|
さて、去年情報を知ってから、ずっと注目してきたこの作品、本日観てまいりました。
これは宣伝にもある様に、長年上演が繰り返されているホラー舞台劇の映画版(パンフ見て、初演は1847年と知った時は驚きました)。
ストーリーは
19世紀のロンドン。フリート街で理髪店を営むベンジャミン・パーカーの幸せな日々は、ある日突然打ち砕かれた。悪徳判事タービンによって無実の罪を着せられ、監獄へと送られたパーカーは、15年後、スウィーニー・トッドと名前を変えてフリート街へと戻ってくる。
しかし、大家のミセス・ラべットから聞かされたのは、耳を覆いたくなる様な妻と娘のその後。
フリート街に再び開いた理髪店。商売道具のカミソリを手に、スウィーニー・トッドの復習が始まった・・・。
彼の共犯者となるのは、ロンドンで一番まずいパイ屋を営む大家のミセス・ラベット。死体の処理に困ったスウィーニーに彼女が持ちかけたアイデアは、死体も消えて無くなるし、パイ屋も繁盛するという、一石二鳥の妙案だった・・・。
といった、相当ブラックなもの(パンフより)。当然、「R−15」です。
で、この映画の監督は私の大好きなティム・バートン。
そしてバートン作品といえば、最初から作品の世界へ引き込ませてくれる凝ったオープニング(「スリーピー・ホロウ」、「ビッグフィッシュ」ではちょっと寂しかったですが)。
今回も映画に出て来るミートパイが出来るまでを、かなり凝った作りで観せてくれますが、材料が材料だけに、前回の「チャーリーとチョコレート工場」とは全く正反対。
特に挽肉機の場面は「ぐおぉぉぉ!」といった感じで、正に掴みはバッチリです(汗)。
そして、本編が始まると、そこはバートンらしい、黒基調の闇のロンドン市街。
以前の「スリーピー・ホロウ」より、リアリティ面は控えめで、どちらかというと「バットマン・リターンズ」に近い雰囲気です。
もっとも、あれよりもかなり落ち着いていて風格のある感じですが、これはバートンのキャリアや、作品のタイプにもよるものもあるでしょうね。
また、砂浜のシーンではトッドが初期作品の「ビートルジュース」の様な縞模様の服を着ているシーンがあって、思わず、ジョニー・デップで続編やってくれないかなぁなんて思ってしまいました(笑)。
そして、主演のジョニー・デップですが、今まで何回もバートンと組んでいるだけあって、今回も堂々をした演技。肝心の歌の方は予告ではちょっと不安な感じだったのですが、本編が始まってしまえば、常に狂気と悲しみをたたえながらも、どこかで充実していそうな複雑な表情を見事に演じている事(本当に、全編そんな感じです)も相まって、素晴らしい物になってます。
また、共犯のミセス・ラべット役のヘレナ・ボトム・カーターの歌もかなりのもの。もしかして、主演のデップより上手いかも(笑)。
更に、トッドの娘を養女にして実質監禁状態にして、結婚までしようとする(こういう発想事態、かなり病んでる様な(汗)・・・)悪役であるタービン判事役のアラン・リックマンの良い意味での嫌らしさも見事です。
更に、個人的にこの作品で重要だと思うのが、トッドとミセス・ラべットの養子?になる少年・トビー役のエドワード・サンダースの子供らしい歌声。特に、ミセス・ラベットの店が繁盛していくシーンの歌はとてつもないブラックユーモアになってます(汗)。
そして、個人的に一番の見せ場かな・・・と思ったのが、中盤の途中、トッドが一度復習に失敗し、その絶望から復讐の相手をタービン判事からロンドンそのものに変えてしまって、そこから、もう後戻り出来なくなってしまうシーン。
ここで、トッドは二度と会えない娘への思慕を高らかに歌い上げるのですが、その手元でやっている事は(汗)・・・。このシーンは本当にゾクゾクしてきます。ただ、これ舞台版でも見せ場だと思うのですが、どうやって表現するのかな?
で、全体的内容なのですが、正直、観ていると途中でオチは判ります。ただ、これも作劇として盛り込み済みではあると思うのですが・・・。
また、以前の「スリーピー・ホロウ」の際は、日本でいう横溝正史の世界に近いと言われてましたが、今回も主人公が、己の執念に囚われているあまり・・・という部分は、某・有名横溝作品に共通しています(タイトルの一部分も共通しているのが面白いですが)。多分、こういう要素は世界共通みたいなところもあるんでしょうね。
更に、こういう話なので、最後は登場人物達がそれぞれの報いを受けて破滅していきますが、最後のシーンのトッドの姿は悲惨の極みですが、どこか美しいものさえ、感じてしまいます。
いわゆる「ワルの魅力」とも違うのですが・・・。このあたりも不思議なところですね。
という訳でこの映画、普通のセリフより歌の方が多い、正にミュージカル映画で、なおかつ、本当に血がドバドバ出るので、そういうのが苦手な方にはちょっと・・・ですが(汗)、大丈夫な方にはお勧め。
「人間の純粋な愛や心の闇を同時に存分に楽しめる、かなり美味しい映画。ただ、その美味しさは相当危険・・・。」なんか、思いっきりクサイ言葉ですが(恥)、個人的には正にそういう作品だと思います。
やっぱりこのジョ二ー・デップ&ティム・バートンのコンビは期待を裏切りません(笑)。
さて、バートン監督の次の作品は最初期の短編・「フランケンウィ二ー」の長編&3D化のリメイク。
個人的に3D映画は苦手なのですが(汗)、期待したいと思います。
|