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アウディR8 試乗レポート(その4)
スポーツカーと完成度と毒気
最初に書いたようにスーパースポーツではなく、デイリーユースにも十分供せるスポーツカー、ポルシェ 911カレラ4SのようにというのがアウディR8の目指した境地。そう考えると、目的は非常に高いレベルで達成されている。
Rトロニックさえ慣れればドライバビリティに不満は無いし乗り心地も上質。文句はつけたがこのサイズのミッドシップとしては荷物だって積めないわけではない。そして肝心な走りも気難しいところは無く、それでいてスポーツカーらしい爽快感を味わえるものに仕上がっているのだ。
しかも、そこにオールアルミボディやミッドシップレイアウト+クワトロといったスーパースポーツカーもかくやという内容がふんだんに盛り込まれ、見ての通りいわゆる日常性からはかけ離れたアグレッシヴなスタイリングをまとうのだから、ライバル達に対するアピールには事欠かない。
つまり走りにもコンセプトにも一分の隙すら無い、アウディらしいその極まった完成度こそR8の最大の魅力と言える。しかしその反面、あまりに完成されているが故に物足りない思いが頭をもたげてくるのも、また事実で…。S/RSモデルならそれでもいいがR8のようなクルマには、どこか毒気のようなものも必要なのでは? スポーツカーを買うという行為は決して理詰めの選択ではない。理屈を超える強力な何かに背中を押してもらいたいのだ。
まあ、そうしないのがアウディ流なのだろうけれども…。
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