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「街の灯」は、もちろんチャップリンの名作。
「街の灯」は目が見えない花売り娘と浮浪者の恋を描いたロマンティック・コメディ。
浮浪者は大金持ちの紳士を精一杯装って、娘のために一所懸命働いて尽くし、娘もそんな彼に恋心を抱く。しかし、ある日、浮浪者はお金がなくアパートを追い出されるかも知れない娘の家賃と目の治療費を手に入れるが、盗んだお金ということで逮捕されてしまう。月日が流れ、出所後、偶然二人は再会する。娘の目は治っていたが、この薄汚い浮浪者を見てもかつての彼だとは分からない。哀れな浮浪者に小銭を恵んでやろうと、彼の手をとった時、娘の表情は変わる。「あなたでしたの?」・・・じっと見つめ合う二人の表情。 「THE END」。
子供の頃(といってもいまも子供だが・・・)この映画を見たとき、目の見えなかった女性と浮浪者が結ばれてハッピーエンドだとばかり思っていた。
しかし、先日この映画を見直してみて、ハッピーエンドに取れなくはないけど、同時にとっても残酷なラストであることにも気付き、とってもショックを受けた。
目が見えるようになってからの彼女。
店に現れた長身のイケメン紳士を見て「あの方が戻ってきそうな気がする」と一言。
そう、この女性は自分を助けてくれた男をイケメンだと思っている。白馬の王子様だ。
そんなときお店の前に現れたチャップリン。刑務所から出てきた彼は、逮捕前よりボロボロの
服になって、街で子供のいたずらにも本気で怒る男になっていた。
花屋さんで、かつてのあの女性を見たチャップリン。
そこで、何事もなかったかのように逃げてしまえば、女性は白馬の王子様を一生待ちつづけるだろうし、
ある意味幸せかもしれない。こういうエンディングも撮っていたらしいんだけど。
でもチャップリンは彼女の前を去れなかった。
すると彼女は「この人、わたしのことが好きみたい」。
そう、「上から目線」なのだ!
もちろん、自分を何度も救ってくれた「あの方」だとは思うはずもない。
しかし、彼女が彼の手をとった瞬間、それは「あの方」のぬくもりだった。
「You?」(あなたでしたの?)と聞くものの、女性の表情はとまどいを隠せない。
「これが白馬の王子様?うそ〜ん、マジ??浮浪者じゃん、これ〜、ありえないんだけど〜」
と思ったかも知れないし、
「想像とぜんぜんちゃうやん!でも、恩人には違いないしなぁ。。う〜ん」
と思ったかも知れない。
でも「想像と違うけど、会えてちょ〜ウレシイ!」ではないのは確か。
一方チャップリン側も、
「いや〜、目が見えるようになってボクの姿も見てくれてる。うれしい!」ではないだろう。
あのはにかんだ笑顔は何だ!
「いやぁ、バレちゃった? そう、ボクなんだ。みすぼらしい男でごめんね。
ボクはすぐにいなくなるから幸せにね」とか、いろんな気持ちが入り混じっての表情。
そしてこの笑顔で映画は終わる。
なんというすばらしくも悲しいエンディングだろう。
さらに、これ、コメディなのである。
ボクシングやダンスなど、細かい小ネタで笑わせてくれる。
しかし、それもこれも同じ人間の通過する道。涙あり笑いありって人生そのものじゃないだろうか。
こんな名画が500円とかで買えるなんていい世の中!
ちなみに「ラストもありがちでつまんない」なんて意見もネットで目にしたが愚の骨頂としか思えない。
この映画を通過して無数の映画が生まれていった。つまり、この映画が映画界という川の上流なのである。
バッハとか聞いて「コード進行がありがちだよね」と言ってるのと同じくらいマヌケだ。
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確かにコメディって悲しいなって感じる事がよくあります。明るくて陽気な姿の裏に悲しみを描いてるからね♪ いい映画って、何もハッピーエンドばかりじゃない。ハッピーエンドで終わっても、その後の人生はどうなったのか?って気になることが良くあります。チャップリンの映画は単純に見えるかもしれないが、かなり深く人物を洞察してるからね♪ ラストがありがちって、それは日々の日常を描いてるんだから当たり前じゃん!って思うのは私がおかしいのかな?(・_・?)ハテ
2007/5/15(火) 午後 7:37
ダイサンさん* 大好きな映画の記事にコメントありがとうございます!そうなんですよね〜。人間というものをよく観察してよく分かっている彼だからこその描き方なんですが、無声映画でここまで伝えられるのが何よりの証拠だと思います。でも、何にも感じない人も確かにいるんですよね〜。感じ方は人それぞれだと思うので、それはそれでいいんだけど、たぶんそういう人とは友達になれないなぁ(笑)。
2007/5/17(木) 午前 2:00
こんにちは、何度も観ている映画です。彼は本当に素晴らしい作品がおおいですね。街の灯や、キッド、モダンタイムス、ライムライト、○○狂時代と、あげればきりがないほどです。なかでもこの作品は、思いが強い作品ですよね。
2007/5/17(木) 午後 0:05 [ - ]
mc_kojitanさん* コメントありがとうございます。どの作品も人の温かさとその裏にある冷たさ、あざとさを絶妙なバランスで描いていますよね。これは無声時代の集大成のような気がします。
2007/5/17(木) 午後 4:54