|
ずっと観そびれていた映画『カポーティ』をようやく観た。傑作だった。
で、せっかくの機会なので、15年ぶりに『冷血』(新潮文庫)を読んだ。この作品のみならずカポーティという作家自体、十代の頃には好きになれず、二十代の頃には素通りしていたのだが、三十路になって再読してみたらば、ようやくこの作家が“天才”と呼ばれる所以が理解できた。事件に関わった人々や、事件の舞台となった土地のみならず、それらにほんの僅かでも関わりのある全ての人物・事象が、微に入り細を穿つ筆致で描きこまれている。しかも、最初から最後まで、その緊張感が途切れることがない。一切の細部は省略されることがなく、尚且つ、物語の流れが遮られることは全くないという離れ業。喫茶店で一気に読み終えた後、しばらく立ち上がれなかった。ああ、ちゃんと原書で読もう…。
仕事帰りに寄ったブッ○オフで、カポーティ、村上春樹・訳、山本容子・挿絵『おじいさんの思い出』(文藝春秋)を入手。こちらは、カポーティが22歳の時に書いた後、長らく埋もれていた作品らしい。カポーティ&村上春樹&山本容子という組み合わせは、破綻しようがないよなぁ…。『冷血』ほどのインパクトはないものの、こちらはきわめて美しい本だった。
|