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傭兵の乱1−暴発(さらに続き)
「なんだと!リュビア人たちが反乱を起こそうとしておると!」
ジスコーネは愕然とした。
彼は、傭兵たちの要求を叶えるため奔走していた。給金に充てる資金を調達し、傭兵が日々の生活に困らないよう生活物資も運び込んだ。そのため、ようやく陣営内が静まって来た。
(これで鎮まるであろう)
そう一息ついていたところに、この急変である。
「はい。陣営内には不穏な空気が充満しております。もうここは危険です。一刻も早くカルタゴへお逃げください」
彼の副官の顔も蒼白であった。それだけ事態は切迫していたのだ。
「そうはいかん」
「なにゆえです。このままでは、彼奴らめは、必ずや閣下に狂気の刃を向けてまいりましょう」
「今、カルタゴ本国に戦力の余裕はない。リュビア人が攻め寄せて参れば、国家存亡の危機に陥ろう」
カルタゴ軍の編制は、繰り返すが、軍指揮官はカルタゴ人、兵はリュビア人ほか傭兵で成っている。カルタゴ市民は兵役に就かないのが原則だ。となると、戦闘力の要である兵士たちに背かれては、そもそも軍の編制ができなくなるのだ。
無論、市民も緊急時には武器を取るが、それは例外中の例外だ。
「よし。わしが説得しよう」
ジスコーネは立ち上がった。
リュビア人の集会にジスコーネが現れた。
「軽挙はならぬ。妄動に出れば、汝らは必ずや後悔するであろう」
彼は懸命に説得した。身の危険も忘れていた。
(この者たちが武器を取れば祖国は滅亡してしまうかもしれぬ)
が、殺気立ったリュビア人たちに、もう彼の言葉は届かなかった。
数人のリュビア人が前に進み出た。
「ならば、なにゆえ我らに給金は支払われないのか」
「そうだ。その理由を聞かせよ」
彼らは、ジスコーネを取り囲み、詰め寄った。
驕慢な態度に、ジスコーネもついカッとなった。
「汝らはマトスを司令官に選んだのだ。彼に要求すればよかろう」
そう吐き捨てた。
その途端、リュビア人の群衆は獣の如く咆哮し、ジスコーネたちに襲いかかり、彼ら捕縛してしまった。そして、彼らの所持する金品を全て奪った。
こうして、傭兵たちは、ついに反乱に立ち上がった。
時は、紀元前241年秋のことであった。
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カルタゴは、傭兵に頼り過ぎている感じですね。
文武両道なローマに比べ、内乱があると
これでは収められないですね。
ジスコーネは、生きて帰れるのでしょうか・・・。
2011/8/12(金) 午前 9:49
そうですね。行き過ぎた傭兵依存による歪みが、
このような形で爆裂してしまいました。
ジスコーネは、死を覚悟していたと思います
2011/8/16(火) 午前 6:54