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議論に負けそうになったら感情を煽ればいいという話をしましたが、 感情の中でも特に「怖れ」は人々を動かす力が大きいのかもしれません。 私は心理学などの専門家ではないのでわかりませんが、 「怖れ」を煽る商売を頻繁に見かけるのはその現われだと思っています。 怖れの感情に人々が敏感になるのは、 おそらくは人類の勝ち抜いてきた生存競争と無縁ではないでしょう。 自分や家族の命や財産、 そういったものを失うことを怖れ、 それを守ることに力を注いできたものが生き残り、 私たちの祖先となったのですから。 ただし、怖れが生存につながるのは 「実際の危険の大きさ」そして「その危険の起こる確率」が 「怖れ」の大きさとバランスしているときです。 実際、起こるかわからない脅威に備えるにはコストがかかりますから、 必要以上にコストをかけすぎては逆に生存に不利になります。 例えば1000人に1人が感染し、100人に1人が発症するが、 発症したら確実に死ぬ病。 「発症したら確実に死ぬ!」 「絶対助からない!」 こんな具合にうまく煽ればかなりの費用を予防にかけることができるかもしれません。 でもその死亡率は実は交通事故による死亡率よりも低いのです。 問題は人の感じる「怖れ」と科学的な「危険の評価」とズレがあるということ。 (科学的な危険の評価がアテにならん!という人は 保険会社さんや投資家の方のところにいってその人達をバカにしてくるといいと思いますよ。) もしも、実際にはすごーく起こりにくい危険に対し、 過剰に怖れを抱き、その予防に沢山の費用を投じる。 無駄とは言いませんが、もしかしたらその費用は別のところに 投じた方がもっと効果が高かったかもしれません。 そして今や怖れは個人に健康食品とかを買わせるだけではありません。 例えば報道は、センセーショナルな方が受けがいいわけですが、 手っ取り早くセンセーショナルに 見せかける 方法は 「怖れ」をあおることです。 このままでは貴方は不健康になる! つまり死ぬ! とか このままだとアンタの運勢は最悪! つまり死ぬ! とか 煽ればなんてことのない健康番組もバラエティー番組も視聴率がうなぎのぼり! 「このままだと日本はダメになる」 「日本は孤立している」 「日本の若者の将来は真っ暗だ」 と煽っておけば視聴率は上がるし、本は売れるし、 もしかしたら自民党にも勝てるかもしれません。 しかし、このように煽られる「怖れ」は 明らかに煽り手によって「意図的に大きく」されているのは明らかです。 その怖れによって投じられる「予防費用」は果たして妥当なのでしょうか? 勿論、実際の危険よりも怖れが小さい場合、 怖れが煽られたことによってバランスが取れることもありますが、 私はそういったケースはほとんどないと考えています。 というのは、「怖れ」には 煽りやすいものとそうでないものがあり、 実際にメディアや商売人によって煽られるものの多くが 「煽りやすい怖れ」であるためです。 そういったものは元々、実際の危険よりも怖れの方が高くなる傾向があると思われます※。 このままだとお前は死ぬ! とでも言えば確かにものは売れますが、 それが蔓延すれば、不必要なところに不必要にお金が使われるようになり、 結局昔の公共事業同様無駄なお金があちこちに生まれることになります。 当然、そのツケを払うのは 煽った一部の者達ではなく、その社会に住む全ての人達なのです。 ※ どのようなものが煽られやすい怖れなのかはまた別に考えてみましょう。
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