにはメーターが付いていないし、スペイン語の話せない私にはその運賃が高いのか安いのか知りようもない。バス代と比べると20倍以上だ。大阪出身者として6000ペソ(2ドル)は値切ったがメキシコ人はそれ以上にしたたかだから、相場の倍ぐらいは取られているかもしれない。もう少し、修行が必要だ。
ここのメインは、365個の窓のような窪みがあるピラミッドだ。この窪みは数でもわかるように一年を表しているらしい。インディオ文化らしく、ピラミッドも天文学に従ってできているのだ。各階層の仕切りが少し屋根のように出っ張っているので、見ようによってはパゴダ(五重塔)を太くしたようにも見える。旅行書を見るとピラミッドは6世紀〜10世紀に栄えたトトナック文化の遺跡だということだ。
観光客は私一人しかいなく、寂しいような、嬉しいような。博物館を一人で借り切ったらこんな感じになるのだろうか。まわりには、草が生えていて牛が食んでいた。雨上がりで草が濡れていて、緑が鮮やかなほど濃い。やはり、ここが北回帰線と赤道の間に位置するからだろうか。
この町は、人間飛行機みたいな儀式(ボラドードーレス)でも有名で、30メーターほどの木柱のてっぺんにあるプラットホームに笛を持った人が立ち、彼が奏でる音楽に合わせて、小さな太鼓を持った4人がロープを体に巻き付けて旋回しながら降りてくる。もともと、雨乞いのための儀式だったらしい。この時、儀式は見れなかったが、メキシコシティのアラメダ公園でやっていたのを見た。彼らは現金を稼ぐためにメキシコ各地に出稼ぎに行っているそうだ。大掛かりな大道芸といえるだろう。
つづく・・・
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