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ロンドン五輪女子サッカー:準々決勝

なでしこ 2-0 ブラジル

 なかなか厳しい試合になりましたね。開始早々、2つのことが明らかになったと思います。それは、相手は3バックを敷いてくると読んでいたなでしこのスカウティングミスと、そして、4バックを敷いてきたブラジルの守備がザルだということです。

 立ち上がり早々、大野がビッグチャンスを掴んだのですが、これは決めることが出来ず、試合の主導権を握る絶好の機会を逸します。ブラジルのシステムと噛み合ってしまったなでしこは、一対一の勝負で後手を踏み、押し込まれていきます。

 前線はボールを収めることが出来ず、ディフェンスラインは下げさせられてしまいます。攻め込まれたサイドは二対一の状態を作るために中盤の選手が戻って来ざるを得ません。こうして、こぼれ球を拾うことも、ボールを繋ぐことも不可能になったなでしこは、ほぼサンドバック状態に近い状態にまで追いやられてしまいます。

 連続して奪われたコーナーの、どれか一つでも入っていたならば致命的な結果を招いたかも知れません。しかし、何とか、この苦しい時間帯を耐え切って、速攻からチャンスを得ます。迎えた場面では、大儀見が右サイドどフリーで待ち構えていた宮間にパスを出さずに決定機を逸しましたが、この辺りの時間帯からなでしこが息を吹き返し始めます。冷静にパスを繋ぎ、サイドでキープする場面が増えました。

 そして、相手のファールから、澤の早めのリスタートで大儀見が抜け出します。キーパーとの一対一を冷静に決め、待望の先制点。この場面、ブラジルの14番は、大儀見をマークしていなければならなかったにも関わらず離してしまい、なおかつ抜けだされた後も全力で追いかけていませんでした。はっきり言って、ブラジルのディフェンスの質はビックリするほど低いものでした。

 先制したなでしこですが、後半に入るとまた厳しい展開になります。押し込まれ続け、いわゆるアップアップの状態になってしまい、最終的には足も止まり始めました。ブラジルの中盤(&サイドバック)が雑なプレーに終始していたこと、単純に放り込まずに、ドリブルを中心とした個人技に頼ってくれたことで、なんとか凌ぎ切れていましたが、このままの展開が続けばいつかは失点するであろうことは誰の目にも明白でした。

 この状況を打開したのは鮫島のフィードでした。高精度のフィードを大儀見に渡すと、大儀見は軽率にも飛び込んできたDFを軽やかなトラップで抜き去ります。この場面、それまで押し込んでいたブラジルは、十分な数のDFを後ろに置いておらず、前を向いた大儀見の前には広大なスペースが広がっており、そして、唯一残ったDFの裏を大野が狙っていました。大儀見は迷わずそこへパスを送ります。これを受けた大野のトラップはやや流れてしまい、相手DFに寄せられてしまいますが、冷静に切り返すと(利き足とは逆の)左足を振り抜いてゴールネットを揺らしました。

 正直、大儀見は先制点と2点目のアシスト以外ではほとんど役に立たなかったのですが、試合を決定づける大きな仕事をしてのけたと言えるでしょう。実際、このゴールが与えた影響は計り知れないほど大きいものでした。なでしこは一息つくことができ、精神的に余裕が生まれます。一方、焦ったブラジルはいよいよ非効率的な攻めを繰り返すばかりになりました。

 この試合を分けたもの。それはDFラインの質の差につきるでしょう。日本のCB石清水と熊谷は常に集中力を切らさず、攻撃を跳ね返し続けましたし、サイドバックは冷静にラインを保ちながら、相手のキープに対しては飛び込まずに我慢して、数的優位の状態を作れるまで時間を稼ぎました。近賀はアップダウンを繰り返してチームを助けましたし、守備に追われていた鮫島も2点目に繋がる好フィードを繰り出しました。

 一方、ブラジル守備陣は文字通りザルでしたね。ラインが整っていた場面など一度も無かったのではないでしょうか。まあ、元々、3バックのチームなのでそれもやむを得ないのかも知れませんが、それ以前の問題も多々あったように思えます。先制点の場面では大儀見を離してしまい、二点目の場面では軽率に飛び込んでかわされてしまう。DFとしての能力自体に疑問がありました。両サイドバックも高い位置を保っていた割に、それほど怖さはありませんでした。単純にクロスを入れられた時は怖かったのですが、それを継続できませんでしたし、ボール処理のイージーなミスも目につきました。

 ブラジルは中盤も雜でしたね。スムーズに繋げないので、最終的には前線のマルタが下がってきて捌いていました。まあ、なでしこの中盤も余り褒められたものではありませんでした。ボランチコンビは判断ミスでボールを失う場面も多かったですし、川澄も守備以外ではほとんど貢献しませんでした。宮間は相変わらずピッチを彷徨っていましたし。

 何はともあれ、勝てて良かった。次は金メダルを狙うためには最も高い壁になりそうな予感がする試合です。準決勝フランス戦。大会前の親善試合では完敗でした。特にセンターバックの2番(Wendie Renard)は、背が高く(185cm!)バネもある上に、異常に足が速く、もしかしたら女子サッカー界最高のDFなんじゃないかと思うほどの選手でした。どこか桜木花道(スラムダンク)を連想させる選手です←そりゃバスケ(笑)

 とは言え、大儀見には何とか競り勝って、ボールをキープしてもらわなければなりません。ポゼッションできなければ勝つのは難しいでしょう。ブラジルとは違い、フランスにはセットプレーでの高さがあるからです。

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