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長良川と郡上竿の世界
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テンカラ馬素の話①【古式撚り馬素】

ここからは数回は「テンカラ用の撚り馬素」の話が続きます。
よろしければお付き合いください。
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馬素(バス)
本来「馬素」というのは馬の尻毛一本の呼び名のことであり、大昔から釣り糸として使われてきた。
「テンカラ馬素」とは、和式毛バリ釣りに使っていた糸のことだが、昔のなごりでナイロン等で作ったものでも馬素と呼ばれることもある。
(海外でも馬の毛を使っていた記録もあり、昔の洋式毛バリ釣り(フライ)には絹を撚ったシルクラインが使われていた)
私はずっと以前から、本当の馬の尻毛で「テンカラ馬素」を作ってみたいと思っていた。
イメージ 1
昭和4年の釣具卸カタログから
イメージ 2
これをみると黒毛より白い馬毛の方が少し高価であり、二尺(約60㎝)程の長さが標準だったことが分かる。

一方、様々な古い資料を見たところ、テンカラで毛バリを飛ばすために複数撚った馬素は、本来「撚り馬素」と呼ばれていた。
馬の尻毛は一本一本では細く弱いが、数本束ねて撚ることで重く強くなり、鞭(ムチ)にようにして軽い毛鉤を飛ばすには最適であった。
しかし、現在ではレベルライン(単糸)やフライラインを使ったテンカラも人気で、今どき馬毛で作った「撚り馬素」使う人など皆無であろう。
それでも数年前までは東北地方に作る人がいて細々と流通していた。
しかし、現在では入手困難になってしまった。
手に入らないとなると、欲しくなるのが人の性(さが)である。
「なければ作ってみたい・・・」
手がかりは、以前手に入れた「古い撚り馬素」だけだった。
丸藤製テンカラ馬素画像
イメージ 3
イメージ 4

私も田舎農家の育ちであり、長いワラ縄を綯う(なう)ことができる今どき珍しい部類の人間なので、簡単にできると思って何度か挑戦してみたが、どうやっても納得できるものができなかった。
その「撚り馬素」の作り方を知りたくて、ネットで色々な人が試した方法を調べてみたが、そこに書いてある指先で撚りを入れる方法で撚っても、手元にあった古い撚り馬素と同じものができず、壁にぶち当っていた。
断面が美しくひとつに纏まらなかったのである。
古い撚り馬素は、縄のように撚ってあるのではなく、撚りの入った複数の馬毛が1つの丸にまとまっているのである。
納得するまで突き詰めないと気がすまないのが私の厄介な性分である。
(出た!ヘンタイのディープな世界)
しかし、本当の作り方を知りたくても尋ねる人のあてもなく、このまま迷宮入りかと思えた。
実はその問題を解く鍵も郡上にあったのだが、それに出会ったのは更に数年後のことだった。

次回につづく。

この記事に

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    本物のテンカラ馬素は見たことありませんが、昔テンカラを少しかじった頃、ナイロンハリスで撚ってみましたが難しかった記憶がありますね。そういえば鮎の仕掛けにも馬素を使ったと親父から聞いたことがありました。

    sato64

    2018/1/7(日) 午後 5:06

    返信する
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    > sato64さん
    そうです。
    さすが良くご存じですね。
    郡上では昔、竹の鮎竿のサバキ(天井糸)に馬素の三本撚りをつけていました。
    また、掛け針のハリスにも馬素を使っていました。

    今回のブログの件も、最初に作ったテンカラ馬素も実用にはまったく問題なかったのですが、古式撚り馬素と見た目が少し違うことが納得できなかったのです(笑)

    [ 鮎たわけ ]

    2018/1/7(日) 午後 5:35

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    明けましておめでとうございます。
    今年もブログ楽しみにしています。
    馬素の話楽しみにしています。私も20数年前にテンカラ馬素を作ったことがあります。
    私は大学時代の夏休み等は釣具店でバイトしていました。その時の店主、私の釣りの師匠に馬素の撚り方を教えてもらった記憶があります。店主はすべて馬素ではなく、一本だけナイロン糸を入れて撚って行く方法で教えられた記憶があります。たばこの灰を付けながら撚って行くので指紋が薄くなった記憶があります。
    20数年前に馬素で作ったテンカラの仕掛けが2本残っていました。
    これからの話楽しみにしています。 削除

    [ 仙台 ]

    2018/1/9(火) 午後 7:16

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    > 仙台さん
    明けましておめでとうございます。
    コメントありがとうございます。
    ニッチでディープな話なので興味がある人も少ないと覚悟して書いていました(笑)
    ご期待に沿えるかどうか分かりませんが、ご覧いただけましたら幸いです。

    [ 鮎たわけ ]

    2018/1/9(火) 午後 10:11

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    > 鮎たわけさん
    はじめまして、本テグスの記事からこちらに来させて頂き、ブログを楽しみに拝読しております。 釣りは全くの素人ですが、本テグスや馬素の記事にすっかり魅了されてまして、サラブレッドの尾毛を少し手に入れ、なんとかてんから用に一本作れないかと悪戦苦闘中です、 一本づつ長さ、太さも違うし三本で撚ることも至難の技で、三つ編みではどうかと試してみましたが、40cmの長さほどしかできません。 次号からの記事を楽しみにしておらります。 本テグスは樟さんに玉子を産ませて保管してありますが、さて還るかどうか、、 削除

    [ 満月 ]

    2018/1/10(水) 午後 6:11

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    > 満月さん
    初めまして。
    ご覧いただき、コメントありがとうございます。
    たしかに馬の尻毛は長さも太さもバラバラです。
    それを使った昔の人の知恵を再現したいと思い、私も今回はかなり試行錯誤しました。
    結果的には、古式テンカラ撚り馬素をほぼ完璧に再現でき、その撚り方の理由も解明できたと思っております。
    そのあたりは、引き続きご覧いただけましたら幸いです。
    でも、私もクスサンから実際にテグスを作ったことはありません。
    スゴイですね。

    [ 鮎たわけ ]

    2018/1/10(水) 午後 8:11

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