新しいギリシア・ローマの物語2

179年、暴君フィリッポス、悪業の報いを存分に被り、死去

序章−ある王国の物語

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 改革の結末(さらにさらに続き)
 牢獄の中は沈鬱となった。王の一喝を浴び、長老たちは萎れてしまった。
 言葉を持たなかったのは、レオニダス達の方だった。
「だ、黙れ、黙れ!」
 レオニダスはわめいた。
 喚くしかなかった。言葉を失った者に残されているのは、無恥なる暴力だけだ。
「世迷言をほざきおって。アンファレス。ぐずぐずするな。この反逆者を直ちに処刑せよ!」
「は、ははっ」
 アンファレスも青ざめていたが、もう野蛮な力を振るうしかないと心定めると、
「アギス殿、こちらにまいられよ」と、かつての友の縄尻を引いた。
 アギス王は、素直に立ち上がると、死の座が待つ別室に向かった。


 別室には処刑人が控えていたが、王の顔を見ると大いに驚いた。
「これは…一体何事でございます」
「命令である。この者を処刑せよ」
 アンファレスが命ずると、処刑人は仰天した。
「め、滅相もない。このような慈悲深き王を」
「黙れ!レオニダス王の御意、長老会の命令だぞっ!」
 アンファレスが居丈高に脅しても、処刑人は、泣き出し、震えるばかりであった。
「ふ」
 アギス王は、このような悲惨の極みにあって、笑みを浮かべた。
「処刑人よ。泣くな。刑の執行を拒めば、後でそなたが咎めを受けよう」
 そういうと、王は、死の座に着いて、自ら縄に首をかけた。
「さあ。処刑人よ。せめて苦しまぬよう、一気にやってくれよ」
 処刑人は泣く泣く縄を掴んだ。
「余の死が、ラケダイモンに、なにかしら良い結果をもたらすことになればよいが…」
 それが王の最期の言葉であった。
 紀元前241年、アギス四世は死去した。
 在位僅か三年、23歳の若さであった。

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明日、土曜日ですが、更新する予定にしております
引き続き、
スパルタ王国変転の物語をお送りいたします

2010/2/12(金) 午前 7:54 Dragon

善政をやろうとしている人は、死に際もいさぎ良くて、惚れ惚れします。処刑人が最初、刑の執行を躊躇って、泣き出していたのは、アギス王が以前、土地の分配や負債の取り消しなどをやって自分が助かったか周りの人が喜ぶ姿を見ている為でしょうか…。
元友人の人も、本当は心痛むんでしょうか・・・。良心の部分ではレオニダス王の事を本当は正しいと思っていないはずですね。

2010/2/13(土) 午前 1:57 sak*ras*ku*00*nen4*atu

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いつの時代もそうですが、
周囲に流されて
という人たちも多かったと思われます。
現に、一時といえど、
アギスの改革に多くの人々が賛成したわけですから

そして、彼の死は無駄にはなりません
これを伏流として、彼の理想は
次の世代に引き継がれていきます

2010/2/13(土) 午後 0:59 Dragon


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