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ノルウェーのノーベル賞委員会は12日、2007年のノーベル平和賞を、地球温暖化問題について映画などで世界的な啓発活動を行なった前米副大統領のアル・ゴア氏(59歳)と、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC,事務局・ジュネーブ)に授与すると発表した。
受賞理由で、両者が「人為的に起こる地球温暖化の認知を高めた」と高く評価した。
温暖化問題への取り組みで同賞が贈られるのは初めて。環境分野では2004年にケニアのワンガリ・マータイさんが受賞して以来となった。
地球規模で人類の生活環境に深刻な問題をもたらす地球温暖化について、ノーベル賞委員会は「特に、世界で最も弱者の国々にとって多大な重荷になっている」とし、国家間の紛争や内戦の要因にもなりうる可能性を示唆。両者への授与で「気候変動が制御不能となる前に、今すぐ行動が必要だ」という強烈なメッセージを送った。
ノーベル賞委員会は、ゴア氏を「長い間、世界をリードする環境保護論者。おそらく、世界で最も気候変動の理解を広める事に貢献した人物である」と評価した。
ゴア氏は授賞の発表を受け、「大変光栄だ。気候の危機は政治的な問題ではなく、全人類への道徳的、精神的な挑戦だ」との声明を出した。
賞金1千万スウェーデンクローナ(約1億8千万円)はIPCCと分けるが、自らが理事長を務める温暖化問題の非営利団体に全額寄付すると表明した。
IPCCは温暖化問題の科学的研究で最も権威ある機関とされる。「自然科学的根拠」「影響」「緩和策」をテーマとした3作業部会で、130カ国・地域を越える4千人以上の科学者らが報告書を作成する。対策や国際交渉の根拠として大きな影響力を持つ。
授賞式はノルウェーの首都オスロで12月10日に開かれる。インドネシア・バリで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)の最中にあたり、式が注目される事で2009年末の決着を目指す国際的な交渉に弾みがつく可能性がある。
ノーベル賞委員会は、ノルウェー議会が任命した学識経験者らで構成される。今年の平和賞は、全世界から推薦された計181件の団体や人物の中から選ばれた。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長は12日、ノーベル平和賞に関し、ゴア氏を「世界的な問題で国を超えた対応を促すため、個人や市民社会が果たせる決定的な役割の好例だ」と評価。
IPCCを「国連ファミリーにおけるノーベル賞受賞者の仲間入りを果たした」と祝福した。
米国の前副大統領アル・ゴア氏と国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」がノーベル平和賞を受賞したことは、地球温暖化の問題が平和に対する差し迫った脅威である事を明確に示した。
人々に危機を訴える「伝道師」としての役割が評価されたゴア氏を、再び誠次の表舞台に立たせようと求める声も広がる。
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