|
アウディR8 試乗レポート(その3)
MTかRトロニックか?
正直、走り出しの印象は好ましいものではなかった。要するにシングルクラッチの2ペダルMTであるRトロニックが変速のたびにギクシャクして、日常域では滑らかに走らせるのに気を遣うからだ。DSGを知っているだけに、この出来映えはちょっと不満。逆に6段MTの方が、フェラーリやランボルギーニのようなゲート式ながらシャキッと心地良く決まる絶品フィールで好印象だった。
1565kgの車重に420psだからもちろん十分に速いのだが、それでもV8FSIユニットは低速トルクにさほど余裕があるわけではなく、仰け反るような加速を期待していると裏切られる。要するにその印象は、なぜだかRS4ほど鮮烈ではない。しかし、念入りに調律されたその排気音はル・マンカーのR8を彷彿させる絶品。気分を昂らせたい時は窓を開けて走らせることをオススメしたい。
一方でフットワークは期待以上の出来映えだった。さすがミッドシップらしくノーズの動きは軽快そのもの。ステアリングフィールはアウディらしいのに、挙動は他のアウディとまったく異なる、何とも不思議な感覚である。
更に追い込めば重いリアが振り出されるような動きが出てくるが、その動きはあくまで穏やか。新たに3段階調整式となったESPをオフにしても、ミッドシップらしいキレの良い身のこなしを不安感無く楽しめる。フロントに最大35%のトルクを配分するフルタイム4WDシステムがそんな扱いやすさに一役買っていることは間違いない。
踏めばあくまで自然に力が漲り、トップエンドまで至極滑らかに速度を高めていくエンジンと、ミッドシップ+フルタイム4WDの限界高く扱いやすいシャシーを組み合わせたR8。そこからもたらされるその走りのテイストは、考えてみれば当たり前だが、実に濃厚に“アウディ”
|