幼い息子を死に至らしめたのは、父親の身勝手としかいいようがない度を超した「親心」だった。
東京都江東区で9月6日、長男(5)に暴行を加えて死亡させたとして、傷害致死容疑で父親の大平
洋一容疑者(45)が警視庁に逮捕された。一方的な暴力は3時間にわたって続いたとみられるが、
その動機は「男の子には強くあってほしいという思いだった」という信じがたいもの。数年前に不眠
症を患って以降、手を上げることが増えたことをほのめかしているが、誰も救いの手をさしのべること
はできなかった。(中村翔樹)
「着替え」で逆上 3時間?も暴行
「お父さん、お尻が痛くてトイレができない」
6日午後2時ごろ、江東区大島の都営住宅で、長男の龍桜(りゅうおう)ち ゃんは、大平容疑者にこ
う訴えた。さかのぼること約4時間前。大平容疑者はたわいもないことをきっかけに逆上し、便座に座
れなくなるほどに体が腫れるまでの暴行を加えていた。
警視庁城東署によると、大平容疑者は同日午前10時ごろ、幼稚園に連れて行くため、龍桜ちゃん
に着替えるように言った。
「Tシャツを着て」
ところが、龍桜ちゃんが肌着の上からTシャツを着たのが気に入らず、改めて肌着を脱いだのを
目にした瞬間、大平容疑者の感情に火がついた。
身長100センチほど、体重20キロに満たない幼い子供をげんこつで殴り、蹴り飛ばすなどの暴行
が始まり、龍桜ちゃんの肌はみるみるうちに紫色に変わっていった。息が荒くなり、はいつくばるよう
に動きが鈍くなった龍桜ちゃんを見て、「過呼吸になった」(大平容疑者)と思い、ポリ袋を口にあてたという。
「思ったように着替えができないことに腹が立った。数年前から不眠症で、前日から一睡もできない状
態だった」と弁明している大平容疑者。逮捕直後は「30分間ほど殴った」と供述していたが、実際には午
後1時ごろまで、3時間にわたって断続的に手を上げ続けていたとみられる。
同時間帯に子供の泣き声や叫び声を聞いたという証言がないことから、「龍桜ちゃんが声をひそめ、
じっと耐えていた可能性がある」(捜査関係者)という。
「お父さん、助けて」
大平容疑者はトイレからの訴えを聞き、タクシーで龍桜ちゃんを病院に連れて行った。しかし、到着した
ときには心肺停止状態で、午後5時半ごろに息を引き取った。理不尽な暴力をふるい続けた父親へのSO
Sが、龍桜ちゃんの最後の言葉となってしまった。
1年前に離婚 育児ストレスで「イライラ」
大平容疑者は「男の子なので強くあってほしい、多少のことでへこたれないでほしいという思いがあ
った」と供述。司法解剖の結果、死因は出血性ショックで、背中から両足にかけて重度の内出血がみら
れ、頭への外傷で脳も腫れ上がっていた。
龍桜ちゃんへの暴力を始めた時期については「3歳になったころから、言うことを聞かないときにたたく
ようになった」と説明しているという。
大平容疑者は長女(9)、次女(8)、龍桜ちゃん、三女(3)の5人暮らし。妻とは約1年前に離婚していた。
「子供たちはおもちゃや服を散らかしっぱなしにするなど、言うことを聞かなかった。イライラしていた」。
離婚後の育児ストレスをこう打ち明けてもいるという。
妻は離婚後も月に数回は大平容疑者宅を訪れていたが、子育ての主導権は大平容疑者が握っていた。
近所の住民によると、事件前に長女と次女が近くに住む妻に「弟が父親から暴力を受けている」と助け
を求めたが、妻は「どうしてあなたたちが止めないの」と突き放し、大平容疑者を説得しに行くことなど
はしなかったという。
大平容疑者は約4年前に勤務先の建設会社が倒産し、その後は無職だった。近くに住む男性(30)は
「『生活保護と児童手当があれば生きていける』と吹聴していた」と話す。
妻とアルバイト先が同じだった女性(59)は「(妻は)『夫が働かず、家計が苦しい』と悩んでいた。『幸せ
なの?』と聞くと、『お年寄りと子供には優しい人なんですけど…』と苦笑していた」と打ち明ける。
捜査関係者は「妻に頼りがちだった子育てを1人で背負うことになり、焦りや不安を募らせていたの
ではないか」と推測する。
健康診断で「あざ」なし 突発的な犯行か
近所の住民たちは大平容疑者一家の異変に気付かなかったのか。
都営住宅の隣の部屋に住む女性は「ときどき、長女と次女が龍桜ちゃんと公園で遊んでいるのを見かけ
たが、3人ともけがをしているようにはみえず、衣服の汚れもなかった。体格もよく、普通の元気な子供だと思
っていた」と話す。
地元の江東区や児童相談所には児童虐待の情報は寄せられておらず、6月19日には幼稚園で健康
診断があったが、龍桜ちゃんの体にあざなどの暴行の痕は見あたらなかったという。
幼稚園関係者によると、龍桜ちゃんは事件4日前の9月2日から幼稚園を休んでいたが、最近は大平
容疑者の体調不良を理由に、月数回は休園させることが続いており、不審には思わなかったとしている。
登園時には龍桜ちゃんに手作りの弁当を持たせるなど、子煩悩な印象すら持たれていた。
捜査関係者も今回のような激しい暴行は日常的なものではなかった可能性が高いとみている。児童虐待
やドメスティックバイオレンス(DV)に詳しい立正大学の米田弘枝教授は「通常のしつけ程度に手を上げ
るだけだった親が、あるときだけ、突発的に激しい暴行に及ぶことはある」と指摘する。
龍桜ちゃん以外の子供たちには虐待を疑わせるような傷は見つかっておらず、「父親が男の子に、自
の生き方や価値観を暴力という形で押しつけてしまうことは少なくない」(米田教授)という。
取り調べを受ける前に、目をつむり、顔の前で手を合わせるしぐさをするという大平容疑者。「自分が無知
でバカだった」。こんなざんげの言葉もむなしく響くだけだ。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130915/crm13091512010005-n1.htm
こんな人って多いんですよね。まったく困ったものです。
これも都営住宅ですか。それに手当か…黄金パターンですね。
命を何だと思っているんだろう。暴力教師のキチガイ部活と同じですよ。
本来の目的から逸脱していますね。