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渡辺敏史のクルマえすとろ
恐るべしNISSAN GT-R、地上で最も楽チンなアウトバーン290km/h
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20071206/1005049/?P=2
2007年12月06日
ライバルは2600万円のポルシェ911 GT2?
その開発途上のクルマには前後に擬装用の“ブラジャー”があてがわれていました。各地でスクープ撮影されたその姿の方がむしろ有名になりすぎて、日産自身もティーザーキャンペーンに作ったという黒マスク姿ですね。これによって損失する最高速は約10km/h。かようにクルマにとって、特に200km/h超の領域において空力特性というのは重大な影響を及ぼすんですね。
春の爽やかな晴れ間の中、その開発車両に乗って向かったのはきな臭さ満点のアウトバーン速度無制限区間。アウディやBMWやポルシェといったご当地暴君銘柄がタマ取ったるの勢いで左車線を突っ走る、そこにいきなり黒ブラジャーのノーズを差し込んだわけです。ほら、なんせ300km/hでも隣の恋人に愛を囁けるなんて日産の人がワケのわかんないこと言い出すもんですから、んなこたぁないだろうとこっちも疑心暗鬼ですよ。
0〜100km/hまで3.6秒。GT-Rの加速力を表すスペックの一端ですが、これと同等なところを思ったら、フェラーリなら「F430スクーデリア」や「599」や「エンツォ」、ポルシェなら「911 GT2」や「カレラGT」くらいのブツを用意しなければなりません。
ちなみに一番安いGT2で2600万円余り、エンツォならプレミアムがついて市中実勢価格は1億5000万円くらいとなります。全国民から1円ずつ集めても買えないクルマに、大変かもしれませんが大阪の人たちから1円ずつ集めたら諸費用込みで買えるクルマが比するという、そんなムシのええ話ないやろとチッチキチー気分でアクセルをドン踏みしました。
100km/hから150km/h、そして150km/hから200km/h。速度計が跳ね上がっていくその雰囲気は240km/hくらいまで全く変わらないというイメージです。とにかく唖然とするほど速い。でも、その速さは首根っこを掴まれてぶん投げられるような類の暴力的なものではない。とてつもない腕力の物体がジトーッと体全体を抑え込んで抗えない、そういう類の不気味な体感加速をみせてくれるわけです。
なんで480psがこんなに洗練された手応えなのか。それは200km/hを超えて、車体がグーンと沈み込んでいくサマから察することが出来ます。そう、新しいGT-R、とにかく空力性能が図抜けているんですね。地面に押しつけられるというよりもメリ込むといった表現が適当なくらいダウンフォースが出まくっている。路面のギャップすら塞ぎ込むようなこの、上から押しつけられる力によって車体の不穏な上下動がきちんと制御されているというわけです。もちろん風切り音の類も少ない……と、つまり速度に対する不安要素が驚くほど小さいクルマに仕上がってるんですね。
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