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参院で野党が多数を占める「逆転国会」が7日召集され、参院議長に民主党の江田五月氏が選出された。
参院第1党となった民主党は新たに38人を迎え入れ、小沢代表は「闘争モード」への突入を宣言した。
一方、自民党の代議士会では、安部首相の面前で退陣を求める声が出た。本格的な秋の国会での攻防を暗示する1日となった。
民主党は高揚感に包まれていた。新人議員たちは党の議員向け研修を終え、「わくわくしている。信頼が得られる政党に成長していきたい」(植松恵美子氏・香川選挙区)などと、抱負を語った。
参院議員総会が開かれたのは国会1階にあるこぎれいな部屋。会派勢力を大幅に増やし、新たに用意された。
党本部に場所を移した両院議員総会では、小沢代表が200人超の出席者に呼びかけた。「『逆転の夏』という合言葉の中、目標を実現できた。参院第1党の責任を果たす事は政府与党と話し合い、協力して、足して2で割る事ではない」妥協せず、安部政権を追い詰めようという宣言だった。
与野党折衝で民主党はさっそく攻勢に出た。国民投票法成立を受けた憲法審査会の設置は「容認できない」(高木義明国体委員長)と今国会は先送りが濃厚に。
この日、参院議院運営委員長に就任した民主党の西岡武夫氏は、理事会で「国会で総理の所信を受けるべきだ」と注文をつけた。
参院の議会運営は自民党の青木幹雄氏、民主党の興石東氏と、両党の参院議員会長を中心に与野党協調が基軸だった。
しかし、青木氏は議員会長を辞任。一方、興石氏は参院民主党での発言力をいっそう強めている。
7日の党役員会で、党の重要方針を決める小沢氏、菅直人代表代行、鳩山由紀夫幹事長の「トロイカ」に興石氏も加わる事が決まった。参院の意見を反映させると共に、興石氏が独断で物事を決めることを防ぐ狙いがある。
民主党はこの国会には、年金保険料の年金給付以外への使用を禁じる法案を提出。一方、提出の方向で調整していた政治資金規正法改正案は、党内調整に難航する自民党を見て見送りに。自民党の出方を見守る方が得策だ、と判断したようだ。
国民新党と共同提出する郵政民営化凍結法案も、秋の臨時国会に出しても10月1日の民営化実施に間に合うとして、今国会には出さない事にした。態勢を整え、攻防本番の秋の臨時国会に照準を合わせる。
7日の国会内であった自民党代議士会。首相の前で、「退陣論」が噴き出した。中谷元氏(谷垣派)は「総理は一度身を引いて、根本的にどこが悪かったのか議論しないと難しい」と迫り、小坂憲次氏(津島派)は「国民は、政権交代を求めたのではなくピッチャーの交代を求めたと思う。」と首相の退陣を促した。
苦い顔で聞いていた首相だが、その直前の両院議員総会では「特に政治とかねの問題について、国民が1票に託した声に耳を傾けなければならない」と力説。それでも、拍手はまばらで、逆に津島派の石破茂衆院議員に「どこを反省しているのか、具体的に明らかにして欲しい」と迫られる始末だった。
夕方に党本部で開かれた参院選総括の会合でも、高村派の村上誠一郎氏が、「人心一新というのは本人も含めて人心一新しなければ何の意味も無い」と、厳しい発言。
くすぶっていた首相続投への不満が、あちこちで噴出した。それでも、いまのところ、安部首相がやめる気配は全然無い。
安部首相に辞任して欲しいという国民の民意も議員たちの意見も、彼には理解できていないのではないか。
安部首相は、自分がなぜこんなにも批判されているのか、いまひとつ理解できないのだろう。
独善独行ですべて自分だけが正しいのだ、と思い込んでいる彼には、国民のための本当の政治はできるはずが無い。
安部政権は、年末まではもたないだろう。早く退陣するほど国民のためになる。
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