|
大河ドラマ(たいがドラマ)は、NHKが毎年違うテーマで放映する時代劇ドラマシリーズ。また、これに準ずるスケールのドラマを指す場合もある。例えば米国の長編テレビドラマ『ダラス』は「アメリカの大河ドラマ」と呼ばれ、NHKでも放送されている韓国の長編ドラマの時代劇である『大長今』(宮廷女官チャングムの誓い)は「韓国の大河ドラマ」と呼ばれている。本稿ではNHKの大河ドラマについて述べる。2008年現在制作・放送されている作品は字幕放送・連動データ放送付き。
概要:
主に歴史上の人物や事件などをテーマに、基本的に毎年1月から12月の1年間に49から50回を通して放映される。しかし実在しない人物が登場することも多く、また作品によっては主人公も架空の人物の場合もある。年末には総集編(ダイジェスト版。全部で3、4時間程度)も製作される。ただし作品によっては翌年に放送されたケースもある。以前は総集編が放送された後で全話を再放送することは殆どなかったが、スカイパーフェクTV!の専門チャンネルにおいて全話が放送されたり、NHKデジタル衛星ハイビジョンで再放送されたりするケースも多くなってきている。
出演者は、通常のドラマでは主役級の男優・女優が共演することが多く、これに名脇役と呼ばれる俳優も加わるため、普段は見られない顔合わせもよく見られる。番組初期は五社協定により映画会社所属の俳優はテレビ出演が制限されていたため、新劇の俳優や歌舞伎俳優が多く起用された。第3作『太閤記』では緒形拳、高橋幸治、石坂浩二ら無名の新人俳優が抜擢され、一躍人気スターとなった。第25作『独眼竜政宗』で主演した渡辺謙は番組での好演がきっかけで一躍有名になり、また第34作『八代将軍吉宗』では近松門左衛門を演じた江守徹が主役の西田敏行をしのぐ演技を披露し評判を呼んだ。2000年代に入ってからは『北条時宗』に出演した北村一輝や宮迫博之、『新選組!』に出演した堺雅人など、知名度の低かった俳優が大河ドラマに出演したことがきっかけとなって活躍の場を広げることになった。
第6作『竜馬がゆく』までがモノクロ作品。第39作『葵徳川三代』からハイビジョン作品である。通常は年間1作だが、1993年から1994年にかけては第31作『琉球の風』が6ヶ月、第32作『炎立つ』と第33作『花の乱』がともに9ヶ月と短縮型作品が続き、この2年間は年2作品となった。そして第34作『八代将軍吉宗』は1年通して放送される完全型作品に戻され、これ以降は全作品が完全型となっている。
NHK出版からの「大河ドラマ・ストーリー」や関連書籍も出版され、ビデオ・DVDなどソフト化もされている。なお、1970年代中期までの作品は全話見ることがほとんど不可能である(映像が現存しても総集編、クライマックスの回、あるいは最終回程度しか現存していない場合が多い。当時はVTRの録画が2インチ規格でテープの単価が高く操作・編集も煩雑だったことに加え、著作権に関わる問題も多く、番組の資料保管やソフトの販売は安易に行えなかった。全話のソフト化で最も古い作品は1976年制作の『風と雲と虹と』である)。
全般的に前半はロケシーンが多く、中盤にクライマックスがあり、後半は登場人物も徐々に減少し(役の人物が死ぬため)、スタジオ撮影のシーンが多くなるのが特徴である。合戦シーンなどではコンピュータグラフィックス(CG)を用いることも多いが、出演者のスケジュールの都合により使用せざるを得ない場合もある。また「大坂城」や「屋敷門の炎上」、「関ヶ原の戦い」など、過去の作品で使用した場面が何度も使われるケースもよくある。題材となる人物やテーマに所縁のある地方とタイアップする事も多い(地元には「大河ドラマのまち」という看板が立つ)。
第45作『功名が辻』からはアナログ放送、NHKワールド・プレミアムの放送では映像比率を14:9のサイズにて放送されている。2006年1月には大河ドラマとしては初めて続編が製作、放送された。これは2004年制作の第43作『新選組!』のその後を描いた作品で、大河ドラマでは局長・近藤勇が主役だったが、続編『新選組!! 土方歳三 最期の一日』では副長・土方歳三にバトンタッチし、彼の最期の一日を描いた。
一方、主人公をヒーロー/ヒロインとして描こうとするあまり、その人物の暗い側面に関しての描写が曖昧であったり歴史学上の定説と離れた演出がなされることも多い。このことに関し、NHK側は「大河ドラマはドキュメンタリーではなくあくまでドラマであり、演出も必要である」と述べている。
|