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※ローマ・イリュリアの位置関係は、昨日12/14掲載分を御覧下さい
沈着の将パウルス
「デメトリオスはどこにいる」
ローマ軍総司令官パウルスは、それを第一に探索にあたらせた。
イリュリアの地形は険しく、拠点を一つ一つ攻め潰していたのでは、何年かかっても決着しない。また、イリュリア王国は、もはやデメトリオスの独裁下にある。彼を倒せば決着するからだ。
「どうやら、デメトリオスは、ファロス島(現フヴァル島)に陣取っているようです」
「イリュリア本土はどうなっておる」
「ディマレ(現アルバニア領)に精鋭を集結させて固めておるようです」
「そうか」
パウルスは目を光らせた。
デメトリオスは、ローマの迅速な行動に驚きながらも、イリュリア本土の兵を、首都シュコドラ近郊の要害ディマレに集めた。他方、自らの本陣を、彼元来の本拠地で、海上の要害でもあるファロス島に置き、いわば双方からローマ軍を牽制し惑わす態勢を整えたのであった。
「ならば、ディマレを落とせば、デメトリオスは孤立するな」
「されど、ディマレは要害にございます」
「だからこそ。そこを落とせば、イリュリア全体の戦意は失われよう」
一決すると、ローマ全軍はディマレに向かって進んだ。
ディマレに到着するや、パウルスは、その地形を詳細に調べ上げ、直ちに軍団長に指示を下した。そして、いつもの穏やかな口調で奮起を促した。
「七日以内にこのディマレを攻め落とすのだ」
「ははっ!」
ローマ軍の真骨頂の一つに、この攻城戦がある。
それまでの攻城戦は、兵糧攻めやトンネル掘削など、戦術の選択肢が限られ、大概は被害の少ない兵糧攻めを選ぶことが多かった。城を包囲し、城兵と市民が飢えで音を上げるのを待つのだ。ために、戦いは数カ月ときに数年に及ぶこともあった。
が、これでは勝利の果実は乏しいと言わざるを得ない。莫大な兵糧と戦備を費消してしまうからだ。
しかし、ローマ軍は違った。優れた土木技術を駆使し、攻城用の道路建設から始める。そう。街道を建設するように、城壁の下まで道を敷くのだ。
そして、道が完成すると、破城槌をがらがらと引いていく。破城槌とは、丸太を尖らせたものに鉄をもって覆い固め、城壁を打ち砕く攻城兵器である。まともに食らえば、石造りの城壁といえども、たちまち崩れ落ちる。
パウルスの軍勢は、四方から攻城用の道をずんずん建設し始めた。無論、城からは矢が雨あられと降り注いでくる。が、強固な防壁を築き、それを少しずつ前に進めながら土を掘り、地をならしていくのだ。
そして、七日目。ついに道は城壁の下に到達し、一斉に破城槌が振りおろされた。
一撃。二撃。さらに三撃。さしもの城壁も崩れ落ちていく。
「よし!全軍突入だ!」
こうなれば多勢に無勢。イリュリア兵は蹴散らされ、城内はあっという間にローマ兵により埋め尽くされた。
ディマレは、パウルスの立てた日程通りに落城したのであった。
これはイリュリア全土に衝撃を与えた。
「あのディマレを七日で落とすとは」
「これはとても敵わぬぞ」
人々は震え上がり、進んでパウルスの許に使者を送って服従を誓った。
イリュリアの首都シュコドラも自ら開城した。
ピンネス王ほか王家の人々も降参に出て来た。
こうして、イリュリア本土の大半は、パウルスにより制圧されたのであった。
「あとはデメトリオスだけだな」
パウルスは、全軍を率いて海上を進み、デメトリオスの本拠ファロス島に迫った。
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ローマはこの時代、すでに、こんな攻略法を編み出していたのですね。画像が見たいナ〜
2011/12/15(木) 午後 0:05
おはようございます。
そうですね。
ローマ軍は、この時代にあって既に高度に組織化され、この地域では無敵の存在になっていたようですね
画像ですか…
折りをみて掲載いたします。資料はあったと思います
2011/12/16(金) 午前 6:24