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タデル川の戦い
間もなく、ハミルカルは大軍を率いて出征の途に就いた。
カルタゴ領に侵攻してきたオリッセス族を討伐するため。
傍らには、いつもの如く美貌のハシュドゥルバル、ではなく、長男ハンニバルと次男ハシュドゥルバルを従えていた。二人とも初陣だ。
娘婿の方は、新カルタゴの守りに残してきた。
ハミルカルは息子らと駒を並べ進んだ。
「こたびの敵は強敵。かかる戦いにこそ初陣を踏み、併せて父の采配を目に焼きつけよ」
「はっ!」「はいっ!」
父の言葉に、二人の息子は目を輝かせた。
二人にとって、ハミルカルはただの父親ではない。もはや尊崇の域に達し、戦神を仰ぎ見るような心持だったのだ。
ハミルカル軍は、新カルタゴの北東百五十キロ、アクラレウケ(現アリカンテ)の街を目指し進軍した。
この街が、カルタゴのイベリアにおける目下の最前線である。
この街を、周辺最大の勢力を誇る部族オリッセス族が攻め落とそうと、大挙迫って来ているとの報が入ったのだ。
ハミルカルは、途中、大きく内陸へ迂回する道をとり、無事アクラレウケに入城した。
というのも、敵が途中のイリキの町を占領しているとの報が入ったからだ。
イリキは、アクラレウケの南、タデル川の北に位置する要衝。
「ふふ。オリッセス族は、余のアクラレウケ入城を阻止しようとしたものであろう」
ハミルカルは笑った。
「父上。敵の企みは空を打ちましたぞ」
「こうなると、我が軍が断然優勢です」
息子たちも口々に言った。
そう。アクラレウケのハミルカル軍と、南方のカルタゴ支配下の兵力とで、イリキにいるオリッセス族の軍を挟み撃ちできるからだ。
「よし。イリキを包囲し、敵を一挙に撃滅せよ」
カルタゴ軍は意気揚々と出陣した。
カルタゴ軍は、このイベリアでは、はや無敵の存在。しかも指揮官は無敗の名将ハミルカル。兵の士気は、天をも衝かんばかりであった。
ハミルカル軍がイリキに迫ると、オリッセス族は街を捨てて南に逃げ始めた。
その様子を遠く望んだハミルカルは笑った。
「勝ったぞ、ハンニバル!」
「はい!父上!」
そう。イリキの南はタデル川。このまま追撃すれば、オリッセス族軍は川を背に敵を迎え討つこととなる。
「それ!騎兵隊と象軍に突撃させよ!」
この辺りは平原地帯。まさしく騎兵と象の格好の戦場だった。
騎兵は雄叫びを上げ、象は咆哮し、群がる敵めがけ突進した。
勇猛なオリッセス族の兵士たちもこれにはかなわない。
「ぎゃあ!」「わあ!」
悲鳴を上げて逃げ惑い、眼前のタデル川にざぶざぶと入っていく。
「逃がすな!我がカルタゴに逆らう者はこうなるぞと、全土の見せしめにせよ!」
カルタゴ軍は敵を追いかけ、これも川に入っていく。ただ、象を渡河させるのは手間がかかるので、象軍は川辺で止まった。
騎兵と軽装歩兵を中心に、敵を追撃すべく渡河を始めた。
ここまでは、いつもの勝利の戦いであった。
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新カルタゴの領土のアクラレウケは、もともと
ハミルカルが来る前は、オリッセス族が
支配していたところなんでしょうか・・・。
最後の文だと、この後、悪い事でも起きそうな
感じですね・・・。
2012/1/8(日) 午前 10:31
地名からすると、カルタゴ人の入植地ですが、それがオリッセス族のものであったかどうかまでは分かりません。
そうですね。そうなりそうです。
2012/1/10(火) 午前 7:35