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原油価格の高騰のためか、今年の暖房費用を心配する声が聞こえます。
また、自動車も販売台数がにぶり、小型車の人気が高まっています。
タバコはその世論の後押しもあってか税金が高くなり、
その結果販売量に影響がでています。
一方で、自動車の燃費向上やエアコンの消費電力低減など、
製品の使用エネルギーの低下が必ずしも消費エネルギーの減少に直結しない、
ということも分かっています。
つまり、燃費が向上することで、
以前よりも多く自動車を使うことになれば、
結果的に消費するガソリンの量が増えるかもしれない、ということです。
また、環境問題解決のための絶対的正義となっている節のあるリサイクルも、
逆に環境に負荷をかける場合が多々あることがわかっています。
そもそもリサイクル自体が環境に負荷をかけるケースがある上、
リサイクル活動が人々のエネルギー消費を促進することもありえます。
ペットボトルのリサイクル活動は、
人々に「自分はペットボトルの再利用をしている」と思わせる効果があります。
そして、人々は「だから自分はペットボトルを使ってもいい」と考え、
結果的にペットボトルの消費量が爆発的に増えてしまいました。
リサイクルが人々にとって、消費する時の罪悪感を打ち消す「免罪符」となってしまったのです。
自動車の燃費向上やリサイクルなど、
環境のために行われたはずの活動が逆に環境に負荷をかけることになる。
このような例は少なくないようです。
そこで、最初に書いた原油とタバコの例のことを思い出してください。
環境を守るための最もシンプルな方法。
それは、環境に悪い行動に税金を課すこと。
つまり環境税の導入です。
なお、私は環境によいことに補助金を出したりすることには懐疑的です。
例えば原油の消費を減らしたければ、税金をかけ原油の値段を上げればいいのです。
単純に原油の消費量は下がります。
そうすれば、相対的に原油以外のエネルギーの価格が下がりますから、
わざわざ補助金を出さずとも振替エネルギーの開発のインセンティブにもなるでしょう。
現実には、原油のように、
それが重要であればあるほどその価格の引き上げに抵抗が出ますし、
何より社会活動が円滑に行われなくなる可能性があります。
しかし、社会への影響を慎重に考慮したうえであれば、
課税は環境問題への強力な武器になるでしょう。
さて、もう1つ課税とよく似たもので有効と思われるものに「罰金」があります。
しかし一律的に課すことのできる税金とは異なり、
罰金は違反者を発見するための監視体制が不可欠です。
その監視費用が膨れ上がってしまうと、
逆に環境に負荷をかけてしまう怖れがあります。
そのため、環境への負荷を考えるなら、
環境税は主に資源の消費を減らすために広範に、
罰金は課税で対処できない部分に、狭く、そして厳格に科すべきでしょう※。
これらの方法の導入さえできれば非常に強力な武器になります。
しかし、おそらく現段階での導入は(特に課税は)困難でしょう。
世界的に、企業活動の環境への影響に対する監視の目が強まっていますが、
個人の消費者まではまだまだ及んでいません。
今のところ、個人の生活を犠牲にしてまで環境を守る、
というところまで危機感は高まっていません。
そのため、環境税の実現のためには
別の部分での減税や、納税者への目に見えるリターンが不可欠でしょう。
※課税は原油などの消費される前のものには有効ですが、
産業廃棄物など消費された後のものには違反者の取り締まりと罰則が不可欠です。
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